"HAIRSPRAY"（2007）

　ヘアスプレー

cast >> John Travolta, Michelle Pfeiffer, Christopher Walken, Amanda Bynes, James Marsden, Queen Latifah, Brittany Snow, Zac Efron, Elijah Kelley, Allison Janney, Nikki Blonsky, Taylor Parks, Jane Eastwood, Paul Dooley, Jerry Stiller, John Waters ...
director >> Adam Shankman（117min）
soundtrack >>


1988年のジョン・ウォーターズ監督・脚本・出演（← 本作でも冒頭の '露出狂' 役で出演・笑）によるオリジナル作品を原作にしたトニー賞８部門受賞ブロードウェイ・ミュージカルを、豪華キャストで映画化した爽快ミュージカル ーーー。
まだまだあからさまな "差別" や "偏見" が蔓延っていた '60年代初頭を舞台に、人気ＴＶ番組のメンバーを夢見る天真爛漫な "ビッグ・サイズ" の女子高生があきらめずに闘う姿を、賑やかな人間模様とともに描き出した作品。
監督・製作総指揮・振付は振付家・ダンサーとして知られ、"THE WEDDING PLANNER" で監督デビューも果たしたアダム・シャンクマン（ "STEP UP" ← 製作  "glee"〈TV〉シリーズ ← 監督）。
主演のトレイシー役はオーディションで選出されたニッキー・ブロンスキー（← 本作でデビュー）。
母親役は "GREASE" 以来のミュージカル出演となるジョン・トラヴォルタで「13キロのファット・スーツ」＋「４時間の特殊メイク」で変身した "女装" が話題に！（← ゴールデン・グローブに【助演男優賞】でノミネート・笑）

HAIRSPRAY Official Trailer

1962年、メリーランド州ボルチモア ーーー 唄とダンスが大好きで、お洒落に夢中な 16歳の女子高生トレイシー（Ｎ・ブロンスキー）の夢は、ヘアスプレーの企業が提供する人気番組『コーニー・コリンズ・ショー』に出演し、憧れのリンク（ザック・エフロン  "HIGH SCHOOL MUSICAL" シリーズ）と踊ること。でも現実は自宅でランドリーを手がける母のエドナ（Ｊ・トラヴォルタ  filmography ）と『おもしろグッズの店』を営む父ウィルバー（クリストファー・ウォーケン  "PULP FICTION" ← トラヴォルタと共演  "BASQUIAT" "MAN ON FIRE" ）に囲まれて、親友のペニー（アマンダ・バインズ  "LIVING PROOF" ）と番組を観ることだけが唯一の楽しみの日々。
そんなある日、欠員を埋めるため番組のオーディションが開催されることを知ったトレイシーは、母の反対を押し切り応募。しかしエドナの心配は的中し「太めのチビは要らない！」と、番組の中心的存在であるアンバー（ブリタニー・スノウ  "THE PACIFIER" ）と彼女の母親で番組を仕切っているヴェルマ（ミシェル・ファイファー  "GREAS 2" "SCARFACE" ）に追い払われてしまう・・・。
失望するトレイシー。ところが一転、番組ホストのコーニー・コリンズ（ジェームズ・マースデン  "THE NOTEBOOK" "27 DRESSES"  "X-MEN" シリーズ）主催のダンス・パーティーで彼の目に留まったトレイシーはレギュラー・メンバーに抜擢され、たちまち街の人気者に！
そんなトレイシーの成功が面白くないヴェルマ母娘は、アレコレとトラブルを仕掛け妨害しようとするのだが・・・・・。

人種差別のため『コーニー・コリンズ・ショー』でも黒人が登場できるのは週に一度の《ブラック・デー》だけ。
《ブラック・デー》にコーニーと共にホストを務めるメイベルをクイーン・ラティファ（ filmography ）、その息子で居残りクラスでトレイシーと知り合う《ブラック・デー》のメンバー、シーウィードをイライジャ・ケリー（ filmography ）、彼の妹をテイラー・パークス。ペニーのお堅い母親をアリソン・ジャネイ（ "THE HELP" "THE WEST WING"〈TV〉シリーズ）、ヴェルマの上司をポール・ドゥーリイ、Mr. ピンキーをジェリー・スティラー（← ベン・スティラーの父  "ZOOLANDER" ← 息子と共演  "THE TAKING OF PELHAM ONE TWO THREE" ）ら。

コレはあくまでも楽しいミュージカルですから、'62年にしては "人種差別" の描き方はヌルイです。
ーーー が、唄とダンスを通じて〈人と同じじゃなくてイイ。違うコトが魅力だから〉と自分のマイナスをプラスに変えたり、はじめからあきらめたりせず〈まずは踏み出すことが悪しき慣習を変える一歩〉だと教えてくれます。
所詮、つくり話だもの！・・・と思わずに、エンディングの "しあわせ感" をそのまま自分の "しあわせ" に変えてください♪
信じて疑わない "ポジティヴ・シンキング" は、自らの "しあわせ" を引き寄せる "最強のチカラ" ですから！
・・・ちなみに、あんなに楽しくて "funky" な居残りクラスなら毎日でも通うなぁ♪（笑）

