※2012年12月4日追記:原作を読んで評価が変わりましたのでこちらもお読みください。
1964年東映 監督:鷹森立一
富島作品原作の映画を見るのは「おさな妻」「黒い河」についで3作目。
しょっぱなから、無意味なパンチラや、そそる?水飲み場のショットにびっくりしてしまった。「おさな妻」とは違ったエンターティメント性を感じさせる。
原作を読んでいないものの、どの筋を借りたのかは何となく推測される。けれども、富島作品の持つメッセージ性はあまり表現されていないように感じる。これは富島ファンならでの感覚なのだが、「原作のイメージとは違う」という噂どおり。舟木一夫という当時の大スターの主演ということで、ストーリーはおまけみたいなものなのだろう。
映画「黒い河」はすごく良かったし、原作を読むときもイメージの助けになりそうだという印象だったのだけど、「おさな妻」もこの映画も、どうも富島作品の描く“青春”とはズレがあるような気がしてならない。
「黒い河」をフィクションと考えたときに、ジュニア小説はノンフィクションに近いからだろうか。だから作品が発表された時代でも、すでに作者の見ていた風景とはズレがある。舟木一夫がぼろぼろの服を着ていたら、イメージが違うのかもしれない。
まあそれなりに笑うところは笑え、おもしろかったのだが…。これが富島健夫の小説の中身と思われては困る、という感じ。
ところでこの映画に先生役で登場する俳優が富島氏に似てるな、と思ってそっちばかり見ていたら、千葉真一だった! そのカッコよさと、そんな古い俳優だったのかということに驚いた。
それから、ビデオに「宮島健夫原作」と書いてあった。売りものにこれはないだろう。それにしても「宮島」という誤植は他でもよく見る。
次は「雪の記憶」ファンに悪名高い?「北国の街」を見るつもり。
※しょうさんにビデオを貸していただきました。いつもありがとうございます!