真・恋姫(たんけんふ)無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~ (3) (角川コミックス・エース 261-3) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2011-01-26 |
真・恋姫(たんけんふ)無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~ (2) (角川コミックス・エース 261-2) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2010-06-26 |
真・恋姫無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~ (1) (角川コミックス・エース 261-1) 価格:¥ 609(税込) 発売日:2010-03-26 |
新刊が出ていたので買ってきました。
実はこの作家さんのコミカライズ、1巻が発売したときに表紙を見て「あまり好みの絵柄ではないな」と思ったので2巻が出るあたりまでノーチェックだったんですが、友人に「自分はかなり好き。何より話が面白い」と薦められたこともあって買ってみたら大当たりだったという経緯があります。
個人的にこの漫画のウリって、「一刀が『真恋姫』世界で、魏、呉、蜀の三国を総なめにするルート」を描いていることだと思うのですよ。大筋において満足できたゲーム版、というか原作の『真恋姫』で一番不満だったのが、TrueEND的な総まとめエピソードが存在しないことだったので、色々と「ここはもっとこうして欲しいなあ」と思う箇所はあれど、蜀→魏→呉と所属する国を渡り歩いているこの漫画は、非常に満足度が高いです。
や、『真恋姫』って蜀ルートが無印の焼き直しで少し微妙だったことを除けば、魏ルートも呉ルートも面白かったですからね。ただ特定の国をメインに据えた場合、相対する国は敵役というか、噛ませ犬のような立場になってしまう部分があるので、どのキャラクターも魅力的であるがゆえ、相手側のキャラの扱いが気になってしまうというとても贅沢な悩みを抱えるハメになってしまいました。
だからこそ、全てのシナリオをクリアしたら一刀が三国を平定する(蜀ルートで桃香がやったようなガンダムSeed的平定ではなく)最終ルートのようなものが現れることを期待していたのですが、結果は漢ルートというワケのわからないものだったという始末。そのせいで最後がどーも締まらない感じで、ファンディスクもしょんぼりな出来だったため、『真恋姫』というコンテンツそのものに陰りが見え始めたかなーと思っていたのですが。
やっぱこの漫画のシナリオは秀逸ですね。3巻も楽しかったです。
2巻で上手いこと蜀→魏と舞台を変えたので、次はどうするんだろうと思っていたら、まさか華琳たちの執着を逆手にとって放逐の理由にするとはなあ。一刀が身を寄せた国を滅ぼすなんて条件をつけることで、蜀に逃げ戻る道を封じてみたり、なんだか色々と手が込んでいるなと。愛紗の暴走に関しては、多少なり「えー?」という感じがしないでもなかったんですが、馴染みすぎってくらい魏に馴染んでる一刀を見て不安になってみたりとか、ツボを抑えたキャラの描き方にニヤニヤしてしまいました。
唯一残念なのは、物語の展開上仕方がなかったとはいえ、既に雪蓮が死んでしまっていることでしょうか。3巻がまたいいところで終わっているので、これから呉の面々に受け容れられていくであろう先の展開が楽しみでしょうがないんですけど、その中に雪蓮がいないのは少し寂しい気も。まあ、蜀ルートで桃香がいないほうが立ち位置がしっくりくるのと同様、呉も雪蓮がいないほうが全体のパワーバランスがよくなる気がしないでもないんですが。犠牲ゼロで全ルートを網羅するのは難しかったのかなー。
とりあえず、『恋姫』スキーで原作に僕と同じような不満を抱えている人は是非手にとってみてくださいということで一つ。