ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

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現代用語の基礎知識 大阪中央病院婦人科編 その6

2007-07-14 | 子宮内膜症
「フルコース」

子宮内膜症患者を診ていると、深部子宮内膜症と子宮腺筋症(とくに後壁に限局するもの)の合併例をしばしば、みとめる。このような例に腹腔鏡下で保存手術をする場合、広汎な癒着剥離、深部病変の切除、子宮腺筋症切除と子宮の修復、卵巣チョコレート嚢胞核出などなど、多くの手術手技を一度に行わなければならない。

それぞれの手技が大変複雑で繊細なものであり、その一連の流れは、まるでフランス料理のシェフがコース料理を仕上げているようにも見えるため(もしくは日本料理の板前が懐石料理を作っているさまのよう)、腹腔鏡下で深部病変切除と腺筋症核出を同時に行う手術を「フルコース」と呼ぶようになった。

用例:「今日のオペはフルコースやで。」「ひぇ~」

しかし・・・

同じフルコースなら、オペしてるより、フレンチ食べにいくほうがええわ・・・

注:子宮腺筋症核出術は、本来、挙児希望例に対して行われるものである。その手術適応については患者と術者が十分ディスカッションするべきである。長期予後については、今のところ明らかではなく、挙児希望がないのであれば、根治手術(子宮、卵巣の全摘)もしくは準根治手術(子宮の全摘)を考慮すべきである。
コメント (5)
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