朝6時の空は、ヒツジ雲。
ソワソワする気持ちに急かされながら、冷たい空気を切り裂いて高速道路を北上する。
木曽御岳か飛騨のせせらぎ街道か、
紅葉の進み具合を、沿道の景色に尋ねながら、気分に任せて進んだ。
意外なことに、クルマはまだ少ない。
東海環状道「富加関IC」で県道に下り、津保川に沿って走る。
すでに稲刈りを終えた田んぼはどこも「ひこばえ」で青々としている。
それを目見するだけで、冬がもうすぐそこまで来ていることを思わせる。
国道41号線との合流点で、今日1回目の休憩をとった。
空はイワシ雲に変わっていた。
それも南側半分で、北側は怖いくらいの青空だ。
飛騨金山から「国道256号線で郡上八幡」というルートを見送って、そのまま41を進む。
下呂の先、「飛騨萩原から国道257号線」をパスすれば、自ずと御岳ということになる。
〇
「紅葉」とひとくくりにするけど、
文字通りの「紅」だけでなく、葉の色付きは「黄葉」「褐葉」など広葉樹の枯れ色によって様々だ。
楓の真っ赤に色付くさまは、印象が強く、まさしく「もみじ」の代表格だけど
自然の雑木林や森では、むしろ黄色や褐色に色付くものの方が圧倒的に多い。
雑木の森が枯れいく様は、ひとの心を優しく癒す。
楓の紅葉は圧倒的だけど人工的な感も否めず、自然のもつ風情には到底勝てない。
人工的なせせらぎ街道よりも今日は木曽御岳の懐に抱かれよう。
ボクは国道41号を飛騨小坂まで走って、県道441号線鈴蘭スカイラインへ向かった。
〇
鈴蘭スカイラインはボクの想像どおり、素晴らしい秋の色に染まっていた。
走っていると、無数の枯れ葉がひらひらと落ちて次々とヘルメットのシールドにあたった。
あお号(R1150RT)は静かな森の中を、カサカサと落ち葉を踏んで進む。
バックミラーを見やると、あお号に踏まれた落ち葉が舞い上がっていた・・・・・・
御岳山も乗鞍岳も、ウソのような秋の空に、穏やかにそびえる。
〇
開田高原へ降りて、旧木曽街道の地蔵峠を越えた。
峠のお地蔵さまのやさしい笑み。
ひんやりとした空気が気持ち良くて、何度も深呼吸を繰り返した。
ちょうど誰もいなかったので、お地蔵さまの傍らでコーヒーを淹れる。
お地蔵さまとの会話が弾んだ秋の午後だったよ。
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