京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

ズレる節分

2021-01-31 12:09:31 | 俳句
ズレる節分
         金澤ひろあき
 節分といえば例年2月3日ですが、2021年は2月2日。1日ズレます。地球が太陽の周りを回る公転がズレるからという説明ですが、読んでもよくわかりません。暦と実際の天体のズレがあるのですね。
 節分のズレで想い出したのが、『天地明察』(冲方丁著 角川書店)です。江戸時代、暦と天体の運行が大幅にズレていたのを、新しく作り直した渋川春海が主人公です。
 もとは囲碁の家柄に生まれたのですが、囲碁よりも和算(日本の数学)や天文学に才能を発揮しました。和算で天才関孝和と出会ったり、暦や地図作りで、水戸光圀や会津藩の名君保科正之の支援を受けたり、囲碁で本因坊と名勝負を行ったり、そして最愛の人と家庭を築く等、豊かな人生を送る様子が描かれます。地球の公転軌道が楕円であることを世界で最初に気付いた人だそうで、江戸時代の日本の学術水準の高さにも感動します。
 渋川春海が創った暦は貞享暦と呼ばれ、広く用いられました。
  お天道様のきまぐれ暦ズレ  ひろあき

連続

2021-01-29 08:14:58 | 俳句
連続
             金澤ひろあき
 おかしなことは連続するんだなあと思った一日でした。
 爪を切っていたら、破片が右目に。慌てました。昔、網膜剥離をやったんで。静かに鏡を見ながら取り除きます。
 電車に乗ったら、駅で定期券の取り忘れ。もう一回、元の駅に戻るハメに。
 職場でパソコンを立ち上げたら、画面が一変。しばらく操作に戸惑いました。
 帰りによく買い物に使う店に行ったら、改装工事でしばらく閉店。
 よくもまあ続くことです。
  箱庭の中の住人自由とは    ひろあき

フリー句「キャッチボール」の巻

2021-01-28 08:14:56 | 俳句
フリー句「キャッチボール」の巻
キャッチボール普通の日々を取り戻す    ひろあき
原付ラリー10代vs30代「終いに血見るぞ」と10代 巡紅
分断を無くそうとバイデンの演説      ひろあき
去年の単語はパンデミック今年はどう変わる 巡紅
*オンラインで最も検索された単語で米メリアム・ウェブスター辞典が選定
空に舞う大凧ひげのような文字       ひろあき
ポップコーンの雨を傘で弾く女の子     巡紅
受験から解放されてスキップし       ひろあき
上昇気流ハンググライダーで鳥になるカップル 巡紅
どこまでも一緒と歌う吟遊詩人       ひろあき
掘り出された石棺には夫婦と思われる遺骨が 巡紅
復活の日を待ってたに違いない       ひろあき
地主神社の国内外の絵馬に隠れてる      巡紅
千枚漬彼女の親のお土産に         ひろあき
リール巻く雪渓で冷やした缶ビール  巡紅
ヤマメ追う目が少年になっている      ひろあき
武器を憎んでも銃を捨てらられない元少年兵 巡紅
極限に生きた昭和一ケタの証言を聴く    ひろあき
娘時代ヒットラーに胸キュンしたと母の証言 巡紅
モガ・モボを気取っていたやがて戦死とも知らず ひろあき
※「モガ・モボ」と言っても今の人にはわからないかな。昭和初期の都会の若者達の一種のダンディズムなのです。
珈琲を飲みたてた後の豆の薫りも愉しむ時代があった 巡紅
石畳ジャズに枯葉がよく似合う       ひろあき
野良猫に餌をやる背中が浮かぶ路地裏    巡紅
※京都では昭和の初め頃より、喫茶店が栄え、文化を育む場になっていたそうです。梶井基次郎の『檸檬』の中にも出てきますしね。今もその時代の名残のお店があって、訪れることもあります。

フリー句「初日の出」の巻

2021-01-27 08:22:34 | 俳句
フリー句「初日の出」の巻
初日の出の時だけ鳥居の立つ海岸    巡紅
波は静まる鏡の面           ひろあき
朝日の帯目指して海に飛び込む若い衆  巡紅
女神の島にみそぎして上がる      ひろあき
思いを果たして蝋燭の火は消える    巡紅
ナイチンゲールの心引き継ぐ戴帽式   ひろあき
薬師如来の影揺らす不滅の法灯     巡紅
山深く遅い桜を尋ねては        ひろあき 
葉陰に咲いてこちらを見ている鈴蘭   巡紅
温泉で手足を伸ばす皺のばす      ひろあき
鼻の下伸ばしたところ写真撮られる   巡紅
ロケバスに水着姿の女優達       ひろあき
雪野原で浮かれる犬達ワンワンワン   巡紅
熊が出たので大騒ぎする        ひろあき 
人気商品に群がる女性陣        巡紅
冷蔵庫卵ばかりが溢れてる       ひろあき
見ずに増えるばかりの録画DVD      巡紅
名作を見た翌日は疲れるわ       ひろあき
ハタチ三周目あと二周出来るかな    巡紅
薄墨桜古木の花の誇らしげ       ひろあき
人知れず満月湛える川面の流れ     巡紅
ほんのり甘いエンドロールの文字を追う ひろあき
※岐阜の大垣の山奥に、薄墨桜の古木があります。もしコロナ禍が終息していたら、見に行きたいな。ふとそんなことを思いました。

寒の雨

2021-01-26 08:08:21 | 俳句
寒の雨
          金澤ひろあき
  大寒の週末、三日間雨が続きました。寒の雨は豊作になるので、昔は喜ばれたそうです。寒の九日目の雨を特に寒九の雨というそうで。
 雨が上がると暖かくなりました。
  春めいた空に月が。
   おのずから鼻歌の出る春の月 ひろあき