京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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キャッチボール

2021-01-20 08:01:31 | 俳句
キャッチボール
              金澤ひろあき
 コロナが日本で感染しだしてから一年。普通の生活ができなくなりました。今まで「普通」だと思っていたこと。毎日の生活。一年の折々の行事が中止になったり、制限がかかけられたり、不可能になったり。
 人間の長い歴史の中で、今回のような疫病、天災、あるいは戦争のような人災で「普通」の暮らしが出来なくなったことがあったのでしょう。そしてその度に、「普通」を取り戻す努力を重ねたのだと思います。
 話が飛びますが、『異人たちとの夏』という映画を思ったのです。主人公が中年の男ですが、彼が東京の下町で、早くに亡くなった父と母に再会します。
 父は息子に一緒にやりたかったことをやろうというと、息子は父とキャッチボールをしたいと言い、二人は嬉しそうにキャッチボールをします。
 少年時代のキャッチボール。これも「普通のこと」なのでしょうが、息子にとっては、かけがいのない日々の復活だったのです。キャッチボールを通して、かけがいのない日々を取り戻したのかもしれません。
 今回のコロナで、私たちの普通の生活が、いつ取り戻せるのか、わかりません。しかし、普通を取り戻す努力を重ねたい。私たちの先祖が、そうやってきたように。
  キャッチボール普通の生活取り戻す  ひろあき