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読書リスト 2006.4月 後編

2006年05月04日 | 
4月読書リスト後編でございます。

コイノカオリ 角田光代、島本理生、栗田有起、生田紗代、宮下奈都、井上荒野/著

6名による、「カオリ」を絡めたラブストーリー短編集。

シャンプー、レモン、蜂蜜、豆を煮る匂い、椎茸を煮る匂い、

どの作家さんの話にも、意図的に「カオリ」が織り込まれているのだけど、

生田紗代の「カオリ」はイマイチ分からなかった(タバコだとは思うのだけど)

でも、生田紗代の「海の中には夜」が一番良かったと思う。

  私は、初めて会った時から高橋さんのことが苦手で仕方がなかった。
  
  その理由を「何となく雰囲気が苦手」というひどく曖昧なものでしか
  位置づけることができなかった。

  苦手なはずの高橋さんがサークルに来ていないとがっかりしたし、
  姿が見えると嬉しくなった。
  そのうちに、苦手だけど決して嫌いではないという気持ちが、
  実は自分が高橋さんを意識していることから来るのだと気づき・・・

  自分で自分の気持ちを持て余した頃、
  高橋さんに付き合わないかと言われ、OKした。

  実際は何も変わることなく、相変わらず私は高橋さんと一緒に居ると
  いつも逃げ出したいと思っていたし、高橋さんの声を聴いて嬉しくなっても
  誰かが私たちの間に入ってくるとあからさまにほっとした。

ここらの、乙女心の描写が素敵だと思った。

チョコレート・オーガズム 野中 柊

「チョコレート・オーガズム」と「なつやすみ」の2話が併録されている。

男女平等に対する意見をめぐって繰り広げられる話のチョコレート・オーガズム

母親が外国人の男性と再婚し、外国人の妹ができた女の子の話。

  父親が死んだ時から、いろいろなことが瞬く間に変わってしまい、
  いちいち、一つ一つの変化について「わかる」暇などなかったし、
  「わかる」べきではない、という漠然とした予感もあった。
  なぜなら、算数でも国語でも学校で学んだことについて、
  「わかる」ということは、同時に同意と受容を意味していたから。
  麻子は自分の周囲で起こることに、断じて同意するつもりも
  受容するつもりもなかったので、何も分かりたくなかった。

小学生の女の子の話なんだけど、ちょっと背筋が寒くなる展開となった。
野中柊の本だと思って、ちょっち油断してたよ

コメント
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