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2012-11-06

"RENT"（2005）

　レント

cast >> Rosario Dawson, Adam Pascal, Anthony Rapp, Wilson Jermaine Heredia, Tracie Thoms, Taye Diggs, Jesse L. Martin, Idina Menzel, Sarah Silverman, Daniel London, Aaron Lohr, Rod Arrants, Anna Deavere Smith, Joel Swetow ...
producer / director >>Chris Columbus（135min）
soundtrack >>


《 No day but today.》
トニー賞とピューリッツァー賞を受賞したブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化。
1980年代末のニューヨークを舞台に、"RENT（家賃）" さえ払えない貧しい生活の中、ドラッグやエイズなど様々な問題を抱えながらも "夢" に向かって生きる若者たちの "愛" と "苦悩" に満ちた１年間を綴った物語 ーーー。
舞台の原作者である、故ジョナサン・ラーソンが作詞作曲を手がけた曲をそのまま使い、プロデューサーの一人にはロバート・デ・ニーロ（ filmography ）の名も。製作・監督はクリス・コロンバス（ "Home Alone" "Harry Potter And The Sorcerer's Stone" ）。

Rent (2005) - Trailer

1989年クリスマス・イヴの夜、イースト・ヴィレッジにある古いアパート ーーー "家賃" を滞納し、電気も暖房も止められた一室に暮らす元人気ロック・バンドのリード・ヴォーカルだったロジャー（アダム・パスカル  "The School Of Rock" ）と、ドキュメンタリーの映像作家を目指すマーク（アンソニー・ラップ  "A Beautiful Mind" ）。
ロジャーは恋人がエイズを苦に自殺して以来、すっかり引きこもり状態だったが、その夜、階下に住む麻薬中毒のダンサー、ミミ（ロザリオ・ドーソン  filmography ）と出逢い、心を惹かれ始める。
一方、映像作家志望のマークは常にカメラを持ち歩き、仲間をはじめ、あらゆるものを記録していた。彼らの親友でイースト・ヴィレッジに戻ってきた風変わりな哲学教授のコリンズ（ジェシー・Ｌ・マーティン  "Restaurant" ）は、強盗に襲われたところをドラッグ・クイーンのエンジェル（ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア  "FLAWLESS" ）に助けられ、お互いエイズという病気を抱えていることを知り、すぐさま恋に落ちる。

クリスマスの夜 ーーー 家主の娘と結婚して、今はすっかり資産家となったかつての仲間ベニー（テイ・ディグス  filmography ）は、地域の再開発を目論み、住人の追い出しを図っていた。マークの元カノで、パフォーマンス・アーティストのモーリーン（イディナ・メンゼル ← Ｔ・ディグスの妻  "Just A Kiss" で夫と共演）は、"再開発反対" を訴えるライヴを行っていた。彼女の現在の恋人は、女性弁護士のジョアンヌ（トレイシー・トムズ  "COLD CASE"＜TV＞ のミラー役でお馴染み  "Safe House" "The Devil Wears Prada" ）。

大晦日 ーーー ついにアパートは閉鎖され、仲間たちの環境は変化していく。
そして１年の時が流れ、彼らは "今この時を精一杯生きること" を改めて決意するのだった・・・・・。

主要メンバーはオフブロードウェイ及びオリジナル・ブロードウェイのオリジナル・キャストそのままだが、ミミ役のダフネ・ルービン＝ヴェガ（ "FLAWLESS" ← Ｗ.Ｊ. ヘレディアと共演）は「妊娠」を理由に、ジョアンヌ役のフレディ・ウォーカーは「年齢」を理由に本作への出演を辞退。
ちなみに故ジョナサン・ラーソンやキャストについては、特典の120分ほどもある『ドキュメンタリー集 "RENT" 誕生の奇跡』で、たっぷり堪能できますのでそちらでどうぞ。

Ｊ・ラーソンの "魂" の込められた楽曲は、心に響きます・・・。
"切なく儚い" 人生 ーーー だからこそ《 No day but today.》。

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2009-05-29

"GREASE"（1978）

　グリース

cast >> John Travolta, Olivia Newton-John, Stockard Channing, Jeff Conaway, Barry Pearl, Michael Tucci, Kelly Ward, Didi Conn, Jamie Donnelly, Dinah Manoff, Eve Arden, Frankie Avalon, John Blondell, Edd Byrnes, Sid Caesar, Alice Ghostley ...
director >> Randal Kleiser（110min）
music >> Barry Gibb, Jim Jacobs
soundtrack >>


1971年に初演された人気ブロード・ウェイ・ミュージカルを、"Saturday Night Fever" で社会現象を巻き起こしたジョン・トラヴォルタ＋ 70's ポップス・クイーンのオリヴィア・ニュートン＝ジョンを主演に、新たな解釈とオリジナルにはなかった新たな楽曲を加えて映画化した学園ミュージカル ーーー。
監督はランダル・クレイザー（← 本作が映画作品デビュー  "STARSKY AND HUTCH"〈TV〉 "THE BLUE LAGOON" ）、製作はロバート・スティグウッド（← "Saturday Night Fever" や本作の続編 "GREASE 2" でも製作担当）とアラン・カー、振付はパトリシア・バーチ、音楽はビージーズ（← これまた "Saturday Night Fever" で知られる）のバリー・ギブら。

