ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

8/28のランニング

2007-08-28 22:18:24 | ジョギング
昨日は休み今日は朝軽くジョギングをした。
それでもなんとなくまだ下半身に疲れが残っている。
やはり長い距離を走った後はアイシングなどのケアが必要だと思う。

それにしても世界陸上の朝原の涙は去り行く者の、心を揺さぶる涙だった。
マスコミの取材を受けることの多いアスリートなら、インタビューにおいて感情をコントロールすることは苦もないことだろう。
それでもテレビカメラの前で激しい感情を抑えることのできなかった朝原の姿に心を打たれたのだ。
その感情の吐露はぎりぎりまで自分を追い込んだことのある者にだけ許された勲章のようなものだと思う。
100メートルのファイナルだけを求め続けてついに果たせなかった朝原の、それはあまりにも潔い涙だった。

今日の距離:3キロ

風が強く吹いている/三浦しをん

2007-08-28 22:01:13 | 
今にも床が抜けそうなおんぼろの学生アパート竹青荘。
ここに住む寛政大学の10人の学生たちが突如箱根駅伝を目指して走るという。
言いだしっぺの4年生清瀬灰二(ハイジ)とハイジに見込まれてアパートの住人になった蔵原走。
この二人を除いては似たり寄ったりのずぶの素人集団。そんな素人衆が果たして箱根駅伝に出場なんてできるのか?

嫌がる学生たちを絶妙の間合いで走りの世界に引き込み、リーダーとして食事の世話から練習メニューの作成までを黙々とこなすハイジ。
最初は嫌がっていた学生たちもそんなハイジの行動力と人を束ねていく魅力に惹かれ、徐々に練習に励むようになる。

高校陸上界で華々しい実績を持ちながら、スパルタ式の訓練方法に嫌気が差して監督を殴り、陸上部を出場停止に追い込んだ走。
そんな過去を背負いながら長距離界では無名の寛政大学に入学し、しがらみに惑わされることなく走りの楽しさに目覚めていく走。
走るはより自由な走りの場を提供してくれたハイジに感謝しつつ、ハイジのしなやかさと強さに惹かれていく。
昔怪我をして思うような走りができなくなっていたハイジはそんな走にランナーとしての夢を託す。

個性的な若者たちが次第に走ることの魅力に引き込まれ、力を蓄えていく描写は読んでいてわくわくするものがある。
ストーリーは非常に単純で、それも恐ろしくポジティブなのだが、作者はそれを意図しているところもある。
それは陸上競技の、それも長距離走というのがストイックなように見えて、
実はある種の楽観的な前向きさがなくてはできないスポーツであることを作者が見抜いているからだろうか。

ぐんぐんと加速していくストーリー展開は駅伝のレースそのものといった展開だが、
惜しむらくは登場人物が多いだけに一人ひとりの物語や描写が少しぼやけてしまったところだろうか。

実際に長距離を走る者として勇気付けられた。しなやかで強いランナーになりたいと私も思う。