視察レポートの一発目。
横浜市経済観光局商業コミュニティビジネス振興課を訪問しました。
通常、私たちは商店街や商業施設、商工会議所などを視察する場合が多く、
行政機関に直接お伺いして事業の実施状況をお聞きするのは珍しいかもしれません。
横浜市には、市井の名店継承事業というしくみがあります。
後継者がなく、近い将来廃業を検討する店舗が、一般からお店を持ちたい方を募り、
閉店させてしまうことなく、引き継いでもらうのです。
現在の業種をそのまま継承するか、店名や顧客は引き継ぐのか、
賃貸にするのか買い取りか、などはケースバイケースです。
一方で独立したい、開業したいと考えているチャレンジャーを募集し
登録しストックするしくみもあります。
条件の比較的近いお店とチャレンジャーをお見合いさせて、
お互い合意にすることができればマッチング成立です。
空き店舗の発生を未然に防ぎ、設備やお客さまを継承することで
比較的スムーズにお店をスタートさせることも期待されます。
↓制度的に詳しくはこちら
http://www.yokohama-shop.com/index.shtml
これまでの空き店舗対策は、
発生した時点でどうするかを考えるスタンスが中心でした。
横浜市では、名店として親しまれていた帽子屋さんが
後継者がなく閉店することになったのをきっかけに
この事業をスタートすることになったそうです。
当日は、横浜市観光経済局商業コミュニティビジネス課の柿崎係長が丁寧に説明くださいました。
事業のしくみだけでなく、運営面においても、
市の職員の方が中小企業診断士と動向して
綿密に丁寧に運営されている印象を持ちました。
事業スタートの年に2件のマッチング成立、
途中別の団体に事業委託して実績をあげられませんでしたが、
今年度は市が直接運営して2件のマッチング成功に至っているそうです。
私たちの千代尼通り商店街でも惜しまれながら閉店するお店があり、
これからも後継者問題がますます浮上してくることと思われます。
↓こちらもご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/fukuweb/d/20090121
行政がつくるしくみだけでなく、
いかにして街を次代へつないでいくか、
個人の事情を超えて商業者同士の意思疎通を図り、
街の空気を未来に向けた志のあるものにしておく必要があるのではないか。
この問題は、商業者がひとごとでなく捉える必要のある問題です。