開業医の妻のたわごと

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@妄想女なり

@人間万事塞翁が馬

すごいわ~、うちのナース!

2009年08月26日 22時05分27秒 | Weblog
今日の夕方、

モンチたれのジジイ(新患)が医院へ来た。

80才ぐらいのヨタッタじいさま。


受け付けで何やら、いっぱい愚痴を言ってた。


たまたま診察室の横に居たアタチは

そのジイサマの一言一句をかなり聞いた。



ジイサマ「先生な~、ワシはな、息子には一銭もやらん。○○年働きづめで、

この有様じゃ。1ヶ月に35日、○○年働いてきた。

なのに、家族はみな冷たい。それどころか、大変な目に遭わせよる。

昨日も警察を呼んだんや。せやけど、その警察官が若くて、

来ても立って見てるだけや。何の役にも立たん。

ワシはいつ死んでもエエけど、今、痛いのだけは取って欲しいんや。

色んな医者に診て貰ったけど、誰も何も言うてくれへん。

聞いてもくれへん。こんなに困っているのに、みな薄情や・・・。」

夫「今ね、どこが痛いのですか?」

ジイサマ「は~?」

ナース「おじいちゃん、どこが痛いの?」(大声で。どうやら、ジイサマは耳が遠いらしい)

ジイサマ「腰が痛い。」


夫「いつから痛いのですか?」

ジイサマ「え~?」

ナース「おじいちゃん、いつから痛いの?」

ジイサマ「○○前からや。」


夫「腰に手術の跡がありますが、いつ手術されたんですか?」

ジイサマ「ほえ~?」

ナース「おじいちゃん、いつ手術したの?」

ジイサマ「若い頃でな、それはな・・・、そうなって・・・、ああなって・・・。」

じいさまの話は延々続いた。


ちょうど、その老人の患者さんの後に待っている人が居なかったので、

夫もナースさんも辛抱強く彼の話しを聞いていた。


レントゲン撮影などをした診察の結果は老化による腰痛だった。

夫は、歩くなどの運動の必要性を話した。

(殴られた跡などは無いと聞いて私はホッとした)


家族と暮らしていても、そのじいさまは寂しいのだろう。

話の内容や話し方からして、頑固ジジイと見てとれた。


生活が自分の思い通りにならないからヤケを起こしているのだろう。

家族は来院してないので、彼の家族はどんな家族かはワカラナイ。


付き添って来ないということは、彼の言い分のように、

ないがしろにされているのだろうか。

住まいは近くなので杖をついて歩いて来たようだったが。


家族には会ってないので患者さんの言い分を鵜呑みにするワケにはいかない。

それぞれの家族にそれぞれの事情がある。


毎日、色んな患者が来る。

そのじいさまは家族と一緒に生活できるだけでも幸せだと思うが、

現代の日本には寂しい老人が多過ぎる。


私は将来

「人に愛される可愛い婆ちゃま」になる事を目指しているが、

ハテサテ、我が儘な私、なれるかどうか、自信が無い。


それにしても、うちの若い美人ナース、

耳の遠い愚痴っぽい老人に忍耐強く接していたのには感動した。


私は心の中のノートに彼女に花丸をつけた。

誰も居ない時に彼女に会ったら、感動したことを伝えたいと思う。

コメント (6)
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