2022.7.24 説教題「エゼキエル預言と教会の使命」 聖書箇所 エゼキエル書 38:1~23
イントロダクション
今、現実に戦争が起こっています。ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を始めてから、ちょうど今日が5ケ月目になります。2019年12月に発生したコロナ感染も未だ終息しません。落ち着いたかと思うと、すぐに元に戻り、第 7 波到来とも報道されました。衝撃的な銃撃事件も起き、信じ難い事が次々と起こっています。私たちは、明日の事も分からなければ、明日が来るかどうかも分かりません。あさって 7月26日から8月2日まで私は、神学生夏期派遣で、福岡、佐賀、長崎にあるナザレン教団の8教会に行く事が決まりました。長崎では江上先生と合流し、長崎チャンポンを食べると思います。その前に今日、神様から説教の機会を与えられ、旧約聖書のエゼキエル書が示されました。示されたというのは、神学校の旧約緒論という講義の前期の課題が、エゼキエル書の時代と特色についてまとめることとなり、読まなければならなくなった事です。今日はその中で神様から預言者エゼキエルに語られた、最後の部分のエゼキエル戦争と、その後に来る大艱難時代までをお話ししたいと思います。エゼキエル戦争は、38:15~16 の「お前は北の果ての自分の所から、多くの民を伴って来る。・・・お前はわが民イスラエルに向かって、地を覆う雲のように上ってくる。その事は終わりの日に起こる。・・・」とあります。
イスラエルが侵攻される戦争ですから、今のロシアのウクライナ侵攻の戦争は、終末の戦争では無い事が分かります。
今から49年前、ノストラダムスの大予言ブームがありました。「1999年7月に空から降って来る恐怖の大王によって世界は滅亡する」というものです。本は250万部以上売れて、どこもかしこもノストラダムスの話題で持ち切りでした。当時小学4年生だった私も、まだ信仰は無く、何の根拠も無いのに、結構本気にしていました。ご存じの皆さんはどうでしたか。言葉のこじつけ方がリアルで、少しは洗脳されて完全に騙されました。前日にはみ
んなが「明日地球最後の日だけど、どうする。」と言い回っていました。だいたいみんなの答えは「好きな事をする。」でした。結局大王は空から降って来ず、何も起こりませんでした。そして今、また続編がブームになりつつあります。「2022年に世界中に闇の3日間が訪れ人類の3分の2が滅亡する。」というものです。今年の内に4つの出来事が起こるとなっています。1つ目は第三次世界大戦が勃発し、今のロシアとウクライナ戦争と米中対立から核戦争が起こる。次に小惑星シャワーの到来です。ふたご座流星群の一部が隕石として地球を襲う。次に大洪水が起こる。異次元の気候変動が誘発されて、世界中で大規模水害が頻発する。4つ目が米ドル市場の崩壊です。投資家が米ドルを金銀、仮想通貨に替える動きが活発化する。今年はあと5か月で終わります。占星術により予言していますが、すでに起こっている現実があると、人間は真に受けて半信半疑になりがちです。私たちは、幸いなことに聖書の御言葉から真実を知る事が出来、聖書に書かれてある事全てが成就する事を信じています。出来るだけ順を追って、関連する聖書個所と照らし合わせながら解釈して行きたいと思いますが、少し解説っぽくなりますのでご了承下さい。専門家
の異論や賛否両論ありますが、聖書の御言葉は100%です。人間的解釈にはイメージ的部分や間違いも多少ありますので、解釈の中の一つとして捉えて頂けたら幸いです。実際に起こった事は「確かそうだったな」くらいの感じで聞いてください。聖書の箇所は「そうなんだ」で信じて下さい。「こうじゃない、そうじゃない」がありましたら江上先生の方にお願いします。
本論
38:1に「主の言葉がわたしに臨んだ。」とあります。約2600年前の第一回バビロン捕囚時代に神様は祭司エゼキエルに語られました。38:2 に「・・・マゴグの地のゴグ・・・メシェクとトバル・・・」とあります。マゴクとゴク、さっぱり意味が分かりませんので色々と調べました。創世記 10:2 で、ヤフェトの子孫の中に、マゴグ、メシェク、トバルがいます。ヤフェトはノアの三人の息子のセム、ハム、ヤフェトのヤフェトです。ヤフェトの子孫はインドからヨーロッパに広く散らばり、マゴクの地とは、黒海沿岸の今のロシアの南端かトルコの東端付近になります。メシェクはモスクワの語源、トバルがトボリスクの語源になります。トボリスクは今のロシアのチュメニ州の都市です。モスクワは、イスラエルから見ると北の果てにあります。ピンと来ませんが、つまり、ロシアの領主が、多くの国と同盟を結び南下して来るという事です。