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京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

うちあけると、ふっと楽な(20)10月末の文

2017-12-28 15:06:53 | 日記
うちあけると、ふっと楽な (20)10月末の文 
         金澤 ひろあき
 10月末にこんな文を書いた。
 体の調子が良くなってきているのを実感する。ずっと心の奥にあった不安感がなくなっているのがわかる。
 命が助かるのを神様に感謝している。しかし、未練もある。今元気だったら、放送部の人達と大会に向けてしっかり歩めていたのに・・・というさびしさがある。入院しなければ、取り返しのつかないことになっていたから、仕方が無いことではあるけれど。
 入院は、診察などを除くと、静かな生活だ。最初は、正岡子規の「病床六尺」のような日々になるのかと思った。しかし、苦痛がほとんどなく、助かった。子規よりも、夏目漱石の「こころ」の〝先生〟の生活に近いような気がする。
  みかんころがる静かな笑い     ひろあき
  朝一番のお茶のあつさ いただく
  秋晴れもどる退院後の予定表

西山寮詩会作品2018年1月

2017-12-28 13:22:22 | 日記
【西山寮詩会作品】            2018年1月
柚子のせる掌小さし病みおれば       金澤 ひろあき

マフラーや寒さしのいで歩きけり      野原 加代子
冬朝の掃除したりて息白く
赤蕪を送りし姉に暮れ近し

銀杏葉の落ち散る話は寒き朝        奥田 一枝
手袋の中で夢見る指の朝
竹箒亡父の手作り落葉掃く
紅葉をふり返り見つつ帰る二人

石蕗(つわ)の黄に狭庭明るし朝の陽光に  宮崎 清枝
ドロップの味七彩に秋日濃し
久に来し本山参り銀杏黄葉
高雄路の紅葉の下を旅気分
美山路の娘の家泊り零余子飯(むかごめし)

喪の便り今日も来ている十二月       中野 賢一
鳴滝へ送る大根引きにけり
デパートの地下にはやばや年の市

うとあけると、ふっと楽な(19)禁酒

2017-12-27 17:47:11 | 日記
うちあけると、ふっと楽な (19)禁酒 
         金澤 ひろあき
 手術を受けて禁酒を言い渡された。1ヶ月。できたら3ヶ月だそうである。3ヶ月してようやく目が元に戻る・・・。
 私はそれほどお酒に執着があるほうではない。よほど酒豪かと見て下さる人もいるが、下戸である。日本酒は二合あれば十分。後はお休み。飲んだら翌日から1週間は飲まないようにしている。従って山頭火さんにはなれない。
 若い頃は飲める人がうらやましかった。飲む練習もしたし、させられた。自分ペースでゆっくり飲めるウイスキーも試した。結局「日本酒の冷酒をゆっくり」に落ちついた。好きな蕎麦と合うからだ。また飲めるようになったら、ちょっぴり再会しようと思っている。私のお隣のベッドの人が退院するとき、看護師さんにしきりに「飲んでいいか」ときいていた。「飲まないほうがいい」という答えにあせっている。先生と相談の結果、「晩酌ていどなら」と言われ、ホッとしていた。
  酒飲んでいいかとやわらかくきく退院予定者   ひろあき
  飲むための言い分 看護師ニヤニヤ 

8月27日 長岡天神句会の記

2017-12-22 12:41:03 | 日記
 2017年8月27日 長岡天神句会の記 抄
               金澤 ひろあき
 8月は仙台へ行って来ました。最高気温が26度ぐらいの涼しい東北でした。全国レベルのすばらしい朗読、アナウンス、三大祭りの一つの七夕、伊達政宗の仙台城見学など、充実した日々でした。
 帰ってからの句会、これまた楽しかったです。皆さんの作品の中で、印象に残った句をかみしめています。
 当日作品
遠い雷 あっと声出す忘れ物    青島 巡紅
次々と別れを告げて赤とんぼ    岡畠 さな子
戻るなり帰る日を告ぐ帰省の子   中野 硯池
川とともに蛍の文字がほどけゆく  野谷 真治
明石ダコ買ってさばけぬ若嫁さん  三村 須美子
むくむくと何処からくるの夏の雲  富岡 智恵子
地蔵盆いっしょにごはんたべようよ 金澤 ひろあき

うちあけると、ふっと楽な(18)

2017-12-22 09:32:44 | 日記
うちあけると、ふっと楽な (18)箸落とす音 
         金澤 ひろあき
 これまでの人生で3回目の入院をした。といっても、1回目は小学生。2回目は事故で中学生の頃だったから、40年以上入院体験がない。網膜剥離なので、手術後、じっと下ばかり見ている。大きな4人部屋だが、じっとおとなしく下ばかり見ている私は、同室者の顔をまともに見ていない。声を聞くばかりである。
 おむかいの人は高齢の方で、入院歴も長そうだ。歩くのも大変そうだ。リハビリで頑張っている。
 夕食の時、その人が箸を落とした。床にその音が響く。ひとりのさびしさが響く音だった。
  箸落とす音がさびしい     ひろあき
 すんなりと自由律が出てくる。「さびしい」が説明っぽいかと思い、
  箸落とす音が冬
とした。しかし実感がない。作為がいやになった。心がこの句をいやがっている。そのまんまがいいじゃないかと思い、「箸落とす音がさびしい」にもどしたのだった。