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江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

江戸時代を中心とした、面白い話を、探して、紹介します。

「天草島民俗誌」河童記事  その31から36

2022-04-30 22:49:58 | カッパ

天草島民俗誌」河童記事  その31から35
 

                              2022.4.30

河童が化ける   「天草島民俗誌」河童記事  その31
河童は、花ぞうりなど美しいものに化けて、小さい子供が海などで遊んでいると、その目の前を流れて見せる。
すると、子供はだまされて追って行く。
ぞうりは段々と沖の深いところへ行って、最後に河童になって尻をとる。
(堤田馨君の報告)
         


むかし、或る漁師が一人海に漁に出ていた。  「天草島民俗誌」河童記事  その32
しばらく釣をしていると、急に舟の片方が重くなって傾いた。
それで、のぞいて見ると、大きな河童が舟の横腹にしがみついていた。
びっくりして、漁師は、此奴(こやつ)が、とばかり包丁で河童の腕を切りつけると、片手は舟のなかに転げ込み、河童は奇声を残して海の中に没し去った。
漁夫は、これは珍らしい物だ、土産に持って帰ろうと、やがて漁をやめた。
そして、舟を陸の方へ漕ごうとすると、おかしなことに、舟は進まなかった。
しかも、段々重くなって、今にも沈んでしまいそうになった。
そこで、河童の悪戯だな、よしも一度姿を現はして見ろ、今度はいよいよ生してはおかぬからと、舟の廻りを見たが、姿は見えない。
けれども舟は益々沈んでしまいそうである。
その中にだんだん沈んでしまった。
それから漁夫は、やっと岸に游ぎ着いた。
その後何とも判らぬ高熱を発して、狂い死にをした。
(有江美津夫君の報告)
     

海で河童に尻をとられた   「天草島民俗誌」河童記事  その33
四五年前、或る子供が海に泳いでいると、突然河童がやって来た。
河童は、その子供を取り、二三度海の上に持ち上げて笑わせてから、水中へ引込んだ。
人が助けに行った時には、すでに「ぢご」を取られていた。
(有江美津君の報告)
         


河童は、蕎麦が好き    「天草島民俗誌」河童記事  その34

河童は蕎麦が好きである。
秋の彼岸頃から、寒いので山の谷川のほとりに住む様になる。
そしてその附近の木に蕎麦を掛けて置くと、河童がよくそれを盗みに来る。
(下浦村 池田カメ氏[六十四歳]横山宮君の報告)
         


河童は、冬は「きろきそ」の木の根にいる  「天草島民俗誌」河童記事  その35

なごしの節句の時は、山に素麺を食いに行くから、この日は、人の尻をとらない。
冬は山の「きろきそ」の木の根にかがまっている。
背中は、亀の甲のようで、口のそばに毛が生えている。
(本渡町。野上弘氏談 鶴田一郎君報)


河童は光りモノを嫌う    「天草島民俗誌」河童記事  その36

河童は、非常に光るものが嫌いで、泳ぐ時には佛様の御飯をいただいて行くと、眼が光るので、尻をとることが出来ない。鎌なども嫌いである。



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