38:5 に「ペルシャ、クシュ、プト・・・」とあります。ペルシャは今のイランです。イランは 1979 年のイスラム革命で、エルサレムを奪還しようとします。この時アメリカはイスラエルを支援します。イランはアメリカに反抗し、当時のソ連と手を組みました。創世記 10:6 で、ハムの子孫は、クシュ、エジプト、プト、カナンであった。ノアの子ハムは、アフリカ系のハム語族の先祖で、クシュとプトは今のスーダンとリビアあたりです。内戦の絶えないスーダンやリビアに進出しているのがロシアです。いずれイラン、スーダン、リビアがロシアと同盟を結ぶとされます。創世記 10:3 で、ゴメルの子孫は、アシュケナズ、リファト、トガルマであった。ゴメルは、ヤファテの子で、その地は黒海の北側で、今の東欧です。アシュケナズは、ドイツ人の祖先となり、トガルマはトルコ人の祖先となります。ソ連経済が弱体化して東欧諸国は独立します。1991 年にソ連が崩壊しロシアになりました。東欧諸国は西側の NATO に次々と加盟し、ロシアから離れて行きました。そして危機感を持ったロシアが 2014 年にクリミアに侵攻し、今年 2022 年 2 月 24 日にベラルーシと協力して、ウクライナに侵攻しました。ロシアのプーチンは侵攻前からテストによって、アメリカが軍事介入して来ない事と、NATOが派兵しない事を確信していました。暴挙には変わりありませんが、計算づくであったと言
えます。トルコは、ロシアとは歴史的に仲が悪く、NATO に加盟しています。ところが今は、ロシアと協調路線にいます。2008 年にロシアはトルコの北のジョージアに侵攻しました。イスラエルへの道を整備しているかのようです。トルコはいずれロシア側につくと見られます。2017 年にイラクとシリアの内戦に対処する名分でロシア、トルコ、イランの三国同盟が生まれました。
38:7~8 の「備えをせよ。・・・お前のもとに招集されるすべての集団も備えをせよ。・・・一つの国を襲う。・・・それは長く荒れ廃れていたイスラエルの山々で・・・」とあります。ロシアを先頭に、イラン、トルコ、スーダン、リビア、東欧諸国が同盟を結び、イスラエル攻撃が始まろうとしています。西暦 73 年にイスラエルはユダヤ戦争でローマに大敗し、土地は荒廃し、ユダヤ人たちは世界中に離散しました。モーセを通しての神の約束に、呪いの
誓いの後のイスラエルへの帰還と復興の希望がありました。1948 年にイスラエルの建国宣言があり、その翌日から中東戦争が始まりました。その中でイスラエルは生き残ります。荒地は蘇り、イスラエルは最先端の科学技術と最強の軍備を備えた経済大国となりました。38:16 に「お前はわが民イスラエルに向かって、地を覆う雲のように上って来る。そのことは終わりの日に起こる。わたしはお前を、わたしの地に連れて来る。それは、ゴグよ、わたしが国々の前で、お前を通して自分の聖なることを示し、彼らが私を知るようになるた
めである。」とあります。ここで神様は、わたしはお前をわたしの地に連れて来る。とありますが、終わりの日にロシアの領主ゴグにイスラエルを攻めさせます。攻めるのではなく、神様が攻めさせるのです。栄光を現す為に、預言が成就するために、あえてそうする事を意味します。創世記で、アダムとエバが罪を犯したのも、人間がすべて罪人となり、罪を赦すためにイエス様が十字架で死なれ、三日後に蘇り、神様の栄光が現わされました。近年イスラエル沖に莫大な天然ガス田が発見されました。ロシアは天然ガス輸出国です。西側諸国がイスラエルから天然ガスを買えば、ロシアの経済的痛手となります。ロシアにとってイスラエルは目障りな存在となり、同盟国とイスラエルを侵攻します。13 節に戻ります。38:13「シェバとテダン、タルシシュの商人たち・・・お前は戦利品を奪うために来たのか。・・・」とあります。シェバとテダンは今のサウジアラビアです。イスラム教には、スンニ派とシーア派があり、サウジアラビアはスンニ派の盟主で、イランがシーア派の盟主で、
お互いが反目しています。イランはイスラエルだけで無く、サウジアラビアも敵視しています。サウジアラビアは、イランに対抗する為にかつては敵国だったイスラエルとの関係の修復をしています。タルシシュの地は今の西欧です。西欧はかつてプロテスタントが信仰の自由を求めて新天地を目指した地です。プロテスタントが建国精神の礎を据えたのがアメリカで、第二次世界大戦後の秩序を守って来ました。そのアメリカが今、世論に押され、弱体化しつつあります。2021 年 8 月に、20 年に及ぶアフガン駐留から撤退し、たちまち全土が
