本日も2つの話題を取り上げてみました。
まず1つ。
昔からの定番商品でロングセラー、売り込み方でまた脚光を浴びるようです。
本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。
「味の素、若者の目にPR]
・味の素が若年層を掘り起こそうとあの手この手の戦略を打ち出している。ロングセラーの調味料「味の素」など主力商品のパッケージデザインを創業以来初めて大幅に刷新。
・コンセプトの1つが商品特徴の”見える化”の徹底。手に取った調味料を使うと、どのような料理を作れるかを消費者に簡単に理解してもらえるようにパッケージの上部に具体的な料理名を記載した。
(引用:2010/07/16 日経産業新聞より)
今まで、詰め替え用のパッケージにもミニトマトの写真と「うま味をきかす調味料」という言葉をのせただけだったが、今回は調理例として生卵がのったうどんの写真や、どんな料理に合うのかを表示したとのこと。
つまり以前の商品パッケージは、メーカー側からの「商品機能説明」が主だったのでしょう。
機能説明ではなく、お客様目線で考えると、どんな料理に使えて、その料理はどのように作るのか、がお客様の知りたい情報ではないでしょうか。そしてその利用シーンがおしゃれで楽しいものがイメージできると一層今の若い人たちには受け入れやすいでしょう。
似たような例として、最近のエバラのCMでは、あのロングセラー「黄金の味」を使った料理がタレントV6のメンバーによってさわやかにコマーシャルされています。今まで焼肉と言えば・・・エバラのイメージですが、「黄金肉巻きライスバー」「黄金オニたまバーガー」「黄金がっつりスペアリブ」、少し前だと「チャーハン」につかったり、「パスタ」につかったレシピもCMしていました。
また大成功の例としては、あの「ハイボール」ブームの仕掛けをおこしたサントリーの角瓶。
40代、50代の世代が若い頃に流行った「ハイボール」を今の若い人にうまくアピールしてブームをつくりだし、角瓶供給が間に合わなくなっているそう。
どれも定番ロングセラーで昔からあった商品(つまりもともと根強い商品力を持っている)ですが、打ち出し方によっては今の若い人には新製品に成り得ると言うことです。
ここでも考え方のキーになるのはやはり「お客様目線」です。これは恩師である、元ボストンコンサルティンググループ出身のY先生からも口酸っぱくご指導いただきました(^_^;)
さて、あなたのビジネスのなかに、定番ロングセラー商品が眠ったままになっていませんか?
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もう一つの話題です。
社員育成、教育をする上で、「ほめて伸ばす」のか「厳しく指導する」のか、はたまた「上手に叱る」のか・・・人材育成での悩みはつきないと思いますが、良いと思ったことは、イベント的にでも良いのでどんどん取り入れて見るといいと思います。
本日の日経MJに次のような記事がありました。
「社員ほめて接客改善」
・ヤマトが08年秋に導入した「満足BANK]は社員同士がよい点をほめることで満足度を高め接客にも好影響を及ぼそうという制度。
・ほめるばかりで「当初は意味があるのかといった声も出た」が、今では全社員の7割が参加する。
・成果もじわり出ている。福島県のある支店では支店長が毎日1200人の社員一人ひとりをほめ続けた結果、クレーム発生率や社員の定着率が前年同期比で1ポイント程度改善した。
(引用:2010/07/16 日経MJより)
お互いに社員同士が良いところを見つけてほめあい、ほめた人に3ポイント、ほめられた人に10ポイントを与え、ポイント数に応じバッジを付与。バッジは銅からダイヤモンドまで4種類あるとのこと(運用は社内イントラネットのよう)。
これって、”ただほめるだけ”の効果ではありません。お互いに良いところを見つけてほめあうということは、「他人に関心を持つ」ことになります。同僚に見られているから、仲間にほめてもらいたい、とか、ほめられれば自分のした行動がきちんと仲間や同僚に見てもらえていた、注目してもらえていた・・・といった心理的効果が十分にあるのでしょう。
また、他人に関心を持って見ることで、自分の我が振りも気をつけるようになります。
そして、一度ほめられれば次も期待に応えようとするし、もう下手なことはできないな、という心理も働き出すでしょう。
こうしたことを続けていれば、いずれは自然な行動や振る舞いとなり、意識も変わってくることが期待されます。習慣になってしまうわけですね。
ちょっとしたアイデアと取り組みで、大きな改善効果をもたらすことって、考えればまだまだありそうです。
本格導入がためらわれるなら、一度期間を決めてイベント的にやってみるのも良いと思います。何事もトライアンドエラーで。
さて、あなたのビジネスでは社員育成のための”仕掛け”を工夫していらっしゃいますか?