Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

鴨台さざえ堂

2013-10-29 20:10:28 | 東京都

 

東京に新しくさざえ堂ができたという。


場所は、とげぬき地蔵高岩寺で有名な巣鴨地蔵通り商店街を抜けた大正大学敷地内。
名称を「すがも鴨台観音堂」といい、大正大学が25年5月に完成させたといいます。

その時点で大正大学は仏教系だったのかと思い出すのですが、敷地内には新築の高層学舎が立ち並び、さざえ堂もそれに溶け込んだ現代的デザインとなっています。


そもそもさざえ堂は江戸時代に流行した三匝堂、巡礼型仏堂の事で、堂内各所の仏様を巡礼しながら二度と同じ道を通らずに戻ることのできる構造になっています。
信仰と利便化の狭間で出来上がったこの稀なる建築は、アトラクションにも似て人気を博し、現在でも東日本を中心にいくつか現存しています。





◆会津若松市にあるさざえ堂


◆二重螺旋構造を応用したすべり台


そのタイプのひとつである、「二重螺旋構造」をしたものをその容姿から主にさざえ堂と呼びます。
現存する限りでは会津若松・飯盛山のさざえ堂が有名です。


二重螺旋構造は塔型のお堂に往路復路別の回廊があり、最頂部で互いが接続する構造で、
現在では灯台内部の階段やすべり台にも採用されています。

今回建てられたさざえ堂もこの飯盛山タイプで、形も周到しています。
螺旋状の階段を登り、往路と異なる階段を下り戻る。といった構造です。




なぜ今になってさざえ堂なのかは置いておいて、洞内に入ると目の前には制吒迦童子の像。
寄託されたものということで平安時代の物らしい。

壁面に梵字の描かれた殺風景な回廊を2周近く登っていくと、塔の中心に観音菩薩が安置されています。
真新しい壁面に何処からともなく水の音が・・・

下りの回廊の壁面は何色かに彩られておりカラフルな印象。

そして一周し、裏側の出口へと到着。


このさざえ堂は大正大学の理念の具象化として建てられたといいます。
音響と言い、壁面と言い、現代に置き換えると安っぽくなってしまうのは否めないです。
また三十三観音巡礼などさざえ堂の構造を生かした空間利用はされておらず、形のみといったところでしょうか。

しかしながらさざえ堂という建築を知るにあたっては絶好の体験施設であります。


ただ、さざえ堂が建った場所が、お年寄りの多いこの街とは皮肉なものです。



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