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カメラ事業縮小で広がる波紋

2006年01月29日 22時06分41秒 | デジカメ
 世界に誇る日本のカメラ業界が揺れている。今月相次いで発表された、ニコンのフィルムカメラ事業縮小と、コニカミノルタホールディングスのカメラ、フィルム事業からの完全撤退。デジタル全盛の「時代の流れ」とはいうものの、愛好家らの間で波紋が広がっている。

 東京・池袋のビックカメラ「カメラ専門館」。ニコンがフィルムカメラの一眼レフ8機種のうち6機種の生産中止を発表したのを受け、フィルムカメラの特別コーナーを設けた。「8万円、10万円の機種が入荷と同時にほぼ完売します」と語るのは店長代理の野村憲広さん。付属品も系列店から集めては並べるが、マニアの駆け込み需要が続いている。

 コニカミノルタ製品でも、専用レンズ6本(約60万円)をまとめ買いした中年男性がいたという。「週末は客足がさらに増すでしょう」と話す野村さん。老舗メーカーの撤退だけに「素直に喜べない」と残念がる。

 戦後、その性能を世界に認められたニコンは、英語で「ナイコン(Nikon)」と発音され、70年代にポール・サイモンが「僕のコダクローム」で「ナイコンのカメラを手に入れたんだ」と歌ったほど親しまれた。

 しかし、国内メーカーの出荷台数はここ数年で激減した。カメラ映像機器工業会によると、昨年1~11月は約515万台。同期のデジタルカメラは約5913万台に達した。

 数多くの有名写真家を輩出した日本大学芸術学部写真学科にも、今やデジタル専門のゼミがある。1年生は基礎としてフィルム現像やプリントを学ぶが、最近はデジタルカメラしか持っていない新入生が多く、ニコンの事業縮小は頭の痛いところだ。生産が続くのは30万円近くもするプロ仕様と、入門機。学生が使う中級機は品薄になるため、大学側は貸し出し用のフィルムカメラの大量購入も検討し始めた。

 一方で、デジタルブームをけん引したキヤノンは、今後もフィルムカメラ5機種の生産を続ける。「世界的に見ればニーズは堅固」というのが主な理由。また、デジタルから入ってフィルムカメラを手にする愛好家も増えており、同社のカメラ事業に占める割合(04年)はデジタルの69%に対して、16%を占めた。

 日大教授で日本写真芸術学会会長の原直久さんは「デジタルは、いわば印刷物。色の深みも階調も銀塩写真にはかなわない」と、フィルムカメラの芸術性、優秀性を強調する。日本カラーラボ協会専務理事の尾花経久さんも「引き伸ばした時の画像はポジフィルムの独壇場」と胸を張る。

 現在も写真コンテストの応募作品の8割以上はポジからのプリントで、報道写真家の石川文洋さんは「機械が苦手なこともあり、デジタルは使わない」と話す。患部を撮影・記録する大学病院の多くや、警察の鑑識などでもフィルムが主流だ。

 こうした中、動向が注目される国内最大手のフィルムメーカー、富士写真フイルムは「写真文化を守り育てることが使命」として事業継続を表明した。ただ、「需要減と原材料の高騰」などを理由に、2月1日から白黒フィルムと印画紙、プロ用カラーを最大21%値上げする。

カメラ業界 フィルム事業縮小…愛好家に波紋

 デジカメ全盛時とは言え、まだまだフィルムカメラを必要としている人々や業界は多い。あまりに急なフィルムカメラ事業への撤退はそういう関係者にしわ寄せとなろうとしている。既にコニカミノルタ一眼レフ用レンズは取扱店も少なくなっていて、ファンとしては不自由な環境になってきた。

 急な撤退発表でなく、もう少し徐々に縮小するというわけにはいかないのだろうか?このままでは一時的なパニックになる側面も出てきそうだ。


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