縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

“まぐろ茶漬け”絶滅の危機

2009-01-06 22:48:56 | おいしいもの食べ隊
 今日、ネットでお昼を食べる店を探していたら、偶然「銀座なかね休業中」との見出しが目に入った。改装でもしているのかなと思いサイトを開けてみたところ、「11月30日を以って銀座での32年間に幕」、「リニューアルオープンの予定でございましたが諸般の事情で再開店は無期延期」とあった。

 えっ、ということは閉店か ・・・・ 。

 「なかね」というのは以前「今日はまぐろ~♪」で紹介した“まぐろ茶漬け”の店である。最近は職場が遠くなったせいで行かれなくなってしまったが、そのうち是非行きたいとずっと思っていた。あの“まぐろ茶漬け”をもう食べることはできないと思うと残念でならない。
 「諸般の事情」が何かはわからないが、金銭的な問題か、ご主人の健康面の問題か、どちらかであろう。いずれにしろ僕にはどうすることもできない。「なかね」のように、個人で良心的な商売をしている店がなくなるのは本当に悲しい。寂しい限りだ。そのうち飲食店といえばチェーン店ばかりになってしまうのではないかと思うと、そら恐ろしくなってしまう。

 諸行無常ではないが、世の中変化しているのだなと実感した。飲食業界は元々新陳代謝の激しい業界であるが、特に不況の今は企業の接待や個人の外食が抑えられており、まさに“飲食・冬の時代”である。こんな時こそ、変わらずにずっと残っていて欲しいと思う店には、多少無理してでも通わないといけないのだと思った。

 この“おいしいもの食べ隊”を書き始めて3年近くになる。その間採り上げた店の消息というか、その後をわかる範囲で紹介したい。変わらない店もあれば、人気店となった店もあれば、逆に、残念ながら閉店した店もある。

 まずは手近なところから。築地場内の和食「かとう」とパスタの「トミーナ」は今も変わらない。「かとう」のおばあちゃんのダミ声も健在だ。築地の鰻「宮川本店」は、隣りの「宮川食鳥鶏卵」ともども、老舗の風格である。

 が、八丁堀のフレンチ「ヴィエイユ・モンターニュ」は閉店した。残念ではあるが予想通りといえば予想通りの結果といえる。フレンチには難しい立地だった。

 森下の居酒屋「山利喜」は現在改築中で11月に開店の予定。「山利喜」に限って無期延期はないだろう。現在は近くの新館ともりもり店(仮店舗)で営業している。

 一方、ミシュランで星を獲得した店もある。和食の「未能一」、てんぷらの「深町」と「よこ田」は2年続けて一つ星を獲得。そばの「ほそ川」も2009年版で一つ星の列に加わった。おそらく どの店も混んでいるだろう。そうそう「未能一」は昼の営業をやめた。もう我々庶民には手の出ない店になってしまった。悲しい。

 銀座のバー「FAL」の酒は相変わらず旨い。廣瀬さんは元気に自転車通勤。風邪を引かないと良いが。
 銀座といえばワインの「ラ・クロシェット・ドール」は閉店した。少し休み、落ち着いたら自宅(大磯?)で小さなレストランを始めると言っていたが、その後どうしたのだろう。

 最後は少し離れて高円寺。居酒屋「小兵衛」の料理は変わらない。いつ行っても旨い。この店で変わったものといえば、お嬢さんが大きくなったことだろう。子供の成長は早い。
 イタリアン「イル・バンコーネ」も変わらない。マスターの手際の良さは天下一品だ。

 こうした素敵な店がなくならないよう、僕は心ならずも(?)大いに食べて飲むしかない。お店がつぶれないよう売上に貢献せざるを得ないのである。これぞまさに「情けは人の為ならず」。(なんか少し違う気が・・・・。)