縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ディープとディック

2006-12-21 23:23:42 | 最近思うこと
 競馬のことはよく知らない。馬券も買ったことはない。が、あの凱旋門賞の出来事以来、ディープインパクトに俄然興味がわいた。今度の日曜、クリスマス・イブに、ディープの引退レースとなる有馬記念が行われる。有終の美を飾るよう期待している。
 なぜディープに関心を持ったのか。それは凱旋門賞で優勝を期待されたディープが3着に終わったことではなく、禁止薬物が検出され失格になったからである。

 僕は、競馬に関心はないが、ディック・フランシスは好きだ。彼はイギリスの小説家で、競馬に関する話ばかり書いている。自身も障害競走の騎手だったそうだ。彼の小説を分類すれば、推理小説、冒険小説になる。わかりやすく言えば、タフな男が活躍するハードボイルドな世界を描いた作品である。
 そんな彼の小説で、ヨーロッパの競馬を巡るどろどろした世界を嫌というほど見せられたため、僕には、今回のディープインパクトの一件、偶然の事故とは思えなかった。そのかげに何か陰謀があるのではと考えずにはいられなかった。

 まず、ディープが禁止薬物をいつ摂取したのか、その経緯が怪しい。フランス人獣医は禁止薬物と知っていながらイプラトロピウムをディープに処方した。彼は、レースで問題にならないよう、投与する期限など使用法をきちんと説明したと言う。それが、言葉の問題もあって日本側に正しく伝わっていなかった、あるいは、日本側が何かの不注意で与えてしまったのでは、という。またイプラトロピウムが日本では禁止薬物ではないというのも気になる。誰か獣医に指図した人間がいるのではないだろうか。
 薬物絡みの事件ということで、僕はディック・フランシスの『興奮』を思い出した。ディープのファンの方には申し訳ないが、思わず興奮したというか、血が騒いだ。

 問題は金だ。ディープが勝つと困るのは誰か。一番困るのはやはりヨーロッパの馬主連中だ。優勝賞金は勿論のこと、種馬としての収入にも響いてしまう。凱旋門賞優勝の肩書きの有る無しは大きいし、下手をするとディープが種馬としてヨーロッパ市場に参入してくる恐れもある。日本の訳のわからない、それこそ、どこの馬の骨ともわからない馬に、大切な市場を席捲されるのは許さないと考えたのではないか。
 名誉の問題もある。伝統のあるヨーロッパの競馬、それも由緒ある凱旋門賞で、ヨーロッパ以外の馬が勝つ、それも競馬では後進国といえる日本の馬が勝つのは屈辱であろう。

 と、想像力を掻き立ててくれるディープインパクトに感謝する一方で、これは“飛ぶ走り”と言われるディープの実力が高いからこそ、初めて考えられる話なのだと思う。普通の馬では無理だ。事実、帰国後のジャパンカップでディープは圧勝し、その強さ、実力を見せてくれた。そして、引退レースとなる有馬記念。是非、最後の雄姿を見せて欲しい。

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