Grease (1978) Trailer

1950年代のアメリカ ーーー 夏休みに避暑地の海岸で出逢い恋に落ちたダニー（Ｊ・トラヴォルタ ← 舞台版ではバイ・プレイヤーだったが本作では念願の主役に！  filmography ）とサンディ（Ｏ・ニュートン＝ジョン  "XANADU"  "glee"〈TV〉← ゲスト出演）。いつか再会を信じつつも "ひと夏の恋" に別れを告げたふたり・・・。
新学期が始まり、ダニーはライデル高校の３年生に。"グリース" でリーゼント＆革ジャンでクールにキメたダニーは、不良グループ "Ｔ・バーズ" のリーダー。ところが父の転勤で偶然ライデル・ハイに転校してきたサンディは、ダニーとは正反対のリッチで清楚なお嬢様。思いがけない "理想の王子様" との再会を喜ぶサンディだが、ツッパリのダニーは仲間の手前、気持ちとは裏腹につれない素振りで彼女を冷たく突き放してしまう。そんなダニーの態度に傷つき怒るサンディだが・・・・・。

"Ｔ・バーズ" の仲間キニッキーをジェフ・コナウェイ、ドゥーディをバリー・パール、ソニーをマイケル・トゥッチ（ "BLOW" ）、パッツィーをケリー・ワード。
"ピンク・レディース" のメンバーで、転校初日サンディの最初の友だちになったフレンチーをディディ・コーン（ "GREASE 2" ）、リーダーのリゾをストッカード・チャニング（ "SMOKE"  "THE WEST WING"〈TV〉シリーズ）、ジャンをジェミー・ドネリー、マーティをダイナ・マノフ（ "ORDINARY PEOPLE" "CHILD'S PLAY" ）。
校長先生をイヴ・アーデン（ "GREASE 2" "ANATOMY OF A MURDER" ）、校長と名コンビのヴァイをジョーン・ブロンデル（ "THE CINCINNATI KID" "THE CHAMP" ）、コーチをシド・シーザー（ "AIRPORT 1975" "GREASE 2" ）、ティーン・エンジェルをフランキー・アヴァロン（ "THE LONGEST DAY" ）ら。

『慕情』を再現したオープニングに、♪ 合い言葉は『グリース』♪♪  と唄う《グリース》がバックに流れるオープニング・クレジットはＰＯＰで秀逸！（← クルマを象ったＰＯＰなタイトル・デザインもね！）
《愛のデュエット》をはじめ、耳慣れた曲＆観るからに楽しそうなダンス・シーンや楽しいファッションが盛りだくさん！
久しぶりに観ましたけど、気分爽快でしたよ♪（懐）
「は？18歳の高校生？！」・・・というのはヌキにして（笑）、とにかく楽しい気分になりたい方はぜひどうぞ♪
ちなみにイチバン、グッとくるシーンは予告編には入っていませんのでお楽しみに～！（笑）

関連作品 >>  "GREASE 2"
>>  Musical - filmography（ミュージカル  映画作品一覧）
>>  70's movie - filmography（’70年代［1970 - 1979］映画作品一覧）

 

"CARMEN: A Hip Hopera"（2001）

　カルメン：ヒップ・ホペラ

cast >> Mekhi Phifer, Beyonce Knowles, Mos Def, Rah Digga, Joy Bryant, Wyclef Jean, Da Brat, Jermaine Dupri, Lil' Bow Wow, Casey Lee, Reagan Gomez-Preston, Sam Sarpong, Troy Winbush, Fred Williamson, Yuri Brown ...
director >>Robert Townsent（88min）《TVM》
region 1 >>English subtitles
soundtrack >>


ビゼーのオペラ『カルメン』の舞台を現代に移し、ロバート・タウンゼント監督（ filmography ）が豪華キャストで、斬新な "ヒップ・ホップ・ミュージカル（← 唄も一部ありますが、台詞が 'ラップ' ）" として再現 ーーー。
"オール黒人キャスト" が大きな話題となった1954年の "Carmen Jones" の設定を現代版に代え（← 基本的なストーリーは同様）、こちらは "吹き替えナシ" でキャストの面々の魅力を120％活かした作品。ビヨンセ初の映画主演作。

