神のみぞ知るセカイ 13 (少年サンデーコミックス) 価格:¥ 440(税込) 発売日:2011-06-17 |
女神探索編開始!
最近じわじわ勢いが下がっている感があって、一時期は雑誌連載を追いかけるのも止めてしまっていたんですが、桂馬が同時攻略する話って単行本でまとめて読むと面白いじゃない。
このへん、某『ネギま』でも似たような感想を抱いた記憶がありますが、ある程度長めのエピソードは週刊誌でチビチビ読むよりも、単行本で一気に読んだほうが楽しいんだなということを実感しました。特に女神候補を絞り込んでいく流れは、ちひろや歩美の嫉妬描写の直後に候補から外れるヒロインたちと邂逅することになるので、ブツ切れで読むよりも桂馬の喪失感が強く伝わってきたりと、物語の演出的な意味でも強化されているような印象。
あと、成り行きで桂馬とバディを組むことになったハクアの反応がいちいち可愛らしすぎてなあ……。
個人的に『神のみぞ知るセカイ』の二大ヒロインはハクアと天理(ディアナ)だと思ってますが(エルシィごんめー!)、天理を上手い具合に一時退場させたこともあってか、13巻はハクアのプッシュぶりが半端ねーわ!
「攻略!? こんなにいるの!?」
「こ、こないだまで5人だったのに沢山落としたのね……」
とか、
「どーして、キスまでする訳!?」
とか、あと最初に「ここは「はい」以外なしだ」って言われて押し切られるところとか、ハクアさんさすが地区長ですね(満面の父性を醸し出す笑顔で)。……ハクアって絶対に押しに弱いタイプですよね(『燐月』主人公の顔で)。
や、なんかこう、色々な意味で〝やりたくない〟だろうに、桂馬の攻略の片棒を担がされることになって、旧悪魔とかその他の絡みももちろんあるんだけど、それ以上に桂馬の頼みだからこそ断り切れないみたいな葛藤がすげーイイです。葛藤とか、劣等感とか、こういうのに萌えが潜んでいるのは太古の昔からのお約束だもんなあ。
それに加え、これまでは疑いようもなく健全な友人関係を送ってきた歩美とちひろの間に、桂馬から電話がかかってきたという一点を持って楔を打ち込んでいたりするのも見逃せないポイントだったり。
「桂木から?」
「うん」
「ふぅん」
このやり取りにおける二人の無表情と平坦な台詞、ぶっちゃけ怖いし。
攻略失敗したら鮮血の結末を迎えるのは確定的というか、このセカイにも『School Days』はあるのかな……。似たような作品はあるんだろうな……。
何はともあれ、非常に面白い一冊でありましたということで一つ。
好きな作品が復調傾向にあるというのも嬉しいし、続きも楽しみです。