富島健夫作品 読書ノート ~ふみの実験記録

富島健夫の青春小説を読み感じたことを記録していきます。

週刊ポスト3月11日号「性愛小説の最高峰・富島健夫文学を味わい尽くす」!

2016-03-04 23:57:56 | その他

すっかりほこりのかぶったふみの実験室です。みなさん、お元気ですか~。

「富島健夫ライブラリー」は、何とか週4冊ペースでコバルト文庫の書影をUPしています。

で、今週の月曜から、アクセス数が急増していたんですね。(このブログは解析サービスついてないのでわからないのですが…)
いつもの10倍ですよ(ちなみにいつも1ケタ:笑)。

何が起きたのかと思っていたら、ツイッターでこんな投稿を発見!

最近、電車の中でずっと本読んでたので気づかなかった…。

というわけで、すでに金曜でしたが、通勤途中に駅の売店で購入。

420円もするのねー。

さすがに読みながら歩けないので、会社の昼休みに読もうと思ったら

読めん…。

今回は、「初夜の海」、「おさな妻」、「女人追憶」3作品のダイジェスト版。
ショックだったのは、「おさな妻」までも堂々と「性愛文学」の烙印を押されてしまったこと。
「『おさな妻』はジュニア小説です」と、Twitterで検索をかけてはつい知らない人にからんでしまうわたくしとしては、何ともいたたまれない気分である。
玲子の初夜のシーンが抜粋され、ご丁寧にイメージヌード写真までついていた。

一日もやもやしていたところに、荒川せんせーより「富島“文学”となってるだけ評価が変わってきてるのでは」 と、実にふところの広いお言葉。
いちおう永田守弘氏の「富島文学は露骨な官能表現で欲情を煽ることはしません。登場人物の心理や機微を丁寧に書き込むことで、読者の想像を膨らませるのが特徴です」との解説付き。 

ちなみに前回の富島特集は、2012年9月号の「女人追憶」特集(多分)。あと、1~2年くらい前に官能小説特集で名前が挙がっていたような(買わなかったからわからない)。 

このブログの閲覧数もあがっただろうか…。まあ、富島サイトにしても、このブログにしても、ご期待に添えていなくて申し訳ありません。 コバルト終わったら中間小説の書影もぼちぼちとりかかりますので。


タモリ倶楽部…

2015-10-12 19:58:46 | その他

先日大々的に宣伝しました、タモリ倶楽部の官能小説特集。
わが家にはテレビがないので、深夜まで起きて報告を待つ。

 

すると荒川さんからメール…

 

「これだけでした」

 

 

こ、

これだけ…?

 

 

次の日、さっそくゆーつーぶにあがっているのをみましたが、まあ、見事にこれだけでしたね。

ほかのふたりの作品は朗読されていましたが、健夫のはなし。
まあ、朗読されてゲハゲハ笑われてもこまるので。

 

しかし、三人衆を十把ひとからげで取り上げられるとは思わなかった。こうして並べられると若いときの写真は貫禄にかけますね、失敗。 
ちなみに豊田行二もスナップ写真でした。出版物につかわれているプロフィール写真はお金がかかるんですかね。


会社の男子からも「みましたよ」といわれ、夜ふかしさせてしまって頭があがりません。


クレジットはちゃんとありました。

番組自体は好評だったようなので、「おさな妻」(官能小説ではない)でもなんでも注目してくれたらよいとおもいます。



おさわがせしました…。 


月刊ジェイ・ノベル12月号 愛と官能の小説特集

2012-11-22 21:12:42 | その他

実業之日本社といえば「MyBirthday」の復刊で個人的に盛り上がっていましたが、荒川さん情報を受け「ジェイ・ノベル」を探すことに…。発売日から一週間、なかなか見つかりませんでしたがついに発見。

新鋭と昭和の大家が競演!
愛と官能の誘惑

新鋭はともに女流のうかみ綾乃、蛭田亜紗子。
“昭和の大家”は宇能鴻一郎とわれらが富島健夫!

