D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Hotel California('76)/ The Eagles

2008-04-13 17:13:41 | band
'76という年は、今から思えばエポックメーキングな年廻りでした。
最近当方では'70thづいてることもあって、この辺をひつこく攻めて行きたいと思うのですが、まず外せないのがこれ。
The Eagles(イーグルス)が'76年に発表した超名作“Hotel California(ホテル・カリフォルニア)”です。

personnel:
Don Henley(vo,cho,d,per,synth,cho)
Glenn Frey(vo,g,kb,cho)
Don Felder(g,p-steel.g,cho)
Joe Walsh(vo,g,slide.g,pf,synth,cho)
Randy Meisner(vo,b,guitarone,cho)

イーグルスって、基本的にはDon Henley(ドン・ヘンリー)とGlenn Frey(グレン・フライ)の双頭バンドといえるのじゃないでしょうか。
その他のメンバーや外部の血からヒントを得ながら、それを最良の曲に仕立て上げる、いわばセルフ・プロデュース集団といっても良いかもしれません。
もちろん音楽的才能やルックス、甘いヴォーカルといったアドヴァンテージはしっかり持ち合わせていた2人ですからね。
この作品を制作する直前にサウンド面でかなり貢献していたBernie Leadon(バーニー・リードン)が抜け、Joe Walsh(ジョー・ウォルシュ)が加わってます。
サウンド面ではハード・ロック色が強いDon Felder(ドン・フェルダー)とウォルシュのサザンロックテイストが上手くブレンドされて、かつてのカントリー&アーシーな面がすっかりロック色に染められた感もあります。
あと、当時流行りだしたAOR的な側面も持ち合わせた音創りじゃないでしょうか。
Randy Meisner(ランディー・マイズナー)はそんな方向性に合わず、次作の制作を待たずして抜けてしまうことになります。

tracks:
1.Hotel California“ホテル・カリフォルニア”
2.New Kid In Town“ニュー・キッド・イン・タウン”
3.Life In The Fast Lane“駆け足の人生”
4.Wasted Time“時は流れて”
5.Wasted Time(reprise)“時は流れて(リプライズ)”
6.Victim Of Love“暗黙の日々”
7.Pretty Maids All In A Row“お前を夢みて”
8.Try And Love Again“素晴らしい愛をもう一度”
9.The Last Resort“ラスト・リゾート”

まずオープニングは“ホテル・カリフォルニア”・・いつまでも色褪せない名曲ですね。
非常にグルーヴィーで美しいメロディの素晴らしい歌です。
フェルダーの弾く12弦の印象的なイントロに涙してしまいますね。
深い暗喩が込められた詩の意味も、この歳になってようやく理解できるようになりました。
今回改めてよく聴いてみて思ったのは、この曲ってレゲエやったんや!てことです。
そいや、サビの部分なんてまるでそれですよね・・気が付かなかったです。
ギターに関しても、これでもか!ってくらいひつこく絡み合うツインギターが素晴らしいです。
ライヴ映像から判断すると、ソロ回しはフェルダーからウォルシュの順に交代してるようですね。
この二人はタイプも音色も似てるので、ちょっと聴いただけでは分りづらいです。
このソロ、いつかツインで弾いてみたいものです・・絶対気持ちいいでしょうね。
・・文句なしの一押し!

#2“ニュー・キッド・イン・タウン”はJ.D.Souther(J.D.サウザー)とヘンリー&フライコンビの共作。
フライがヴォーカルを執った、いかにもイーグルスらしいソフトなナンバーですね。
マイズナーが“guitarone(ギタロン)”ってアコギの化けモンみたいなのを弾いてるようです。
Gソロはウォルシュ。

#3“駆け足の人生”はウォルシュの曲で、ハード&ファンキーなノリのサザンロック。
ウォルシュらしい豪快なスライドと空ピック&グリスダウン(“カカドゥン!カカドゥン!”ってやつ)の応酬に痺れます。
ん、次点!

#4“時は流れて”はオーケストレーションが冴えたスローバラード。
ウエストコーストの夕暮れがこれほど似合う曲は無いのでは?
ウォルシュのハモンドも結構効いてますネ・・コーラスも渋い。
LP盤ではここで切れるので、B面はオケのみでリプライズさせてます。
聴く側の作法までコーディネイトしていたわけですね。
CDで聴いてると#5のリプライズが少々クドく感じられます。
・・デジタル化のマイナス面でしょうか。

#6“暗黙の日々”は再び#2と同じくサウザーとの共作・・フェルダーも絡んでますね。
オブリ気味に始終絡んでくるウォルシュのスライドが実にクールです。

#7“お前を夢みて”は、ウォルシュの曲で自身で歌ってたのですね。
今までフライが歌ってると思い込んでましたが、今回はじめて気が付きました。
一番イーグルスらしい曲だと思うのですが、この辺が面白いですね。

#8“素晴らしい愛をもう一度”はマイズナーの名曲じゃないでしょか。
この曲もイーグルスらしいナンバーですよね。
エレクトリックなのにアコースティックな雰囲気が不思議と濃い曲です。
すばらしいコーラスのせいでしょうか。
フライのGソロもコンパクトできれいですね。
・・同率次点かな。