Carmen: A Hip Hopera (2001) Trailer

巡査部長のデリック・ヒル（メキー・ファイファー  filmography ）は、婚約者のケイラ（リーガン・ゴメス＝プレストン  filmography ）を心から愛している、真面目で善良な男。ある日パトロール中に無線を聞いて現場へ急行したヒルは、警部補のミラー（モス・デフ  filmography ）が少年（リル・バウ・ワウ  "Roll Bounce" "The Fast And The Furious: Tokyo Drift" ）にドラッグを仕込み、故意に罪を被せる違法行為を目撃。ヒルはミラーを非難するが、権力を振りかざすミラーは "事実" を捻りつぶし、ヒルに少年を連行させる ーーー。
ある非番の夜、ケイラの父ルー（フレッド・ウィリアムソン  "BLACK CAESAR" ）が経営する "Lou's Pub（ルーのパブ）" に立ち寄ったヒルは、艶やかに着飾った女優志望のカルメン（ビヨンセ・ノウルズ  filmography ）を見かける。ヒルを目の敵にする悪徳警部補のミラーをはじめ、パブにいた男どもの視線は彼女に釘付けになるが、そんな連中には目もくれず、カルメンが狙いをつけたのは自分に興味を示さない誠実なヒル。婚約者が目の前にいるにも関わらず、猛アタックを仕掛けるカルメンだが、一途なヒルは彼女の誘いに乗らない。そんな中、カルメンはパブにいた女と乱闘騒ぎを起こし、意地の悪いミラーは "腹いせ" がてら、わざと非番のヒルに彼女を留置所まで連行するように命じる。ヒルと "二人きり" になるチャンスとみたカルメンは、"あの手この手" で彼に迫る・・・・・。

カルメンの友人ラシーダをラー・ディガ（← ラッパー）、ニッキをジョイ・ブライアント（← "HONEY" でＭ・ファイファーと共演  filmography ）、ヒルの相棒のポーターをトロイ・ウィンブッシュ（ "SNIPER 3" ）、ドラッグ・ディーラーのポケッツをジャーメイン・デュプリ、占い師をワイクリフ・ジョン（← この２人はデスティニーズ・チャイルド時代のビヨンセのプロデューサーでもあり、Music Video にも出演）、ナレーターをダ・ブラット（← Ｊ・デュプリが見出したラッパー）など、さすが "MTV Film" としか言いようがないキャスト！（楽♪） ちなみにバウ・ワウもデスチャの Music Video で共演していましたっけ（懐）。

"不吉なカード" は "Carmen Jones" との共通項ですが、"軍隊 → 警察"、"シカゴ → Ｌ.Ａ."、"チャンプ → 売れっ子ラッパー" など、設定が代わっています。ラッパーではないＭ・ファイファーですが（cf. "8 Mile" ）、"HUATLE & FLOW" のテレンス・ハワード（ filmography ）とは違う（← 役の設定が全く違うので比較にはなりませんが）、肩にチカラの入らないナチュラルなラップを披露（笑）。ヒップ・ホップ好きには、キャストだけでたまらない作品ですが、機会があれば "黒人が虐げられていた時代" を屈辱に耐えて切り拓いてきた先人たちの作品と観比べてみるのもお薦めです。

>>  Musical - filmography（ミュージカル  映画作品一覧）
>>  Hip Hop - filmography
>>  TVM - filmography
>>  Black Movie - filmography

"CARMEN JONES"（1954）

　カルメン

cast >> Dorothy Dandridge, Harry Belafonte, Pearl Bailey, Joe Adams, Diahann Carroll, Roy E. Glenn. Sr., Olga James, Nick Stewart ...
producer / director >>Otto Preminger（105min）


ジョルジュ・ビゼー作曲の有名歌劇「カルメン」に、オスカー・ハマースタイン二世（ "The Sound Of Music" ← 音楽  "The King And I" ← 作詞作曲）が現代風の詞をつけた、オール黒人キャストのブロードウェイ・ミュージカルの映画化 ーーー。製作・監督はオットー・プレミンジャー（ "Porgy And Bess" ← Ｄ・ダンドリッジと組む  "EXODUS" ）、タイトル・デザインはソウル・バス（ "West Side Story"  "Bonjour Tristesse" ← 監督と組む）。

Carmen Jones Trailer

（※ソウル・バス、デザインの "一輪の薔薇" がバックに咲くタイトルは実に秀逸なんですが、残念ながらこの映像にはありません）

時は第二次世界大戦中。ジョー（ハリー・ベラフォンテ  "BEAT STREET" ← 製作  "We Are The World"  "BOBBY" ← 出演）は、南部駐屯黒人部隊の伍長で、航空部隊に転属予定。彼にはシンディ・ルー（オルガ・ジェームス）という、気立てのいい婚約者がいる。一方、すぐ近くのパラシュート工場で働くカルメン・ジョーンズ（ドロシー・ダンドリッジ  cf. "Introducing Dorothy Dandridge" ）は、次から次に狙った男を誘惑する "自由奔放な女" ーーー。カルメンは、自分に全くなびかないジョーを振り向かせるために、"あの手この手" を尽くし、ついにモノにする。友人のフランキー（パール・ベイリー）らの誘いもあり、憲兵の追跡から逃れるためにカルメンはジョーを説得し、シカゴへ。貧しいながらも、二人だけの暮らしを始める。しかし "愛さえあれば" と思えた生活は、いつしか破綻。"移り気な女心" と、"純粋な男の一途な愛" は大きくすれ違い、カルメンはボクシングのチャンプで、羽振りのいいハスキー（ジョー・アダムス）の元に走る。カルメンの為に、夢も婚約者も "すべて" を捨てたジョーの妄執は、やがて二人を悲劇へと導く・・・・・。

