中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

「組織のあり方」「コスト削減」

2010年07月27日 13時07分37秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

本日の話題は2つです。

まず一つ目は、
グループウエアが進化して最近流行のツイッター(のようなもの)が取り入れられているようです。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「つぶやき、社内の神経に」
・導入したのは米セールスフォース・ドットコムが6月に正式サービスを始めた社内ミニブログシステム「チャッター」。ある社員のつぶやきがフォローする他の社員に一斉配信され、情報共有を促す。~プレゼンを知った他の社員からは~とアドバイスを寄せた。
・社員の意志をリアルタイムに伝えるのにこれほど良いツールはない。
・夜、英語で質問をつぶやけば、朝には世界中の同僚から数十の回答をもらうことも少なくない」
(引用:2010/07/27 日経産業新聞より)

社員が多く、部署や事業部が沢山存在する企業では、とくにこういったシステムがあると便利でしょう。
社員の誰かが、今抱えている問題についてつぶやけば(あくまでも公式な堅苦しいモノではなく気軽にやりとりするところが活用を促す)、社員や上司の誰かから即座にアドバイスや情報をもらうことができる。

すばらしい利点ですが、わが社もと飛びつく前に、本当に自社に向いているのかどうかもよく考えましょう。

上記のようなメリットがある反面、こういった仕組みや機能の「本質」をきちんと理解してうまく使いこなす組織の土壌が必要だと思います。
公式発言っぽくないように運用するのがポイントですが、実際業務に活用していくのですから、どこからどこまでが公式で、あるいはそうでないのか、微妙です。
本来存在する部門間や指示命令系統をこえて、全社的にナレッジや情報の共有が進み、風通しが良くなり、意志決定が早くなることが期待できる反面、そのことを理解する組織の土壌がない場合、あるいは組織形態が上下関係、指示命令系統を重要視し、旧態依然としたままの企業であれば、それらのメリットは逆に働く・・・
つまり、指示命令系統を飛び越えて社長から直接部下へ指示が飛ぶ、部門間や事業部を超えて、アドバイスなのか命令なのかわからない発言(指示)が飛ぶ、といったことの弊害に注意する必要があるでしょう。

先日、カンブリア宮殿で孫正義氏が出演していましたが、ソフトバンクではツイッターで頻繁にやりとりされているようです。一般の消費者からの要望に、孫さんが「それやりましょう!○○君よろしく!」と発言すると、それを見た○○さんは、あわててすぐに取りかかるのだそうです。
ソフトバンクの場合はそれが消費者との双方向のコミュニケーションや、意志決定、行動のスピードアップに非常に良い方向に働いていています。
ITやネットの最たる企業ですから、こういった仕組みがマッチしているのでしょう。

「うちの会社はどうだ?」と気になるのであれば、もう一度、自社の組織形態や風土、受け入れる土壌があるかどうかをよく考える。
導入するのであれば、「活用するためのルールやマナー」といった取り決めを設けてみるなどの、必要があるかもしれません。

さて、あなたの会社は、最新の情報ツールを使いこなせる「組織のあり方」になっていらっしゃいますか?

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二つ目の話題、

ビジネスの世界でも「見える化」という言葉がよく使われますが、「コスト削減」においても重要なキーワードです。

本日の日経新聞に次のような記事がありました。

「企業の経費削減支援 コンサル子会社、9月設立」
・Jフロントリテイリングは企業などの経費削減を支援するコンサルティング業を始めると発表した。参加の百貨店やスーパーで培った効率的な人員配置や備品発注などのノウハウを提供する。
・業務の外注や従業員の働き方の見直しといった実践的な助言のほか、経費削減計画の立て方も支援。
(引用:2010/07/27 日本経済新聞より)

会社が業績がよく、イケイケドンドンの時は、あまりコスト面には気がいかないものです。反対に、会社の業績や景気が悪くなると、「やれ経費削減」と言い出すことが多いようです。

しかしながらコスト削減というのは、会社が調子の良いときから継続して行う必要のある業務です。
業績の良いときだからこそ取り組むことができます。
業績が悪くなり、本当にお金の面で必要に迫られてコスト削減に取りかかるのでは、その効果が生まれるのに時間的なタイムラグが発生しますし、一番怖いのは本来必要な(削ってはいけないサービスコスト等)コスト部分まで容赦なくカットしてしまいがちになり、結果それはかえって大幅な売上ダウンに繋がることもしばしばです。

私も、昔は流通業の経営者でしたが、例えばうちくらいの規模のスーパーマーケットでもその年間の電気料金は1億円を楽に超えていました。その電気代の数%でも削減できれば数百万の純利益が生まれます。

コスト削減の専門家にたのんで、取り組むのもいいでしょう。
自社で取り組むのであれば、いくらかの留意点があると思います。
それがまず、
1.「見える化」です。
過去の請求書や、いろいろな経費のデータを整理して、全社員に「見える化」して一人一人が意識できるようにすること。

次に
2.取り組む順序は
  ①仕入・購入購買・調達・契約を見直す
  ②社内の運用・使用方法を改善する
  ③設備やシステムを新しくして効率を上げる
だと思います。
できれば、③は避けたいところでしょう。
最新の設備導入やシステムで効率化して改善できるコストもありますが、回収する期間も必要ですし、これこそ業績の良いときしかできません。

そうではなく、まずは「入り」からの見直し・・・次に「出の管理」、使い方や運用の見直し、で改善を図りたいところです。

よく、「コピー用紙の裏面を使いなさい」といって裏紙を沢山おいている会社があると思います。
よく気をつけないと、お客様へ提出する資料を間違って裏紙コピーしたり、裏紙を詰まらせてコピー機の故障を頻繁に招き、結局修理代や時間の無駄をしていたり・・・そんな本末転倒な結果になってしまうこともあるでしょう。
裏紙使用するのではなく最初から両面コピーや両面印刷をするとか、「そもそもそのコピーや印刷は本当に必要なのか?電子データの配布で十分なのでは?」といったことを検討する必要があるのではないでしょうか。

さて、あなたのビジネスでも、コスト・経費を「見える化」して、意識付けをするところからはじめてみてはいかがでしょうか?

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