はるみねーしょん (2) (まんがタイムKRコミックス) 価格:¥ 860(税込) 発売日:2010-12-25 |
やべー、めっちゃオモロイ。
一巻の最初のころは、作者の大沖さんも方向性を決めかねていたのか、読んでいてピンとこないことが多く、連載を重ねながら徐々に作風を固めていった印象を受けたのですが。それに比べると二巻は最初から最後まで笑いっぱなし。なにこのヘンな漫画。でもオモロイ。
具体的にはカバー裏の漫画を読んだ時点で心を掴まれました。「単行本のカバーの裏に何が書いてあったら嬉しいかな」というネタフリから、一本目は『はるみねーしょん』風のシュールオチを踏まえつつ、「次の単行本が50円安くなるクーポンつきってどうだろう」「ただしクーポンつきは定価が50円高い」という二段オチに繋げるとか普通に上手いじゃねーか。
や、でも真面目な話、カバー裏の漫画のテンションをそのまま本編に持っていける感じで、二巻は全部面白かったです。テンションなんて言葉を使ったけど、決して「面白すぎてテンションだだ上がり」というわけではないんだよなあ。静かなボケと静かなツッコミが淡々と進行していくのが、すごく独特の雰囲気を作り出していて、この手の萌え四コマってこれまでも沢山あったと思うんですけど、その中でも良い意味で異彩を放っている気が。
で、ちょっと思ったのは、いわゆる「あるあるネタ」というのを突き詰めていくとこうなるのかもしれないなと。なんていうか『はるみねーしょん』って、学園モノ四コマ漫画にありがちな「あるあるネタ」を「それはねーよ」までブッチギっちゃうことで、読者にスベる隙を与えてくれないんすよね。
ギャグは大別すると「面白い」と「面白くない」に分かれ、一般的には「面白くない」ギャグがスベってしまうわけですけど、この作品はネタを「それはねーよ」まで昇華することによって、強引に「面白い」と「面白くない」という範疇を飛び出した場所まで到達させてるというか、そんな感じ。コレによって、大笑いするような大当たりのギャグは生まれなくなるんだけど、スベるギャグも存在しなくなるので、一種独特な淡々とした雰囲気っていうのは、このへんに端を発するものなのかなと思いました、ハイ。
というわけで、初笑いを求めている方は是非是非。