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【漫画】紅 kure-nai 7

2011-06-05 | 漫画
紅 kure-nai 7 (ジャンプコミックス) 紅 kure-nai 7 (ジャンプコミックス)
価格:¥ 460(税込)
発売日:2011-06-03

 この漫画を読むたびにいつも思うけど、原作の絵師さんがコミカライズを担当することができる作品ってのは凄まじい幸運に恵まれているよなあ……。コレは作り手側から見ても、受け手側から見ても、という意味ですけど、それにプラスして、ラノベのイラスト担当絵師さんが絵は上手いわ漫画もちゃんと描けるわってのは、ホントどれだけの幸運が重ならなければいけないのか気が遠くなりそう。
 それだけに、相乗効果をもたらす絶好の機会だというのに、原作ラノベが長いこと頓挫しているのは作品ファンとしては辛いでしょう。僕は漫画しか読んでないので問題ないけどネ(結局これが言いたかっただけかというブーイングを受け流しつつ)。

 つーわけで、早いもので漫画版『紅』も7巻目となりました。6巻に引き続き、切彦にスポットを当てたエピソードということもあり、個人的にイチオシの卑しいさんこと夕乃さんの出番は僅か三コマ。二次裏で叩き込まれたキャライメージから考えると、出番が少ないことに静かな怒りを燃やして家中の壁を殴ってそう。もちろん笑顔で

 それはさておき、今回はもの悲しいエピソードでした。
 この事件の依頼者の理津というのは、いわば真九郞にも起こりえた未来を体現したキャラクターであるわけですが、悪宇商会に殺人を依頼したのが理津自身だったってオチには意表を突かれました。よくよく振り返ってみると「なるほど」と頷ける内容だったので、なんつーか並行して進行する切彦や紫&リンのエピソードに上手く目くらましされてしまった感じ。
 というか、このエピソードはホントに綺麗にオチまでまとまってますね。かつて極限状態で直面したエゴに絶望したり、それでも自分を庇ってくれた両親に申し訳なさを感じていたりっていうのも、ここだけ切り取るとよくある話ではあるんですが、「両親と同じところに逝くためには、両親と同じように悪党に殺されなければならなかった」という(通常であれば〝狂った〟と考えられる)思考に至った経緯を明かされると、なんとなく説得力が付与されて、納得するしかなくなってしまうものなあ……。
 んで、思わぬ功罪というか、理津を巡る顛末があまりにもピタッとハマってしまったせいで、最後の切彦とのやり取りが少し茶番じみて感じてしまったのは何とも。名うてのアサシンすら怯ませる紫さんのオーラ半端ないでェ。……たぶん夕乃さんは紫と口喧嘩したら勝てないよな……。原作にそういうシーンあるかもしれないけど。

 そんなわけで、今回も楽しかったですよと。
 まさかアレで切彦が死んだとも思えないので、続きにも期待してます。