この作品のものすごく残念な点は、せっかくＤ・ダンドリッチ＆Ｈ・ベラフォンテという名シンガーをはじめ、当時は想像以上に斬新で困難だった "オール黒人キャスト"（← 現在ではいちいち断る必要もナイですが）で撮影したにもかかわらず、唄声のほとんどが "吹き替え" なこと！　彼らの "声" を活かさなければ、その意味がないのでは？（残念・・・Why?）
ちなみにＤ・ダンドリッチという女性に興味を持った方は、ぜひ "Introducing Dorothy Dandridge" をご覧ください。ハル・ベリー（ filmography ）がドロシーの生涯を演じた作品なんですが、彼女がどうやってこのカルメン役を手にしたのか、監督のＯ・プレミンジャーとの関係、何よりも "女優であること" を選んだ彼女の私生活や最期まで、本作での自由奔放で美しい "魔性の女" からは想像もつかない彼女自身の "人生" が、本作以上にドラマティックです・・・（驚＆悲）。

関連作品 >>  "CARMEN: A Hip Hopera"
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"IDLEWILD"（2006）

　アイドルワイルド

cast >> Andre Benjamin, Antwan A. Patton, Paula Patton, Terrence Howard, Faizon Love, Malinda Williams, Cicely Tyson, Macy Gray, Ben Vereen, Paula Jai Parker, Patti LaBelle, Ving Rhames, Jackie Long, Oscar Dillon, Jalil Jay Lynch, Bruce Bruce, Afemo Omilami, Bill Nunn ...
writer / director >>Bryan Barber（121min）《劇場未公開》
music supervisors >>Andre 3000 & Big Boi
music score >>John Debney


グラミー・ウィナーのHIP HOP デュオ、"OUTCAST（アンドレ・3000＋ビッグ・ボーイ）" が音楽・主演でおくる、異色のヒップ・ホップ・ミュージカル ーーー。禁酒法時代のアメリカ南部アイドルワイルドを舞台に、クラブ・シンガーとピアニストとして生きる２人の黒人青年の成長を描いた作品。脚本・監督はブライアン・バーバー、振付は "DREAMGIRLS" に出演したヒントン・バトル。

Idlewild Official Trailer #1 - Terrence Howard Movie (2006) HD

禁酒法が施行されている1930年代のアメリカ南部の小さな町アイドルワイルド ーーー。ギャングの叔父スパッツ（ヴィング・レイムス  "Pulp Fiction" "Mission: Impossible" シリーズ）に可愛がって育てられ、音楽とギャンブル好きで数字に強いルースター（アントワン・Ａ・パットン）は、叔父のシマでイチバン景気のいいクラブ "チャーチ" で人気Ｎｏ.１のシンガー。一方、葬儀社を営む厳格な父親（ベン・ヴェリーン  "ROOTS" "And Then Came Love" ）に育てられた幼馴染みのパーシヴァル（アンドレ・ベンジャミン  "Four Brothers" "SEMI-PRO" ）は、優れた才能を持ちながらも "抑圧" された環境のもと、地味なピアニストとして活動していた。
そんなある日、スパッツとクラブ・オーナーのエース（フェイゾン・ラヴ  "Friday" "The Fighting Temptations" ）が殺され、叔父の部下だったトランピー（テレンス・ハワード  filmography ）がオーナーになり、以来ルースターは上納金を納めるため、クラブの経営に振りまわされるハメに ーーー。対照的に、契約シンガーとしてクラブにやってきたエンジェル（ポーラ・パットン  filmography ）に恋心を抱いたパーシヴァルは、彼女に自分の楽曲を提供したことをきっかけに脚光を浴び始める ーーー。やがてルースターとパーシヴァル、それぞれの "夢" を賭けた運命の夜が訪れる・・・・・。

ルースターの妻ゾラをマリンダ・ウィリアムズ（ filmography ）、クラブ・シンガーのタフィをメイシー・グレイ（ filmography ）、ルースターの愛人ローズをポーラ・ジャイ・パーカー（ "HUSTLE & FLOW" ← Ｔ・ハワードと共演  filmography ）、本物のエンジェル・ダヴェンポートをパティ・ラベル（ "A Soldier's Story" ）、マザー・ホプキンスをシシリー・タイソン（← 短い出演時間にもかかわらず、存在感抜群！  filmography ）。

この時代（ "The Cotton Club" "Once Upon A Tine In America" ）のファッションは、男性が特に "粋" で "洒落て" いて大好き。音楽やダンスにはもちろん時代背景に "創作" を加えていますが、なんともスタイリッシュで "セピア" を感じさせる独特の映像は美しい（秀逸）。
"Sally B. Shelly（サリー・Ｂ・シェリー）"・・・知りたい方はご覧ください（笑）。

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"CHICAGO"（2002）

　シカゴ

cast >> Renee Zellweger, Catherine Zeta Jones, Richard Gere, Queen Latifah, John C. Reilly, Taye Diggs, Lucy Liu, Christine Baranski, Colm Feore, Dominic West, Jayne Eastwood, Chita Rivera, Susan Misner, Ekaterine Chtchelkanova, Deidre Goodwin, Denise Faye, Mya Harrison ...
writer >>Bill Condon
director >>Rob Marshall（113min）
music >>John Kander, Danny Elfman
soundtrack >>