ラストは“ラスト・リゾート”・・ヘンリーのしっとりバラード。
フェルダーのペダル・スチールと効果的なストリングスが、実に美しいですね。


【Eagles LtoR:Meisner,Frey,Walsh,Henley,Felder】

また、長くなってしまいましたが、それでも語りつくせないほど内容が濃い作品だと思います。
先日店頭でみかけた紙ジャケに魅かれ聴き直して見ましたが、まったく古めかしさが微塵もないと感じました。
良い作品は年代を超えて親しまれるものなんですね。(笑)



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8 コメント

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こんばんは♪ (こでまり)
2008-04-14 20:12:53
このアルバム、死ぬほど聴きました!(笑)
すっごく好きです。
"ホテル・カリフォルニア"は、ほんとにイントロから胸が締め付けられて、
エンディングも静かな盛り上がりがあって、いつまでも余韻に浸ってたい気になります。
歌詞の意味がそう言えば難しくてよく分かりませんでした。
わたしも引っ張り出して聴いてみます^^
やっとコメント出来るアルバムが出てきて嬉しいです~
10年以上前にL.A.に行った時、このホテルの前で写真を撮りました(^^ゞ
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こでまり様 (elmar35)
2008-04-14 21:55:12
コメントありがとうございます。
愛聴盤でしたか。(笑)
これを悪く言う方には今を持ってお会いしたことが無いくらい素晴らしい作品だと思ってます。
最近、自分の意に反してお題が決まっちゃう傾向にあるので、自分でも困ってます。
忙しくなって来たせいかもしれませんがネ。
・・ピンクパレスに行かれたのですか。
一度は行ってみたい場所ですね。
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大好き! (FUSION)
2008-04-15 22:48:44
お邪魔します。

遂に登場ですネ。何時かは紹介されると思っていました(笑)。本当に素晴らしいアルバムですネ。
私事ですが、このアルバムを知ったお陰でフォークソング少年からロック少年へと移行した記念碑的なアルバムです。特にホテルカリフォルニアの後半のギターソロは鳥肌モノですネ。ここまで計算し尽されたツイン・ギターのソロは・・・これを超えるものはいまだに聴いた事が有りません。それとニュー・キッド・イン・タウンのコーラスの素晴らしさ!・・・おっと限がなくなりそうなのでこの辺で!でも本当に好きなんですよ、イーグルス・・・しかし、これ以降のアルバムはちょっと・・・(涙)

>あと、当時流行りだしたAOR的な側面も持ち合わせた音創りじゃないでしょうか。
確かに!今聴くとまさにそうですネ

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Unknown (evergreen)
2008-04-16 09:20:46
’76年を掘り下げていただく企画に拍手ですね。
ここがその後の岐路になりますもんね。

ホテル・カリフォルニアがレゲエだと言うのは、当時を知る者としては、定番でした。イーグルよお前もか?!と好評或いは酷評された分かれ道でしたね。

AORと言う言葉が無かった当時は
その後の展開から、イーグルスの業績がいかに影響力が大きかったかが伺えますね。
この後から聞かなくなった人が事実多いですしね。
このアルバムはイーグルスにとっても、時代的にも
大きな分かれ道。

elmarさんの目の付け所はさすがですね。
’76年はそんな年ですもんね。
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FUSION様 (elmar35)
2008-04-16 22:22:49
コメントありがとうございます。

>何時かは紹介されると思っていました
まさかウチでやるとは思いもしてませんでしたよ。(笑)
一応オンタイムで聞いたとはいえ、まだまだハナタレでしたから、時代背景なんて?なもんで。

>ホテルカリフォルニアの後半のギターソロ
しかし、このソロは素晴らしいですよね。
当時小林克弘さん(だったっけ?)が出された教則本にこのソロのコピー譜が載ってたのを、ダチにみせてもらった記憶があります。
・・みても分りませんでしたが。(汗)
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evergreen様 (elmar35)
2008-04-16 22:38:18
コメントありがとうございます。

>’76年を掘り下げていただく企画・・
・・え?・・し、シリーズ化ですか。(汗)
かなりプレッシャー感じてしまいます。
手元のリストの内容は結構偏ってる感もありますのでネ。
ちょっと見直さなきゃ。
“もっと他にあるやろ!”なんちて、怒らないで下さい。(笑)

>当時を知る者としては、定番・・
すんません、まだガキでしたので・・。
聴き込んでなかったのがバレバレですね。(汗)
この論争らしき事があったとは聞いてますが、実際の酷評をいまだかつて読んだことも聞いたこともないというのも、個人的には事実なんですよ。
でも、当時はそういう時代だったということなんですね。
勉強になりました、ありがとうございます。(笑)
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お久です! (gw)
2008-05-02 10:56:24
Eagels周辺というかウェストコースト系はBYRDS周辺をかなり漁りました。ミュージシャンが入り乱れていてそれを追うだけでも結構楽しめるんですよね(笑)。

LPと並ぶと紙ジャケがとっても可愛いです。それにしても本当に寸分たがわず同じなんですねぇ(笑)。
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gw様 (elmar35)
2008-05-02 20:16:03
コメントありがとうございます。
ご無沙汰してます。(笑)
私は逆にあんまり聴いてません。
最近になってようやく勉強始めました。

紙ジャケに関して、特にこの分ではジャケの紙の貼り合せ方まで言及してて、お疲れ様(笑)って感じですよ。
業界も大変ですね。
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