ルーンさん(FUJI教育基金代表)たちの友人で、長年ホーチミン市に住んでいる長谷川義春さん(奥様はベトナム人)が、最近、ベトナム奥地(中部高原地帯にあるコントゥム省[Tỉnh Kon Tum, 崑嵩省])で、中学校の寄宿舎を作りました。
その「報告書」と新聞記事(日本語訳)が届きましたので、8回に分けて紹介します。
オリジナルは、
http://www.erct.com/1-TinTuc/Sinhhoat/NgocTem/Report-4.htm :長谷川義春 (2012年2月)
で見られます。
《ゴクテーム中学校の見学旅行》-2
ゴクテーム中学校訪問旅行で、特に印象に残ったこと-2
翌日の午前中、山を下りるときに私は同行してくれた記者に
「ゴクテーム村の中心地に連れて行ってください。」
と頼みました。
学校を出発してジープで5分も山を下りると、
「ここが中心地ですよ。」
と言って、ジープから降ろされました。
ジープを降りた時私の目に飛び込んできたのはこれまでと同じデコボコの山道だけだったので、驚いて
「中心地と言っても、何もないじゃないですか!」
と言ったら、
「あそこに、村役場があります。」
と言って記者が指差した方向、少し離れて高くなった所に、なるほどコンクリート建ての建物が見え、そしてほかにも2軒ほど民家が建っていました。
「こちらには、店がありますよ。」
と言われて道の反対側を見ると、すぐそばに民家が1軒ありました。
家の中をのぞき込むと、たたみ1畳半ほどの面積にヌクマムと食用油が数瓶ずつ、砂糖・塩・化学調味料などの袋少々、日本でも普通に使われている透明のプラスチックの薄い容器に詰めた卵2ケース(つまり20個)、ばら売りのインスタントラーメン数袋……など、ごく簡単な乾物品が並べてありました。
私は、「商品はめったに売れないので、長い期間売れる乾物に限って売っているのだろう…」と想像しました。
記者が説明してくれたところによると、この店の商品の値段は、ふもとの町のほぼ2倍だそうです。
村の中心地と言ってもそれだけで、それ以外には、本当に何もなかったのです。
私が、
「例えば、服を買うときはどうするんですか?」
と試しに聞いてみると、記者は、
「服なんて……、それは大変ですよ……。」
と答えただけでした。
たぶん彼も、村人が服を買いたいときにはどうするのか、具体的には知らないのでしょう。
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ゴクテーム中学校に寄宿舎を作ることに決める
私はこの訪問旅行を終えたあと、トゥオイチェ新聞が紹介してくれたゴクテーム中学校に寄宿舎を作ることに決め、新聞社にその旨の連絡を取りました。
新聞社が地元コンプロン郡の教育委員会と折衝を行い、若干の紆余曲折があって,話が最終的に本決まりになったのは 2011年10月のことです。
寄宿舎建設の総工費は、4億9千4百万ドン(“歴史的な円高水準”にある現在のレートで換算すると、約183万円)です。
翌月には、現地で寄宿舎建設の竣工式が行われたとの連絡が入りました。
工事は順調に進んでいるかと思っていたら、行われたのは竣工式だけ。
麓の町から現地(山の上のゴクテーム中学校)までの道が大雨で寸断されて、建築資材が現地まで運び込めない、実際に着工されるのは、雨が止み道が乾いて固くなる2月下旬になるだろうとのことです。
自分がゴクテーム中学校を訪ねたときの道のりを思い出し、「さもありなん…」と思ったことでした。
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