縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ディケンズよりも『ア・ラ・カルト2』

2011-12-09 22:41:01 | 芸術をひとかけら
 「クリスマスには、心温まる話に触れ、嫌なことなど忘れて、他人(ひと)にやさしくなれる人間になりたい。」

 そう思っている貴方、ディケンズの『クリスマス・キャロル』なんかを読んでいてはいけない。有名だけども詰らない。僕は、高泉淳子さん主演の『ア・ラ・カルト2 ~ 役者と音楽家のいるレストラン』を是非お勧めしたい。

 以前、年末恒例で『ア・ラ・カルト ~ 役者と音楽家のいるレストラン』という舞台を見ていると書いた(『カエルの王子が導く超個人的恋愛作法』(2009/6/6))。劇団「遊◎機械/全自動シアター」を支えた面々、白井晃、高泉淳子、陰山泰と、バイオリンの中西俊博率いる音楽家による、笑いあり、歌あり、涙あり(?)の楽しい舞台である。なんと1989年から2008年まで20年も続いた。

 20周年を機に白井、陰山両氏が卒業。そして高泉さんが新たにパントマイムの山本光洋と本多愛也を従えて始めたのが、この『ア・ラ・カルト2』である。
 2009年は『ア・ラ・カルト ~リニューアルオープン 準備中~』とのタイトルで公演され、翌2010年に『ア・ラ・カルト2』として再開された。正直、この二つの公演は、ちょっと物足りないな、前の方が良かったな、という感じであった。
 が、どうしてどうして、今年の『ア・ラ・カルト2』は出色の出来である。以前と比べて遜色ない、いや以前を超えたかもしれない。僕は12/3、初日の舞台を見た。今はさらに完成度が上がっているに違いない。

 ストーリーはというと、クリスマスの夜、とあるフレンチ・レストランで繰り広げられる悲喜こもごもの人間模様である。待ちぼうけ、恋の予感、そして『徹子の部屋』風のゲスト(12/3は俳優の池田鉄洋だった)とのトークもあれば、歌と踊りのショータイムもある。詳しくは見てのお楽しみということで書かないが、絶対損のしない3時間だ。
 幕間には協賛のメルシャンのワインが安く振舞われる(舞台では高そうなワインが飲まれているが・・・)。僕らは、慣れたもので、近くの紀ノ国屋でつまみを買ってから行く。心もお腹も満ち足り、やさしく、ちょっと幸せな気持ちになる。

 『ア・ラ・カルト2』は青山円形劇場で12月25日(日)まで。
 慌ただしい年の瀬、一息ついて、ちょっぴり心温まる一時(ひととき)をどうぞ。