今号の特集は官能小説。昭和四〇年代から五〇年代にかけて、多くの男性読者を獲得、小誌前身の「週刊小説」誌でも健筆を振るった名手・宇能鴻一郎氏(「女あぐら」)と富島健夫氏(「可愛いおとこ」)の官能短編を再録します。この大家二人に新進女性作家が新感覚の官能小説で挑みます。うかみ綾乃さんの「お松明」、そして蛭田亜紗子さんの「シルバー925の失望」です。出版社サイトより)

うーん…


中原修の挿絵も再録

「可愛いおとこ」の初出は、「週刊小説」昭和51年4月26日号。版を変え二度単行本に収録されていますが我が家にはありませんでした。

いつもの「女から誘ってきて複数プレイ」…という展開ではなかったので、まあそれなりに面白く読めました。官能小説としてはどこで興奮するのだろうという感じなんですけどね。

せっかくブログに挙げるので、新鋭ふたりの作品も読んでみたのだけど…どうも鼻につく。書いているときの「計算」と、「胸の高鳴り」が予想できてしまうのだ。「胸の高鳴り」っていうのはいやらしい意味ではなく、「文章としてかっこがついてきたぞ」という意味。

「可愛いおとこ」も実につまらない話なのだが、媚びたり立派にみせようとする様子がまるで感じられない(まあ、適当に書いたのだろうが)。それでも流れるような文章で一つの作品を完成させているのが富島健夫の筆力なのだと思う。

つまらない話でもちょっとだけひねくり、過激に性交を描き、ちょっとだけ“闇”を加えることでそれらしくなる。けれども読了後に一息つけばやっぱりつまらないなと思う。(松浦理英子の『ナチュラル・ウーマン』はただひねくった話ではないということだ!)
文章を書くときはナルシシズムは必要。でも俯瞰してみることも必要。『新左翼とロスジェネ』を読んだ時と似たような気分になった。自分も注意しなければいけない。

ぱらぱら眺めるだけでも、“昭和の大家”のほうが文章がすっきりしているのがわかる。
特に富島は擬音を使わない。「ぐちゃぐちゃ」言わない。「いっちゃう」とも言わない。で官能小説になってるところがすごい。

宇能先生は特別。さすが“大家”ですよ。擬音ひとつでも生きてるもんね。

ツイッターで「どうせなら『初夜の海』に挑め」とつぶやいたけど、『女人追憶』に挑んだ神崎くんにだって酷評するんだから、まあ同じか。
富島びいきですみません。

プロフィールはこんな感じ。

“官能小説”以外の作品を紹介してくれる雑誌はないのかなあ。


Wikipedia問題

2012-05-06 13:31:34 | その他

荒川さんが「花と戦車 光と闇」で怒りをあらわにしているように、Wikipediaの富島健夫の項に誤った記述があり、それを鵜呑みにした記事が世にはびこってしまったわけですが、このたびようやく修正を加えました。

「花戦」かTwitterのごくにわかな盛り上がりによるものか、どなたかが「中には『高校三年生』という青春物もある。これは遠藤実作曲の同名の歌謡曲がヒットしたことに伴い、小説化したものである」という問題の個所を削除してくれたのですが、せっかくなので、ほかにも気になっていた部分に手をいれました。

Wikipediaのガイドラインに従うと、「独自の研究」はダメ、「信頼できる資料」を参考にしないとダメ。「信頼できる資料」には私家版の『富島健夫書誌』は含まれず、例の『福岡県文学辞典』は「信頼できる資料」にあたるわけで、何とも言えませんが…。

編集合戦とやらに巻き込まれたくないので、できるだけ元の文章を生かしつつ、追記も控えめにしました。
とりあえず、誤りや不確かな部分はなくしたつもりです。

まあ、詳しい資料は花戦を参考にしてくださいね。


国立国会図書館のデジタル化資料検索

2011-11-02 22:44:37 | その他

http://dl.ndl.go.jp/#magazines

いつのまにこんなのができてたんですか?
知らなかったのはわたくしだけでしょうか?

国会図書館の電子化が進み、書籍の目次まで検索できるようになった…らしい??

ちゃこさんが教えてくれました。

これにより、初出情報を含めた新情報を20件以上得ることができました!
アラカワ隊長も現物(PDFか?)チェックに忙しくなりそうです。

取り急ぎ、一番古い初出不明作品だった「揺れる早春」ほか一編、解決とします。

Googleブックスにも関連文献検索には助けられました。
電子書籍にはなじめないけど(紙派)、こーいう電子化は歓迎です。

すべての蔵書の目次が検索できるようになると便利ですが…何十年先の話でしょうね。