雲行きがちょっと怪しいかな、なんて思いながら
あお号(R1150RT)をひっぱり出して支度をすすめる。
初夏のすっきりと抜けた青空に、残雪の山並みが映えるこの季節。
うずうずするような旅心に毎日襲われていた。
今日は天気もよさそうなので、蓼科辺りを走ってこようと思うけど、
昨夜寝しなに考えたルートは甲府から八ヶ岳を廻って北から入るもの。
早朝出発して静岡まで高速で行き、身延、本栖、精進とたどって甲府へ下りる。
〇
それにしてもGWも明けたと云うのに、
相変わらず高速道路は朝っぱらから混雑している。
自分もそのうちの一人なので文句は云えないけど・・・・・・
グダグダの流れのまま清水ICで下へ降りる。
興津から国道52号線に折れて北上。
富士川に出てすぐに道の駅「とみざわ」がある。
お約束のタケノコ電話ボックス前でパチリ
この辺りで雲が切れて、青空が広がってきた。
すぐ先の橋で富士川を渡り、対岸の県道10号線で進む。
ツーリングマップルではこっちの方が交通量が少ないと書かれているけど
少ないには違いないが、国道の方もかなり少ない。
それに国道の方が道が良い。初めてなら国道でも満足できると思う。
いつもと違うルートと云う点では県道もおもしろいね。
〇
下部から国道300号線本栖みちに入る。
このルートは本栖湖に近付くと高度を稼ぐために急激に険しくなる。
けど今は新緑の山々がとてもきれいで気持ちが良い。
空も雲が一掃されて晴れ渡り、高度を上げるのが楽しい。
これだけ晴れると富士山が期待できるねー
峠を登りつめた所にある「中之倉トンネル」を抜けると
真正面に富士山が見られるはずなのだ。
わおーーーーーーー!!!
予想以上だよーーー!!!
〇
本栖湖の北側を廻って国道139号線に出て精進湖へ。
精進湖からは国道358号線「精進ブルーライン」へ入って甲府へ下りる。
峠の右左口トンネルを抜けると南アルプスが見えた。
交通量が多かったので、のんびり甲府の町並みやアルプスを眺めて進む。
でもこんな狭くて渋滞した峠でも追い越しを掛けるオートバイがたくさんいて
ちょっとイヤな気分になったよ。(もちろん禁止区間)
しかもBMWやトライアンフなんかの所謂旧車に乗ってるじいさんなんかもいた。
浅間があったから、そこの参加者なんでしょうかね。
前を行く1台が明らかに通せんぼしてるならともかく、
先は延々と渋滞してるんだよ。
コーナーの中で抜かして行くとか、まったく理解不能です、やめてください。
あー気分ワルー
〇
でも韮崎辺りで南アルプスがぐっと近づいて
相変わらずの真っ青な空に残雪の峰がくっきりと見られたので、
気分は一気に晴れたよ
須玉IC辺りで国道を離れて、
ツーリングマップルでおすすめルートになっている県道619・605号線に入った。
小さな集落を繋ぐ細い道で、スピードは出せないけど鄙びていてのんびり走れる。
田植えの準備が進んで皆忙しそうに作業に勤しんでいた。
南アルプスの鳳凰山・甲斐駒ケ岳の大パノラマ。
振り返ると八ヶ岳の峰がすぐそこに迫ってきていた。
清里で国道141号線に戻る。
清里駅前には小海線のアイドル「高原のポニー」と呼ばれたC56が展示されている。
高原野菜を貨物で運び出すため、かつてこのC56が大活躍していた。
すごい昔、この地を舞台とした田宮二郎主演の「高原へいらっしゃい」というドラマがあって、
思春期だったボクは、はじめて旅心と云うものを刺激された記憶がある。
清里に行ってみたい、八ヶ岳高原へ行ってみたい、
この地はボクの憧れだった土地だ。
まーその10年後に実際に清里に来て、相当がっかりしたんだけど、
あれは時代がバブルの頃だったからね。
いまでは都会のような喧騒が無くなって、寂しくなったようにも見えるけど
本当の清里の良さを取り戻しつつあるようにボクは思う。
〇
野辺山に出ると八ヶ岳はいよいよ眼前に迫ってくる。
国道を離れて、畑の中の道を彷徨った。
ボクはあお号の前の地べたに腰をおろして、長い間山並を眺めていた。
遠くでトラクターが土を掘り返す音が微かにするだけでとても静かだった。
ちょっぴり冷たい空気をゆっくりと呼吸して、
八ヶ岳や畑やタンポポやここにあるすべてのものが浴びている陽の光を
ボクもあお号も同じように浴びている。
とても平和で、安らかで、そして美しかった。
あおと一緒に走り始めて8年。
いろんなところに連れて行ってもらったけど
今日のこの場所に来られたことに、なぜか深い意味を感じた。
変な云い方かもしれないけど
命ある存在のボクは、この風景と同じ無機物だと感じ、
逆に無機物であるはずのあおには生命を感じたのだ。
訳の分からないことを書いてるね・・・
〇
佐久まで国道を進んで、いよいよ今日の目的地
蓼科スカイラインへ向かう。
3年くらい前に佐久からの進入ポイントが分からなくて
散々うろうろした揚句にあきらめた経験があるんだけど、
最近のツーリングマップルにはその交差点名が記載されている。
けどいまはそこんところにつながる道が工事で通行止めだかんねー。
結局、前に迷った道から入って、今日は何とかたどり着けたよ。
地図で見ると、なんだか道があるのか無いのかわからないような記載なんだけど
走ってみると、「えっーーーーーーーーーー!」って云う程の快走路。
路面にタイヤをぐいぐい押しつけて登っていける。
途中から視界がひらけて北アルプスが望める。
南側は佐久平とうっすら煙を吐く浅間山の眺望。
さすがに気温が上がってきて景色が霞んできたかな。
調子良く走って行くと「蓼科仙境都市」という趣味の悪い名前の別荘地で
この先積雪のため全面通行止め、の表示が・・・・・・
きーてないよー!と叫んでも通れないものは通れない。
すでに入口から20km以上走っていて
本当ならあと数キロで蓼科に出られるのだよ、
ここからまた佐久まで戻る羽目になっちまった。
と云っても道が楽しいから、あっという間に佐久に戻れたんだけどね。
仕方なくもう1本西側の県道40号線で蓼科へアプローチすることにした。
この40号線も「蓼科ハイウェー」と個人的に命名しているほどGOOD。
道を進むとどんどん蓼科山が近づいてくる。
せっかくここまで来たのだから、と白樺湖からビーナスラインをまわる。
空はまだ快晴で眺望が期待できそうだ。
果たして富士見台はアルプスオールスターズの揃い踏み。
左手から
八ヶ岳連峰
甲斐駒ケ岳、南アルプス
少し奥に木曽駒ケ岳
さらに
雲を乗せた乗鞍岳
たっぷりの雪を輝かせる御嶽山
右手いっぱいに穂高、槍の北アルプスの峰々
そしてなんといっても最大のご褒美は
八ヶ岳と甲斐駒ケ岳の間に顔を見せたー
ふーじーさーん!(ちょっと見にくいかな)
今日は1日、ありがとう!
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