この1週間で2冊の本を読みました。
重松清・著「きよしこ」
星新一・著「ブランコのむこうで」
どちらも“少年”が主人公という点は共通しています。
「きよしこ」の主人公は吃音をもった少年です。
彼は言葉がつっかえることを気にすると、言いたいことも気持ちも、咽喉の奥に閉じ込めてしまいます。
父親の仕事の都合で転校が多く、そのたびに自己紹介をするのが嫌で嫌でたまらない…、自分の思い出のつまった街がない…。
そんな少年の悔しいような寂しいような気持ちもよく描かれています。
途中は「がんばれ!」と応援して読んでいても、読み終わった後は、少しずつ少しずつ成長する少年のように自分も頑張っていこう、という気にさせられます。
「ブランコのむこうで」の主人公は、自分そっくりの少年を追いかけたことを発端に、人の夢の世界を渡り歩く少年です。
様々な人の夢は、その人の現実を別の形に映しだしたものになっています。
少年はそれぞれの“夢の国”の主人と、その人生にふれていきます。
少年の語り口で読み進んでいくと、最後は色々な人と深く語りあったような感じがしました。
実は重松清さんの本を読んだのはこれが初めてです。
しかし、この「きよしこ」のおかげで好きな作家の1人になりそうです。
逆に、星新一さんの本は中高生の頃にたくさん読みましたが、今まで読んだ本とは違う新鮮さを「ブランコのむこうで」に感じました。
「ようこそ、おまけの時間に」の読後感に似たものでもありました。
今、どちらの本も書店で平積み売りされています。
オススメです
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