スターを目指す２人の女と、彼女たちの運命を操る弁護士。それぞれに "思惑" と "野望" を抱いた３人の男女を軸に、熾烈な "駆け引き" や "人間模様" を華やかな唄と踊りで綴ったミュージカル ーーー。トニー賞受賞作で、"ミュージカルの神様" と称されるボブ・フォッシー振付・演出によるブロードウェイの人気舞台劇の映画化。監督はロブ・マーシャル（ "Memoirs Of A Geisha" ）、脚本はビル・コンドン（ "Dreamgirls" ← 脚本・監督）。アカデミー賞【作品賞・助演女優賞（キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ）・美術賞・衣装デザイン賞・音響賞・編集賞】、ゴールデングローブ賞【作品賞・女優賞（レニー・ゼルウィガー）・男優賞（リチャード・ギア）】ほか、多数受賞作品。

Chicago (2002)

1920年代のシカゴ ーーー そこは犯罪さえも "エンターテインメント" にしてしまうショービジネスの街。ヴォードヴィルのスターを夢みるロキシー・ハート（Ｌ・ゼルウィガー  "Jerry Maguire" "Bridget Jones's Diary" ）は、キャバレーの専属歌手ヴェルマ・ケリー（Ｃ・Ｚ・ジョーンズ  "TRAFFIC" "The Mask Of Zorro" "The Terminal" ）のステージを羨望の眼差しで見つめていた。ロキシーは人妻でありながら、"コネ" があり自分をショーに売り込んでくれるというケイスリー（ドミニク・ウェスト  "The Forgotten" ）と浮気していたが、それが "嘘" だったことを知り、逆上して彼を撃ち殺してしまう。ところが逮捕され送り込まれた留置場には、ロキシーの憧れの歌姫ヴェルマも殺人罪で留置されていた。彼女は不倫した夫と妹を殺した罪に問われていたのだ。しかし、ヴェルマは女看守長ママ・モートン（クイーン・ラティファ  filmography ）を "買収"、マスコミ操作に長けた "負け知らず" の辣腕弁護士ビリー・フリン（リチャード・ギア  filmography ）を雇い、夫と妹に裏切られた被害者として自分を演出。新聞の一面に名が踊り、"スター" としてのステイタスをより上げていた。ロキシーは同じ手段でヴェルマ以上の注目を浴びようと、お人好しの夫エイモス（ジョン・Ｃ・ライリー  "Boogie Nights" ）を使って、ビリーを雇うのだが・・・・・。

バンドリーダーをテイ・ディグス（ filmography ）、メアリー・サンシャインをクリスティーン・バランスキー（ "Mamma Mia!" ）、検事のマーティン・ハリソンをコルム・フィオール（ "CHANGELING" ）、殺人罪で留置場に送られてくる大金持ちのキティをルーシー・リュー（ "Lucky Number Slevin" ）など。

"女の強かさ" がよく表れた作品 ーーー。Ｌ・ゼルウィガーとＣ・Ｚ・ジョーンズは同じ1969年生まれで、実はレニーがキャサリンより５ヶ月お姉さん（笑）。同じ歳とは思えない、元来の "個性" を充分に活かした "役" と "編集" は実に秀逸。アカデミー賞授賞式で、大きなお腹のキャサリンが "ENTRAPMENT" で共演したショーン・コネリー（ "The Untouchables" "Finding Forrester" ）から名前を呼ばれ、スピーチした姿が想い出されます。個人的にはアカデミー賞で、Ｑ・ラティファやＪ・Ｃ・ライリーよりも評価が薄いＲ・ギアが気の毒・・・（苦笑）

>>  Musical - filmography（ミュージカル  映画作品一覧）

 

"DREAMGIRLS"（2006）

　ドリームガールズ

cast >> Jamie Foxx, Beyonce Knowles, Eddie Murphy, Danny Glover, Jennifer Hudson, Anika Noni Rose, Keith Robinson, Sharon Leal, Hinton Battle, Mariah Wilson, Ken Page, John Lithgow, Robert Cicchini, John Krasinski, Loretta Devine ...
writer / director >>Bill Condon（130min）
soundtrack >>


ザ・シュープリームスのメンバー、メアリー・ウィルソンの自伝 "Dreamgirl: My Life As a Supreme" がベストセラーとなり、ブロードウェイで上演された大ヒット・ミュージカル『ドリームガールズ』を、"CHICAGO" の脚本を手がけたビル・コンドンが脚本・監督を手がけ映画化 ーーー。
"モータウン" によってブラック・ミュージックが白人社会へもと広く浸透していった1960～70年代のアメリカの音楽シーンを背景に、女性ヴォーカル・グループが辿った波瀾万丈の物語を綴った、音楽・人間ドラマ ーーー。
アカデミー賞２部門【助演女優賞（ジェニファー・ハドソン）・音響賞】、ゴールデン・グローブ３部門【作品賞（コメディ / ミュージカル）・助演男優賞（エディ・マーフィ）・助演女優賞（Ｊ・ハドソン）】受賞。

