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◇企業システム◇KDDIがSaaS「Business Port」に新たな業務アプリケーションを追加

2009-08-19 09:19:40 | クラウド・コンピューティング

 【クラウドコンピューティング】KDDIは、企業向けSaaS型ソリューションサービス「Business Port」において、エイ・アイ・エス (本社: 東京都文京区、代表取締役社長: 大浦 博) が提供する、SaaS型サービスの流通商品情提供と受発注システム、および販売管理と会計システムの販売を09年8月6日より開始した。販売を開始したアプリケーションは、多言語に対応した、グローバルなビジネス展開を可能とする受発注管理サービス「GDIS (Global Distributor's Information Site)」、酒類販売業向け販売会計システム「ちゃっかりS@KE兵衛」、卸小売業者向け販売会計システム「ちゃっかりストア」の3サービス。「GDIS (Global Distributor's Information Site)」では、サービスに契約している企業間で、グローバルな商品データベース、販売傾向の分析、商品・マーケティング情報等を共有できる。3つのサービスを組合わせて利用することで、メーカーや卸業者、小売業者との外部取引を統合した業務管理を実現する受発注プラットフォームとして活用できる。同サービスでは、商品流通の迅速化、幅広い規模での情報収集等、効率的な事業展開を支援する。 (KDDI:09年8月5日発表)

 【コメント】クラウドコンピューティング/SaaS事業は、これから本格的展開が見込まれているが、大切なのは、業務アプリケーションソフトウエアの充実度であろう。オフィスソフトのクラウドサービスは、比較的容易にイメージが沸くが、一般の業務アプリケーション、特に基幹アプリケーションのクラウドサービスともなれば、ユーザー企業は二の足を踏むことになる。今後クラウドサービスが進展するかどうかは、提供する業務アプリケーションの内容の充実度に大きく左右されることは間違いない。

 KDDIの提供するSaaSソリューション とは、どのような機能を有すのかというと、次のようになる。複数のアプリケーションと連携するための統一プラットフォームで、最新業務アプリをシステム構築なしに使え、必要な時に簡単便利に最新アプリケーションをご利用できる。KDDIの携帯電話、固定通信回線、インターネットといった通信環境とアプリケーションをワンストップで提供する。また、料金も一本化を実現。au携帯電話からも利用できるので、いつでもどこでも業務ができ、業務効率アップを実現する。さらにKDDIとマイクロソフトによるSaaS型ビジネス支援プログラムなので、アプリケーションのラインアップも充実しているのが特徴。

 この「Business Port」上に今回新たに業務アプリケーションが追加されたわけだ。それらはグローバルなビジネス展開を可能とする受発注管理サービス「GDIS (Global Distributor's Information Site)」、酒類販売業向け販売会計システム「ちゃっかりS@KE兵衛」、卸小売業者向け販売会計システム「ちゃっかりストア」の3サービスである。この中のグローバルな流通業務支援サービス「GDIS (Global Distributor's Information Site)」は、多言語商品データベースを提供する受発注管理システム。メーカー、卸売業、小売業等の業務効率化をサポートする。サービスの特徴は、酒類商品を中心に25万件の商品情報を好みの形式で提供するほか、取引先との受発注、EDI連動が簡単にできる。 提供価格は「GDIS受注出荷BtoB管理」月額10,500円/ID (税込)、初期費用105,000円 (税込)。


 今回のサービスの販売開始により、「Business Port」における提供サービスは、既に提供開始しているSaaS型ERP「Just-iS (ジャスティス)」(提供: GCT研究所) を含め、3社5サービスとなる。KDDIは今後とも業務アプリケーションの充実を図っていくことになると思われるが、この結果IT業界の中でどのような位置づけになるのであろうか。既存のクラウドサービス企業を脅かす存在になるのか、あるいは単に一過性で終わってしまうのか。KDDIの「Business Port」の場合は、携帯電話機がどうユーザーにアピールできるかがカギを握ろう。つまり、「いずれのサービスでも、バーコードスキャナ機能付きの法人向け携帯電話『E06SH』をハンディターミナルとして利用することができ、発注業務の簡素化を実現」というところが、今後企業ユーザーからどう評価されるかにかかっている。(ESN)