【ニュース】日本HPとマイクロソフトは、無停止型ブレードシステム「HP Integrity NonStep NB50000c BladeSystem」と「Microsoft SQLServer2005」を連携させ、業務データをリアルタイムに統合、可視化を実現する統合オペレーショナル・データ・ストア(統合ODS)ソリューション分野で協業した。これは日本版SOX法やコンプライアンスへのニーズに両社が共同で応えるため。この「統合ODS」ソリューションは、グローバル展開している企業やコンプライアンス対応に取り組んでいる企業などを主な対象としている。(08年7月7日発表)
【コメント】NonStopという文字を久しぶりに見た。タンデムコンピュータのNonStepコンピューターはストラタステクノロジーのマシンと並んで無停止型コンピューターの両雄であった。1977年にタンデムはコンパックに買収されたが、今度はコンパックが
HPに買収され、03年以降NonStopシリーズはHPの名前で製造されている。05年にはそれまでのMIPSプロセッサーからItanium2プロセッサーに移行し、製品名を「HP Integrity NonStopサーバ」と変え現在に至るという、数奇の運命を持ったマシンだ。
このような買収で現在はHPの一マシンとしての位置づけに収まっているが、これからの市場動向を考えると、無停止型コンピューターの需要は大きく、NonStopの認知度はもっと高まってもいい。
SQL Serverはマイクロソフトの独自DBソフトとして多くのユーザーを持っているが、今回統合ODS(統合オペレーショナル・データ・ストア)として市場に提供されることになった。これまでも統合ODSはいくつかのベンダーから提供されてきており、潜在需要はかなり高いと思われる。例えば、今サーバーやストレージの仮想化の関心は非常に高い。これは数多くのサーバーやストレージを集約させ、コスト削減を図りたいというユーザー側の要望のほかに、各サーバーに分散されたデーターを統合したいというニーズがあるからに他ならない。この際、複数のDCに分散されて格納されているデータをどうするのかという問題が浮上してくる。
そこで、今回マイクロソフトとHPが協業して提供する「統合ODS」が威力を発揮することになる。NonStop SQL側は透過的な連携を可能とするためにNonStop SQL/MX2.3とODBC/MXを採用しており、これにより異なるDB間のデータ連携を可能にしている。両社は今後、メインフレームで分散した業務システムを展開している企業に対し、統合ODSソリューションを提供することにしている。日本市場にはTBMをはじめとしてまだまだ多くのメインフレームユーザーが存在している。今回マイクロソフトとHPとが協業して、果たしてどこまでメインフレーム市場に風穴をつくりだすことができるのか、まずは両社のお手並み拝見といったところだ。(ESN)