Dreamgirls Official Trailer

1962年、アメリカ自動車産業の中心地デトロイト ーーー。
エフィー（Ｊ・ハドソン  "The Secret Life Of Bees" "Sex And The City" ）、デイーナ（ビヨンセ・ノウルズ  filmography ）、ローレル（アニカ・ノニ・ローズ）の３人は "ドリ－メッツ " というヴォーカル・グループを結成。音楽界での成功を夢みてオーディションを繰り返し受けていたが、芽が出ずにいた。しかしある日、中古車販売業の "野心家" カーティス（ジェイミー・フォックス  filmography ）が彼女たちに大きな可能性を見出し、自らマネジメントを買って出る。そして絶大な人気を誇るソウル界のローカル・スター、ジミー・アーリー（Ｅ・マーフィ  "LIFE" "Beverly Hills Cop" ）のバック・コーラスに抜擢されるやいなや、彼らのパワフルなステージはデトロイトのみならず全米の注目を集め、一躍スター街道を歩み始める。しかし、歌唱力・表現力ともにズバ抜けた実力を誇るリード・ヴォーカルのエフィーは、いつまでもジミーのバック・コーラスでいることに不満だった。そして、ようやく独立＆デビューが決まった矢先に、カーティスから告げられたのは「ＴＶ向きに一番 "見栄えのいい" ディーナをリードに」することだった。しかも今までエフィーと付き合っていたカーティスは、私生活でもディーナに乗り替え、グループの活動に "支障" をきたすようになったエフィーは "クビ" を言い渡される。対照的に新メンバーを迎えたグループは、瞬く間に世界的な人気者になっていくが・・・・・。

ジミーを育てたマネージャーのマーティをダニー・グローヴァー（ filmography ）、エフィーの兄Ｃ.Ｃ.をキース・ロビンソン、新メンバーのミシェルをシャロン・リール（ "Why Did I Get Married?" "SOUL MEN" ）、カーティスの片腕ウェインをヒントン・バトル（ "IDLEWILD" ← 振付）、チョイ役でジェリーをジョン・リスゴー（ filmography ）、ジャズ・シンガーをロレッタ・ディヴァイン（ filmography ）。もちろん、出演者たちは皆 "吹き替えナシ" で唄ってます。

"SOUL MEN" が "スモーキー・ロビンソン＆ザ・ミラクルズ" を基にしているのに対し、本作は "ダイアナ・ロス＆ザ・シュープリームス" に基づいている。つまりカーティスのモデルは、ベリー・ゴーディ。ダイアナにあたるディーナ演じるビヨンセは、自らも "デスティニーズ・チャイルド" を解散・ソロ活動に専念という経緯を持っており、"重なる" 部分がひじょうに興味深い。
ちなみに本作の "設定" 通り、迫力のヴォーカルと "深み" のある声に圧倒されるのは、ビヨンセではなくＪ・ハドソン。米人気ＴＶ番組『アメリカン・アイドル』では７位だったものの、本作で見事に実力を発揮（拍手！）。劇場で背筋がゾクゾク、心に響きました ーーー。

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"THE WIZ"（1978）

　ウィズ

cast >> Diana Ross, Michael Jackson, Nipsey Russell, Ted Ross, Richard Pryor, Lena Horne, Theresa Merritt, Mable King, Thelma Carpenter, Stanley Greene ...
writer >>Joel Schumacher
producer >>Rob Cohen
director >>Sidney Lumet（135min）
music >> Quincy Jones, Charlie Smalls
soundtrack >>


1939年の『オズの魔法使い』が、1975年 オール黒人キャストのブロードウェイ・ミュージカル（← 舞台では20そこそこの、若いステファニー・ミルズが主演）となって大ヒット。その舞台を、シドニー・ルメット監督（ "The Verdict" "Dog Day Afternoon" ）・ロブ・コーエン製作（ "xXx" "The Fast And The Furious" "Thank God, It's Friday" ）・ジョエル・シュマッカー脚本（ filmography ）で映画化。ある女教師が "仲間たち" と経験する不思議な "旅" を描いたミュージカル ーーー。

The Wiz trailer (dir: Sidney Lumet, 1978)

ハーレムで、叔母エム（テレサ・マリット  "The Goodbye Girl" "The Serpent And The Rainbow" ）と叔父ヘンリー（スタンリー・グリーン）と暮らしているドロシー（ダイアナ・ロス  "Lady Sings The Blues" ）は、24歳の小学校教師。歳に似合わず内気な彼女は「外の世界」を知ろうともせず、家と学校を往復するだけの毎日。ところがクリスマスの夜、外に飛び出した愛犬トトを追いかけるうちに、激しい吹雪に巻き込まれ「魔法の国」に迷い込んでしまう・・・。彼女は自分の家に帰るためには「エメラルド・シティ」に住む "ウィズ" の力を借りなければならないことを知り、道中出会った "脳ミソのないカカシ"（マイケル・ジャクソン  discography ）、"心がないブリキ男"（ニプシー・ラッセル  "WILD CATS" ）、"気の弱いライオン"（テッド・ロス）と一緒にエメラルド・シティへと向かうが・・・・・。

