ヒット商品というのは、目先の新しさや奇をてらったものではなく、そこにはやはり独自の価値をしっかりと持っているものですね。
本日の日経産業新聞にこんな記事がありました。
「常識は開発力で破る 負けない価値を創れ」
・大塚製薬「ポカリスエット」900mlの販売量は6月セブンイレブンで前年比7割増。永谷園の「1杯でしじみ70個分のちから」は昨秋に全国発売すると目標の3倍売れた。即席味噌汁では異例だ。
・両社はよく似ている。売れない責任は開発側にあるとの意識が強い。
・大塚グループの経営理念の「革新的な製品を」とは「物まねをしない」と同義。
・永谷園の開発マン心得五ヶ条には「他社と同じものを作らない。必ずひと工夫ないか?を考える」とある。
(引用:2010/07/13 日経産業新聞より)
どちらの企業も非常に商品開発、とくに独自の価値にこだわるため、そこには他社のまねできない機能的な要素を持った商品を出しています。いわゆる技術・研究段階で他の商品と決定的な差別化がされているように思います。
また、
大塚製薬は新商品ソイッシュ(発売当初のポカリのように、味はビミョー?だと思われがち?豆乳に炭酸って発想がすごい)を「マイナス曲線に入らないことが大切。ブームは要らない」としてじっくりとブランドを育てるよう。
ポカリスエットの開発話でも、当初消費者に馴染みのない味で、とにかく試飲させまくって粘り強くロングヒット商品に育て上げたことはTVなんかでも紹介されていましたね。
永谷園の商品も、シジミに含まれるオルニチンを作り出す乳酸菌を発見するという、あくなき研究開発から生まれたようです(「1杯でしじみ70個分のちから」というおよそインスタント味噌汁らしからぬネーミングもインパクトがあり、他のインスタント味噌汁との違いを明確にしているように感じます)
ロングヒットを生み出すブランドや商品って、やはり基礎的な技術・研究段階でかなりこだわって開発されているように思います。
もちろんそれだけではなく「信じて粘り強く売る」「特徴をストレートに訴求する」などの組織力やマーケティング力もあってのことです。
よくプロダクトアウトかマーケットインか、シーズかニーズか、といった話がありますが、結果どちらでも良いと思いますし、上記の会社でも実際の開発現場では行ったり来たりしながら発想しているのではないでしょうか?逆にそちらの方が良いように思います。
要は、何をするにも「お客様目線」を忘れてはいけないということと、企業自身が「ホンモノを生み出す力」をなくしてはいけないということ。
お客に迎合しすぎて開発力を失ってもいけないし、自社商品の押しつけもまずいでしょう。
両方を行ったり来たりして商品開発すれば、ロングヒットのブランド商品に繋がるのではないでしょうか。
さて、あなたのビジネスでは、お客様目線を持ちながら、ホンモノの商品を生み出す開発力にこだわっていますか?