J2第１３節 東京ヴェルディ１９６９対横浜ＦＣ（調布・味の素スタジアム）０－２

曇り。

ワールドカップの開幕まであと1ヶ月あまり。
相変わらず節操のないメジャーなマスコミはここぞとばかりにワールドカップを取り上げ、
普段サッカーに興味のない大多数の国民もにわかにサポーターになってしまうあの狂騒の1ヶ月がまたやってくる。

しかし、そんなこととは無関係に世間的にはほとんど興味を持たれないＪ２の試合を見に行く。
ワールドカップが遠い夢の舞台なら地元のスタジアムで行われるセカンドリーグの試合は日常の風景そのものである。
それでもサッカーはサッカー。

しかも両チームにはかつての日本代表を支え、今日の代表の基礎を築いた面々が顔をそろえた。
ラモス、高木琢也、三浦知良はあのドーハの悲劇組。
今やカズとツートップを組む城彰二とボランチの山口素弘はフランス大会の代表だ。
90年代を支えた面々がそろったこの試合は、ワールドカップを前にしてなにやら象徴的ではあるが・・・。
ワールドカップの影でほとんど話題にすらならないこの対戦は、しかし決して飽きさせない好ゲームだった。
カテゴリーは関係ない。やっぱりサッカーはサッカーなのだ。

開始早々、横浜の浅いディフェンスラインの裏を突いて攻撃を仕掛けていたヴェルディだったが、
10分という早い時間にカズのＣＫをトゥィードに頭で合わせられて先取点を奪われてから、ちぐはぐになっていく。
横浜は奪ったら速攻。守備はいち早く陣形を整えて、ヴェルディ攻撃陣の進入を許さない。
攻撃も守備も統率されていて、見ていて楽しいサッカーを披露してくれた。

一方のヴェルディは決して悪いというほどの出来ではなかったが、
ＡＦＣを含め遠方アウェイの疲れが残っているのか、いまひとつ動きが鈍い。

後半、14分カウンターからゴール前の吉武にボールを繋ぐ。
ＧＫを引き付けた吉武がゴール前でフリーになっていたカズにパスしてカズが決める。
鮮やかなカウンターだった。

カズが現役でがんばる姿を生で見る機会は今後そう多くはない、と思って出かけたのだが、
そのカズが見事にゴールを決めて見に来たかいがあったというもの。
同い年のカズががんばってくれている姿には本当に勇気付けられる。

それにしても横浜ＦＣはカズをはじめ、山口や城といったベテランが若手を引っ張っていき
それに若手がうまく応えているといった感じ。
開幕初戦で監督がクビになったときにはどうなることかと思ったが、
それがカンフル剤となって負の連鎖を断ち切れたようである。

まだ早いがこのチームがＪ１に上がってきたら、カズの現役生活がまだ伸びるような気がする。
がんばってほしい。