無用の威嚇
たとえば下駄箱の隅に
追いやられている履き物が
ゲタ、ゲタと笑い
ソーリ、ソーリーと叫ぶ
下駄と草履の下手な擬人化も
無用という存在の否定にはあらずだ
素足美人もいるが
下駄や草履を脱ぎ捨てて
灼熱の渚で溺れる者を救う
安易な想像を超えて
無用なものが威嚇する淋しさも
戯れとおもえば、
無限の遠さをめざすものの中にあって
毎朝、熱心なジョギングの男女が家の前をかけぬける
シューズになんの問題があろう
ゲタ、ゲタと笑い
ソーリ、ソーリーと叫ぶ
つま先一歩か二歩の微妙な差の
スローモーションにも
他人の視線にまどわされることはない
雪国には
暖かい藁の沓もあればゴムの長靴もある
下流も上流もない
厚い情けの夜の瀧もある
たとえば下駄箱の隅に
追いやられている履き物が
ゲタ、ゲタと笑い
ソーリ、ソーリーと叫ぶ
下駄と草履の下手な擬人化も
無用という存在の否定にはあらずだ
素足美人もいるが
下駄や草履を脱ぎ捨てて
灼熱の渚で溺れる者を救う
安易な想像を超えて
無用なものが威嚇する淋しさも
戯れとおもえば、
無限の遠さをめざすものの中にあって
毎朝、熱心なジョギングの男女が家の前をかけぬける
シューズになんの問題があろう
ゲタ、ゲタと笑い
ソーリ、ソーリーと叫ぶ
つま先一歩か二歩の微妙な差の
スローモーションにも
他人の視線にまどわされることはない
雪国には
暖かい藁の沓もあればゴムの長靴もある
下流も上流もない
厚い情けの夜の瀧もある