小売業や飲食業の方はABC分析はよくご存じでしょう。
私が家業のスーパーマーケットで惣菜部門を担当していた頃、初めて「コンサルタント」の先生と出会い、初めて教えていただいた改善手法が、「ABC分析」と「ニハチ(20:80)の法則」です。
その名前自体は聞いたことはありましたが、実際に自分で取り組んでみたことはありませんでした。
そもそもその当時は「コンサルタント」という職業に”あやしい”、とか、”うさんくさい”とか、”俺の方が現場に詳しい”とか、、、若気の至りでそんな風に考えていましたので、「先生、そんなことをやっても・・・」と抵抗感を示していました。
そこへ私の親父(当時社長)に、「自分の固定観念で抵抗ばかりしているのなら、他人の意見など最初から聞く必要はない。せっかく外部の先生に来てもらっているのだから、一度だまされたと思って、すべて言われたとおりにやってみろ。」と言われ、半信半疑で言われたとおりにやってみることに。
具体的には、POSデータを分析して、売上の80%を構成するアイテム(本当に約20%くらいのアイテムとなっていました)を抽出し、その商品を徹底的に磨き(ブラッシュアップして)、商品力で地域一番にします。同時に、製造出荷データやロスアイテムの分析なども併用して、売れてないのに造りすぎているものや死に筋商品の整理も行って、ある程度商品を絞り込み、上位20%の商品を製造数も増やして徹底的に売り込みました。
ここで忘れてはならないのは、ABC分析だけにとらわれると、上位20%のアイテムの中に自社にもともと無い商品ではあるけれど、全国的には売れている商品というのが、欠落してしまうことです。
よく、この辺りの地域では、、、とか、うちの店では、、、とか、都会では売れるかもしれないが、田舎じゃ売れないよ、、、と言ったりすることがありますが、ほとんどの場合思いこみであることが多いものです。
都会や中央で、全国で売れているものは、たいていどこの地方でも、田舎でも売れるものです。
私の場合も、そのときに全国で売れている商品を教えていただき、その上位20%の強化アイテムに加えて、徹底的に売り込みました。
結果は・・・その日を境に、惣菜部門の売上が1日10万程度アップしました(毎日です)
日販の数字が底上げされたのですね。
このように、知っているだけではなく、実際にやってみることは大変重要です。本に書いてあることや、教えていただくことは、単なる理論では意味がありません。実際にやってみて是非自分で効果を検証してみましょう。
しかしながら・・・
これだけでは効果はいつまでもは続かないものです。
どのお店も徹底的にお客様の囲い込みをやると思うのですが、誰でも浮気心はあるものです(汗;
また、お客様自身もその状況や環境が変わります。
売れ筋商品といえども、常に原材料の見直しや、時代の嗜好の変化に合わせて微妙な味の変化、、、など常にブラッシュアップが必要です。
また、一番重要なのは、頻繁に新商品を投入していくことで常にお客様を飽きさせない工夫と、新規顧客の獲得をすることです。
私の場合は、2週間に2アイテム以上、お弁当を中心に新商品を投入していました。
何もしないで放っておくと、1年間で20%程度売上が下がることもあります。
小回りがきく、臨機応変に対応ができる、意志決定の早い中小企業だからこそ、どんどん新商品を開発投入していくべきだと思います。
どんなに新商品や新規顧客に力を入れても既存の売上は不思議と下がることはないものです。下がるのは商品力が落ちたり、時流から外れてしまうなど、もっと根本的な問題です。
変わらない戦略商品のブラッシュアップ、プラス、浮気心を満たし、新規顧客を呼び込む新商品の怒濤の投入が必要です(小売りや飲食に限りません)
と、前置きが長くなりましたが、本日のNIKKEIプラス1にこんな記事がありました。
「冷やしておいしい料理」
・トマトが大活躍・・・
冷やし面や味噌汁の具にしてもいいし、冷凍すればそのままでも美味だし、すりおろしてグラニュー糖をかければシャーベットに。粉チーズと一緒にパスタにかけてもいいし、ドレッシングに混ぜてもいい。ビールに入れるとカクテルになる。トマトジュースなら氷を浮かべてオリーブ油を垂らしハーブ入りソルトをかけるとスープに・・・・・
(引用:2010/07/10 NIKKEIプラス1より)
いやはや、いろんな食べ方があるものですね。
20年くらい前に、惣菜で「ジャンバラヤ」を出そうと思って、作り方を調べるのに苦労しましたが(当時は結構珍しかったのか、私の田舎のまわりでは誰も知りませんでした。というか、聞いたこともない感じ)
今では、たいていの料理の作り方やアイデアを、インターネットや本などで簡単に調べることができます。
しかしながら食べてみたいなぁと思っても、自分で実際につくってみることはなかなかできないもの。
どこかのお店で、次々とこんなメニューが登場してくれればファンになって通い詰めてしまうのですが。。。
さて、あなたのビジネスでは、新商品開発投入や新規顧客の獲得を怒濤のように行っているでしょうか?