ウィズをリチャード・プライアー（ "Lady Sings The Blues" ← Ｄ・ロスと共演  filmography ）、ミス・ワンをセルマ・カーペンター（ "The Cotton Club" ）、北の悪い魔女アビレーンをメイベル・キング、グリンダという良い魔女をリナ・ホーン。

音楽が "Q"（クインシー・ジョーンズ  filmography ）というだけで価値アリな上に、ルイス・ジョンソン（ discography ）が「振付師」としてクレジットされています（笑）。舞台でもＳ・ミルズが唄った "Everybody Rejoice（A Brand New Day）" を作詞・作曲したルーサー・ヴァンドロス（ discography ）の名も。若くて才能溢れるＭ・ジャクソンの "ナチュラル" な姿を観られるのは嬉しい。ただ、意気込みは認めるけれど「ドロシー役」にＤ・ロスはちょっとオトナすぎる（苦笑）。でも、いろいろな意味で私にとってはハズせない一本です。

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"West Side Story"（1961）

　ウエスト・サイド物語

cast >>  Natalie Wood, Richard Beymer, George Chakiris, Rita Moreno, Russ Tamblyn, Tucker Smith, David Winters, Simon Oakland, Hohn Astin, Ned Glass ...
writer / director >>Jerome Robbins
producer / director >>Robert Wise
music >> Leonard Bernstein
soundtrack >>


ジェローム・ロビンスの原案により、脚本をアーサー・ローレンツ、作詞をスティーブン・ソンドハイム、音楽をレナード・バーンスタイン（ "On The Waterfront" ）が書き、1957年にワシントン D.C. で初演されたミュージカルを、ロバート・ワイズ監督（ "The Sound Of Music" ）が映画化。シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を基に、当時のニューヨークの社会的背景を織り込み、白人とプエルトリコ移民との２つの敵対する非行グループの抗争の狭間に揺れる、若い男女の愛と悲劇を描いたミュージカル映画の最高峰 ーーー。
1961年度アカデミー賞10部門【作品賞 / 助演男優賞（ジョージ・チャキリス）/ 助演女優賞（リタ・モレノ）/ 監督賞 / 撮影賞 / ミュージカル映画音楽賞 / 美術監督・装置賞 / 衣装デザイン賞 / 編集賞 / 録音賞】受賞作品。

West Side Story - Trailer [1961] [34th Oscar Best Picture]

予告編↑には含まれていませんが、冒頭 バーンスタインのメドレーをバックに、
原色のスクリーンに映し出された長短の「線」が描くマンハッタンを見下ろす俯瞰図が、
実際の街並みへと変わる・・・。
カメラはそのまま都会の喧噪を抜けて、物語の舞台である下町、ウエスト・サイドへ ーーー。

移民の多いこの街では、リフ（ラス・タンブリン "Twin Peaks " ）をリーダーとするイタリア系の "ジェット団" と、ベルナルド（ジョージ・チャキリス  "La Ragazza Di Bube" ）率いるプエルトリコ系の "シャーク団" との無益な抗争が続いていた。ある日、ベルナルドの妹マリア（ナタリー・ウッド "Rebel Without A Cause" "Splendor In The Glass" ）は、アメリカでの初めてのダンス・パーティーに出かけ、そこでトニー（リチャード・ベイマー  "Twin Peaks " ← タンブリンと共演）と出逢う。しかし、彼は兄と対立する "ジェット団" の元リーダーだった。彼らの抗争と、一筋縄ではいかない二人の恋の行方 は・・・・・？

West Side Story-Gym Mambo

 

West Side Story-Tonight

ベルナルドの恋人アニータ役、リタ・モレノ（← 実際にプエルトリコ出身 "Singin' In The Rain" "The King And I" ）の演技とダンスは印象深い。キャンディ・ストアの店主ドク役のネッド・グラス（ "CHARADE" ）が、若者たちの行く末を案じる姿も忘れがたい。切ないストーリーと見事に一体化したバーンスタイン（← 後進の育成のため '90に札幌で "PMC（パシフィック・ミュージック・フェスティバル）" を始めた人でもある）の音楽は素晴らしく、当時は「これはダンスではなく体操だ」と批判された斬新なダンス（← 振り付けは共同監督でもあるロビンス）とともに、今なお輝きを失わず人々を魅了し続けている。ソウル・バス（ "Carmen Jones" ）によるタイトル・デザインも秀逸 ーーー。

昔、母がまだ娘時代（← つまり、私が生まれる以前）にこの作品を観て「まるで夢をみたような気持ちで映画館を出てきたよ」と言っていたのを思い出します（笑）。今観ても着てみたいなぁと思うドレスがたくさんあるし、衣装の色彩もキレイ。
作品中、風刺の効いたセリフや歌詞が出てきますが、半世紀近くも経つというのに、未だに「アメ公」だの「イタ公」だの、その他もろもろあるのは残念ですね。
ーーー『銃で殺したんじゃないわ！「憎しみ」で殺したのよ！』というセリフが心に刺さります・・・。

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>>  AFI'S The Greatest Movies 100 - filmography