Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

ついに買った、PeopleSoft

2004-12-15 | ◆ビジネス
18ヶ月に及ぶ攻防戦であった。当初は両社が新聞紙上に全面広告を打ち合って、株主の賛同を得ようと激しく争った。当時Oracleは、PeopleSoftと旧JD Edwardsの共通の敵であり、仮に買収できたとしても統合効果を出すのは不可能と思われた。

しかし、18ヶ月も攻防が続くと、ITマーケットも大きく変わってきている。丁度この間に存在感を大きくしたのがSOA型ソフトウェア会社であるSalesforce.comであろう。ソフトウェア会社も新しいサービス形態への移行を押し進めざるを得ないことを象徴している。また、つい最近のIBMによるPC事業売却も、ITのコモディティ化の更なる進展を象徴する出来事であった。唯一変わっていないのは、SAPがERP市場で首位を独走しているという状況だけである。

18ヶ月に及ぶ攻防は、両社のマネージメントを消耗させたに違いないが、Oracleにしてみれば良かったのかもしれない。なぜなら、外部環境の変化が、Oracleへの対抗心よりも、市場の変化への対応へ、そして対SAPへと社員達の視線を変化させるのに役立ったかもしれないからだ。

とはいえ、これは18ヶ月前と比較しての話である。統合効果をいかに出していくかは、Oracle経営陣の手腕に掛かっている。しかし、アメリカ人がここまで辛抱強いとは知らなかった。