THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「朝日新聞のトンデモ読書投稿」(朝南政昭/普遊舎ムック)

2007年05月31日 | Weblog
  書店でふと目に付いて買った本書は、「笑う新聞」「もっと笑う新聞」(新保信長/メディアファクトリー)のような「単にユニークな新聞の読者投稿を紹介した本」だと思っていたが、読んでみると、反「朝日」のフリーライターによって書かれたものでした。Webサイト「主に朝日のゆんゆん投稿」を単行本化したものです。
 “サヨク系”と言われる朝日新聞読者(地方紙を一部含む)の投稿記事を年代別に取り上げ、それに対するツッコミ(コメント)を入れるというスタイル。挿入されたコラムでは、いかに朝日新聞が非現実路線を歩んでいるかを揶揄するなど、「改憲派」の作者は朝日新聞を痛烈に批判しています。現在、作者のように朝日新聞の投稿記事や社説などを揶揄するホームページやブログがいくつもあることを知り、私は驚きました。また、本書に掲載された当初記事はすべて投稿者の実名がそのまま載っています。これまで私も朝日新聞の「声」欄に何度も投稿し掲載されましたが、投稿者の実名と記事タイトルがネットで無断に公表されていることを知り、ショックを受けました。
 作者は、自分の思想と異なる人は間違っているという姿勢で、朝日新聞の読者投稿を揶揄していますが、本書を読んでいると、テーマが政治・歴史問題に偏っていること(単に作者は改憲論を主張したいだけ?)、本のタイトルが「朝日新聞の…」となっているのに、地方紙の投稿記事も扱っているという一貫性のなさ、歴史認識の甘さなど、作者の方をツッコミたくなります。



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