映画感想(ネタバレもあったり)

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『シェイプ・オブ・ウォーター』今こそ日本にグサグサ刺さる映画!ラストネタバレあり

2021-03-16 | 映画感想
シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)
The Shape of Water 上映日:2018年03月01日製作国:アメリカ上映時間:124分

公開当時(2018)よりも2021年の現在の方が
この映画のメッセージは深く広く届くのでは。








「これは声を出せないプリンセスの物語」だと本国の予告編の冒頭で言ってるんすね。
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声をあげられない女性。
声をあげると「わきまえてない」と抑えられ、
キツい言い方をすると「もっと優しい言い方に変えた方が効果的だと思うよ(笑)」と助言され、
丁寧に話すと「女の話は長い」と笑われる。

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今、このタイミングでの公開だったらどれほど日本中にこの映画のメッセージが届いたことでしょう。

当時はトランプ政権下での移民の迫害についてのことが注目されていましたけど
実は日本にも直接にグサグサと刺してくる映画だったんですね。。
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風格がハンパない。
鋭利な社会派という側面が評価されたんだろうけど、演技から美術から音楽から脚本家から全てに風格があってたしかにオスカー作品賞とるに値する顔をしている。
この風格ってやつはどっから湧いてで来るのか。
ギレルモの怒りからか。
おれも怒ってるよ、ギレルモ!

傷ついたもの(人魚)は傷を治せる。
迫害する者(マイケル・シャノンが代わりに演じてくれた差別する人間)は傷つけたり殺すことしかできない。
冷戦下のアメリカを舞台にしたファンタジーだけど、もちろん現代の半径3メートルの話。







ラストネタバレは以下に。



イライザはおそらく人魚だった、ということですね。
または半魚人によって人魚に変えられた?


で、2人は海に飛び込みまして「幸せに暮らしましたとさ」というエンディング。


大事なポイントはこの2人の関係は許されたり認められたりする過程を経ていません。


2人の愛が周囲に受け入れられたことで「あ〜よかったね」というラストではないのです。




そもそも2人の愛は、
周囲に許されたり認められたり受け入れられる必要はなく
ただただ2人が愛し合ってそれで良けりゃそれで良いのです。


愛は、誰かの許しが必要なものではない。


これが良いですね。良いメッセージ。




「周囲の理解を得て、2人は幸せになりました」というラストは、古い。


なんで周囲の理解の速度に「愛」が阻まれなければならないのか。


さすがデル・トロ!まだまだこの映画は強力なメッセージを発し続けますよ。




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