ミスマルカ興国物語 エックス (角川スニーカー文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2012-11-30 |
読了。
実に満足! 非常に面白かったです!
今回はナンバリング通りに進めば11巻のハズだったんですけど、ひとつ間を置くようなエピソードということで『エックス』とつけた……のかな? あとがきなどでは、そのへんに言及されていなかったので推測するしかありませんが。
ただまあ、読み終えてみるとタイトルに納得というか、「番外編ではないけど本編に組み込むのは少し不適」みたいなボーダーライン上にあるエピソードだったので、これでよかったんじゃないかなという感じで。
んで、結論から先に述べますが、今回はマヒロをリセットするための話だったと僕は思います。
誤解を恐れずに言うと、1巻、2巻のころの(それこそルナスが見初めたころの)マヒロはすでに存在せず、今の「マヒロというキャラクター」には、10巻までの展開でブレにブレまくってボヤけてしまっている部分がありました。
ぶっちゃけどんどん小者化してんじゃねーの、みたいな。しかも、マヒロの得体の知れないキャラというのは、『ミスマルカ興国物語』という作品においては肝になる要素のひとつなので、それがツマラナイ小者になっちゃー台無しなわけですよ。
おそらく林トモアキさん自身も落としどころを決めかねていて、だからこそ今回こういう形でマヒロをリセットしたんじゃないかなと。そして1巻のころのマヒロを再び物語の中心に据えることで、ここから先の展開を面白くしやすくする舞台を整えたんじゃないかと思いました。
以下雑感。
・三皇女がヒロインすぎて困る。久しぶりにジェスの名前が出てこなければ、ついうっかりユリカもハーレム要員だと思ってしまうところだったぜ。←
・今回もルナスが可愛すぎて困る。ちゅうか、周囲は「全裸=マヒロだと知られたらルナスはブチ切れる」と予想しているところ、「それがどうした」とばかりに受け容れてみせたのを見て彼女がメインヒロインであると確信しました。しかし、マヒロの第一の理解者としての立ち位置はシャルロッテが断固として譲りませんね。なんか今人気投票したらルナスとシャルロッテがワンツーきそうな気が。
・帝国編が進むにつれ、どんどん帝国が好きになってしまうのは僕だけではないハズ。最初は敵国だったのに、中に入るとこんなに印象が変わるのかと。一筋縄ではいかないところは共通していますが、ぶっちゃけ中原よりずっとマトモで過ごしやすそうだよなあ。
・全裸絡みのアレコレについては、「勢いまかせだなー」と思うところは多いですが、納得できる範疇だったので無問題。それより帝国が滅びるかどうかの瀬戸際に追いつめられていたというのが驚き。今回こういう話を書いたからには、そろそろ西の魔王が動きはじめてもいいんじゃないかなと思ったりも。いくら面白い作品とはいえ、遅々としてメインストーリーが進まないようでは困るので。
つーわけで、続きも楽しみですということで一つ。
年二冊ペースなのがつれー。待つのがつれー。