『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

男女環列の「じゃんがら」

2006年07月27日 | 歴史
いわきの「じゃんがら」について、
大須賀筠軒(1941年~1912年)は
著書『磐城誌料歳時民俗記』のなかで、次のようにも述べている。

ぢやんがら念仏トハ、即念仏躍ニテ、男女環列、
鉦ヲ敲キ、皷ヲ撃ツ。
皷者、両、三人、中央ニアリ。
白布頭ヲ約シ、袖ヲ括ル。
之ヲ白鉢巻、白手繦トイフ。
皷ヲ腹下ニ着ケ、頭ヲ傾ケ、腰ヲ屈メ、撥ヲ舞シ、曲撃ス。
鉦者、数名、打粧、皷者ニ同ジク、
鉦架ヲ左肩ニシ、丁字木ヲ以テ摩敲ス。
皷ノ数ヲ幾からトイヒ、鉦ヲ敲クヲきるトイフ。

これを現代的な表現に改めると、次のようになるかと思う。

「じゃんがら」は念仏踊りの一種で、
男女が輪になったり、列になったりして踊るものである。
また、その際、鉦や太鼓を用いる。
太鼓を叩く者の数は2人か、3人で、輪の中央に位置する。
白い布で頭を縛り、袖をたくし上げる。
この出で立ちを「白鉢巻、白手繦」という。
太鼓は腹の下の方に付け、頭を傾け、腰を屈め、
手に持った撥を巧みに使い、舞を舞っているような仕草で太鼓を叩く。
また、鉦を叩く者の数は数人で、出で立ちは太鼓と同じである。
鉦を左肩から提げ、「丁字木」という撥で、こするようにして叩く。
太鼓の数を数える時には、
「ひとがら」「ふたがら」と数え、鉦を叩くことを「きる」という。

先に取り上げた高木誠一の文章のなかにもあったが、
大須賀?軒もやはり、「じゃんがら」は、男も、女も、
皆がその輪に加わって踊っていたと言っている。
コメント (2)
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