藤野から世界へ

神奈川県の北端、藤野町に住み始めた夫婦が山里の暮らしの中で感じたり、考えたりしたことをつれづれに綴ります。

ラダックその5 洪水の爪痕

2010-10-02 17:55:00 | 海外
 今年8月、パキスタンが史上最悪と言われる洪水に見舞われたことをご記憶だろうか。あの洪水はインダス川流域で起こったのだが、実は上流であるラダックでも8月5日、レーやチョグラムサルが大洪水に見舞われた。降水量がデリーの8分の1とも言われるラダックで、何故この様な洪水が起きたのか。今夏の猛暑で氷河が溶けてインダス川に流れ込んだのが原因ではないかと言われている。今でも、400人ほどが行方不明となっている。

 実は、この様な状況下でラダックに旅に行くことについては、特に連れ合いが若干ためらっていたようである。しかし、その上で行くことを決意した。丁度私達が旅していた頃、9月12日にはレーのシャンティー・ストゥーパで在ラダック35年の中村上人が中心となって、翌13日にはダライラマ法王がレーにやってきて犠牲者の追悼法要を執り行った。

 レーの長距離バスターミナル付近。洪水は幹線道路沿いに濁流となって流れていったので、道路沿いの建物が軒並み倒壊していた。





 村の方でも、川の付近はこの様な状態。



 9月13日、レーのラムドン高校にてダライラマ法王が行った法要。朝から街中凄い人出で、軽く1万人は来場していただろう。



 ダライラマ法王の話はチベット語なのでさっぱり分からなかったが、連れ合いによると「地球温暖化」という単語が聞けたそうで、そこから連れ合いが推測した話の内容というのが「今回の洪水は、地球の温暖化によるもので、人的災害という側面もある。ラダックの人達は、これまで伝統的な生活形態の中で、地球に負荷を余りかけてこなかった。今回の災害の教訓として、伝統的な生活を見直していきましょう」というものだそうだが、真偽のほどは分からない。ただ、「懐かしい未来」にダライラマ法王が寄せた文章は同様の趣旨のものだったそうだ。



 現在的には観光が主要な産業となっているラダックだが、洪水の影響で観光客が激減。ある旅行者は「日本人観光客について言えば例年の10分の1位ではないか」と言っていた。雨が余り降らない地域で起きた大洪水。ラダックの人達が受けた衝撃はさぞかし大きいものであったろう。
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