なんだか急にビュービューと北風が吹いて
季節が急ぎ足で巡って行こうとしているのかな?
もう、外でのんびりオートバイのメンテとか出来ないね。
じっとしてるとサブいし、日暮れもアッちゅう間だもんね。
まだそこら中で過日の台風による被害が復旧していない。
ボクのいつものアプローチルートである県道37号線(愛知県・岡崎清岳線)(きよおかって読むよ)も
土砂崩れ・倒木の被害の復旧中で
樫山から山の中へ迂回させられたよ。
でも、その迂回ルートが思いの外よいルートで楽しかったりする。
ホタルで有名な「鳥川(とっかわ)」を通っていく。
おサルの親子が橋をわたって山へ帰って行くような、のどかな集落。
そこから地図に番号の書いてない道路で峠を越えて宮崎に出た。
遠回りだけど、悪くない。
〇
宮崎から先も、その前の台風の被害で通行止め。
おかげでお気に入りの県道334号線(愛知県・千万町豊川線)は
作手へ行くオートバイが増えたね。
遅いクルマについて走ってたら、後ろから来たダエグが躊躇なく抜かしていった。
その皮ツナギにそそられて、ボクも次の直線でクルマをパスしてついていく。
前半の中速コーナーの区間で差が案外詰まるので、
峠の入り口で追いつける、とペースを上げた。
リアのプリロードを「中」にしてるので、攻めるとサイドスタンドがシャレにならんくらい擦りまくる。
はたして峠の入り口でダエグの尻についた。
この峠のポイントはボク的に2か所。
入口の回りこんだコーナーから続く2つのコーナーと、
トリッキーなブラインドのS字コーナーのあとのキツイ登りのヘアピン。
入口のコーナー区間は最初の深いコーナーが実はそれ程でもなく、
その後の左が「くの字」に折れる浅いターン。
つまり侵入で速度を殺して、旋回脱出とその後の左を開け開けで行く。
ダエグ君はセンターに身体を残して腰を落とす、今どきのフォーム。
でも、アクションが大きい分初期旋回の効率がちょっと悪そう。
ただし深いリーンに持ち込んでからはラジアルのワイドタイヤのグリップを存分に活かせる。
おーーーーー1200cc水冷DOHC16バルブ直4!
速えぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ワイドオープンで銀ジィなんてノッキングしてる。
ボアが94mmもあるからね。
94mmって一升瓶の底ぐらいの大きさだよ(マジで)
あっという間にダエグに置いて行かれる。
折れそうになる心を必死で支えて、次のポイントへ。
ここはブラインドの深そうな左コーナーが、実は曲がったすぐ先で終わっていて、
5mくらい先に右の直角ターンが続いている。
ダエグ君がパニックブレーキをかけてる間に背後に忍び寄るのだ!
が、ダエグ君、逆リーンしてブレーキングしてる!
あんた、ここ、走り慣れてるね・・・・・・
こうしてカワサキZRX1200ダエグは視界から消えて行ったのだった(無念)
って、12%の昇りが続くこの峠で、パワーの差がありすぎだよ(負惜しみ)
〇
大好きな千万町(ぜまんじょう)の集落でたそがれる。
田んぼはすでに稲刈りも終わっていた。
畦には曼珠沙華が並んで咲いている。
川の縁に白い曼珠沙華があった。
白もキレイだね。
〇
まだまだ通行止めが多いので走りにくい。
国道151号線の太和金トンネルは深刻な崩落のようで修復は困難だそうだ。
すでに新トンネルの計画があるそうなので、トンネルが出来るまでダメなのかな?
国道301号線の本宮山あたりも崩落で未だ通行止めだ。
ボクの大好きな手の入っていない県道は、意外に被害がない。
多分、山を削らずに等高線に沿うようにルーティングしてるから無理がないのかも。
日曜に行ったのは本格派の400番台2本。
県道427号線(愛知県・坂宇場津具設楽線)と県道431号線(愛知県・八橋中設楽線)。
路面はどこも乾いていたけど、あれは雨の日やその直後はやめた方が良いよ。
ほぼ全線通して杉の植林帯の中を行く。
枯れた枝がずーっと散乱している。
車の轍が出来るほどの散らかり様だ。
ラインを外すとドライでも時折スリップする。
濡れていたらとても楽しめないと思う。
でも、この日は晴れていたのでとても気持ちよかったね。
幹の高さが20mはありそうな杉の木々の中を、ゆっくりと狭い県道をたどる。
山の中で唐突に出現する分岐点。
このあたりはとても山深い。
分岐を曲がると道は下りになる。
程なく道の脇を渓流が沿う。
振草渓谷という小さな谷。
こちら側は天竜川の水系だ。
〇
実はこのあと国道151号線に出たんだけど、そこでUターンして県道を戻った。
というのは途中にあるはずの「長江」の棚田が見たかったのに、
見つけられずに来てしまったからだ。
今度は慎重に時折立っている看板に目を凝らして走る。
「永江城址」と云う看板にピンときて町道へ入ると、すぐそこだった。
前に行ったこの近くの四谷の棚田に比べるとすごく幾何学的な造形の棚田だった。
城跡のようにきれいに石組みがされて荘厳だ。
ここもすでに稲刈りが終わって、集落はひっそりとしていた。
山深い、静かな良いところだ。
集落の一番上に大きな杉の木が植わった木造のお宅があった。
もう住んでいらっしゃらないのかと思ったら、
南側の軒にキレイに花を付けたベゴニアの釣り鉢がたくさんぶら下がっていた。
2階から、棚田の集落全景とその向こうの遠くの山々まで見渡せそうでとてもうらやましい立地。
こんなとこでのんびり過ごしたいなと、浅はかに考える。
そうだね、きっとここで暮らすのは大変な苦労があるだろう。
でも、きっとそれを忘れさせるような何かがあるようにも思えたよ、なんとなくだけどね。
必要以上に車間は詰めませんし、ましてや追い越したりもしません。
ただ自分より確実に速そうで、それを隠さない人と走るのは面白いです。
バトルと云うより、コミニュケーションですね。
数年前に消滅寸前の古道を特集した本を参考に、付近をトボトボ歩いた時に見つけて興奮した記憶があります。
(何やってんだ、俺w)
付近の道が基本的にトレースしてるのは、秋葉参詣道の名残だそうです。
峠に「あきは山」と記された1700年代の道標が現存してて感涙しました。
(だから、何やってんだよ、俺w)
秋葉信仰っての凄いですな。。。
でもって、昔の人は現在人とは違った感覚で「道」を切り開いていたんだなぁ、とか考えると思うところも多々あり。。。
ズコーンと突き抜けるバイパスも気持ちいいし必要でしょうけど、なんかこう…「道」としての重み(?)みたいなものが違いますよね。
こういう集落、なくなって欲しくないなぁ…
確かに「じゃあ住むか?」って問われたら困っちゃうけど。。。ワガママな現代っ子でごめんなさい^^;
どこかで追いついたらバイクコミュニケーションしましょうね。
山の中の県道って、たぶん林道が昇格したりしているんだと思いますけど、
山を削り過ぎていない、というか、地形に逆らっていない、というか、
そんな感じの道が多いように感じます。
たしかに田口から東栄へ抜けるには、この辺のルートの方が自然な気がします。
北へ行けば津具ですし、なるほど歴史がありそうな道筋ですね。