タリバンに制圧されました。38:18~20「ゴグがイスラエルの地を襲う日、・・・わたしの憤りは激しく燃え上がる。・・・熱情と怒りの火をもって語る。・・・その日にイスラエルに大地震が起こる。地の上を這うすべてのもの、および地上のすべての人間はわたしの前に震える。・・・」超巨大地震でゴグ連合軍は混乱し統制を失います。38:21「・・・人はおのおの、剣をその兄弟に向ける。」同士討ちが始まり、統制を失った国々は、それぞれが世界制覇を目論んでいます。38:22~23「わたしは疫病と流血によって彼を裁く。・・・彼と共にいる多くの民の上に、大雨と雹と火と硫黄を注ぐ。わたしは自らの偉大さと聖とを多くの国々の前に示す。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」侵略軍は地に倒れ、互いの国が滅ぼし合う大戦争に発展して行きます。侵略軍が自滅する中で、イスラエルは戦わずして勝利を治めます。敵対勢力がいなくなりイスラエルはエルサレムに第三神殿を再建します。 そしてさらに恐ろしい大患難時代の幕が開けます。世界中で大飢饉や大災害が起こります。Ⅰヨハネ 2:18 を読みます。「子供たちよ、終わりの時が来ています。反キリストが来ると、あなたがたがかねて聞いていたおり、今や多くの反キリストが現れています。これによって、終わりの時が来ていると分かります。」マタイ 24:4~6「人に惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがメシアだ』と言って、多くの人を惑わすだろう。戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞くだろうが、慌てないように気をつけなさい。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。」マタイ 7:15~17 には「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくがとれるだろうか。すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。」終わりのしるしとして、反キリストや偽預言者が現れ、世界に向かって一致を呼びかけます。目指す理想は、世界統一の平和です。世界中が彼らを信じて平和条約を結びます。しかしそれは偽りの平和の条約です。エルサレムに神の最後の使いが現れ、偽預言者の正体は暴かれます。偽預言者は教会にも現れます。偽のにこやかな仮面をかぶり、耳障り良く心地の良い言葉で人の心を惑わします。私たちは、惑わされない心と内面を見抜く目を養うが必要となります。養うとは、「いつも神様の御心に忠実に従う信仰を持ち続ける事」
です。黙示録 9:20「これらの災いに遭っても殺されずに残った人間は、自分の手で造ったものについて悔い改めず、なおも、悪霊どもや、金、銀、銅、石で造った偶像礼拝をすることをやめなかった。・・・」最後に人類の罪が頂点に達し、神の怒りが忍耐を超えた極限の時にイエス・キリストが再臨されます。大艱難時代の終わりです。
ここから教会の使命に入ります。
ナザレン教会の使命は、「国々でキリストに倣う弟子を育成する」ことです。マタイ 28:19~20「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」この大宣教命令に従い、わたしたちは、イエス・キリストによる新生の福音をあらゆる人々に伝え、聖書の教える「聖化」(キリストのように生きること)を世界中に伝えるという使命です。この事は、ナザレンエッセンシャルズの中に書かれています。ヨハネ 3:16~17「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。」とあります。これ程の愛に勝る愛はありません。イエス様は私たちの罪のために十字架で死んで下さり、私たちの罪は赦されました。そして、三日目に蘇られ、死が滅びではなく、終わりではなく、希望を私たちに与えて下さいました。
私たちの日々の生活の中にも、苦しみ、悲しみ、痛み、試練、困難は、様々な状況において起こります。家庭での問題、会社での問題、病気の問題、心の悩み、誘惑、怒りなど、小さな事から深刻な問題まで、それぞれです。神様は、そのそれぞれの問題すべてを希望へと変えて下さいます。私たちは、福音を宣べ伝える使命を、どう現すか。「パウロのように9年間の伝道旅行に行きましょう。」では、現実的ではないですね。じゃあどうするの。それは、「信仰と希望と愛」この三つを忘れない生き方をして行く事ではないでしょうか。