京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

フリー句「何しても」の巻

2021-02-26 07:54:43 | 俳句
フリー句「何しても」の巻
何しても○○防止がついて回る年代かな  巡紅
ダルマ人形の大きなギョロ目       ひろあき
千手に眼を持つ観音様の寝不足      巡紅
受験勉強夢に問題解けている       ひろあき
楠木正成、武田信玄唱えた天照大御神   巡紅
山国に出て日本史に名を残す       ひろあき
秀吉大明神となり家康大権現となる    巡紅
ジパングの黄金支えた佐渡島       ひろあき
中尊寺金色堂が元ネタ黄金の国ジパング  巡紅
千年の輝き芭蕉も義経も         ひろあき
ヘラクレスの足の下の栄光でも蟹座    巡紅
B級映画いかにもアメリカだったなあ   ひろあき
本国では忘却世界のどこかで現役和製アニメ 巡紅
月の出ぬ街に集合するオタク       ひろあき
誰もが横向き顔で後ろ向きに歩む街角   巡紅
エジプトのファラオの肖像オベリスク   ひろあき
歴史的人物皆無、前世の記憶持つ子供たち 巡紅
ひとりぼっちじゃないよと闇から梅が香る ひろあき
ポカミスが多重事故大渋滞作る高速道路  巡紅
雪と霧朝から鳴り響くサイレン      ひろあき
地球の裏側でもタイムラグほぼなしの情報 巡紅
知りたいという瞳輝く春の色       ひろあき


読書録 魚乃目三太『宮沢賢治の食卓』(少年画報社)

2021-02-25 07:59:45 | 俳句
読書録 魚乃目三太『宮沢賢治の食卓』(少年画報社)
                 金澤ひろあき
 一言で言うと「清貧」というイメージがある宮澤賢治ですが、若い頃はグルメでモダンなひとでした。当時高価なレコードを沢山持っていて、ベートーベンやドボルザークを愛好していました。映画・演劇が大好きでした。
 食べ物をめぐるエピソードで賢治を描いているのがこの本です。思い出食堂コミックスに連載した漫画です。
 大正十年、賢治は二十五歳。岩手県花巻の農学校の教師で、「生きることをいかに楽しくするか」に熱中。生徒以上に学校を楽しんでいます。この漫画は賢治の教師時代にしぼって描かれています。
 日本は大正になり、東京などの大都会は近代化していますが、花巻は大半が昔ながらの生活です。賢治は休みがとれたら東京へ行くので、近代を知っていて、新しい文化を花巻に広めようとします。
 さて、この本で出て来る食べ物は、蕎麦、ハヤシライス、アイスクリーム、サイダー、食パン、西洋料理と大根飯。この中で、ハヤシライス、アイスクリーム、サイダー、食パン、西洋料理は高価で、口に入りにくい食べ物でした。(他、結核にかかった妹のとしにシチューを作って食べさせるシーン、同じく結核にかかった同僚の先生にビフテキを食べさせるシーンがあります。)
 賢治が教師であったのは、二十五歳から三十歳という短い期間でしたが、人生で重要なことが起こっています。
 妹のとしが亡くなります。賢治ファンの人は「永訣の朝」などでよくご存じだと思います。
 詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版します。生前の賢治の出版は、この二冊です。
 それから、賢治には恋人がいました。大畠ヤス子さんと言います。この人の存在は、澤口たまみ氏が明らかにしました。ヤス子のことも、この漫画はしっかり描いています。
 そして、貧しい生徒の家で大根飯をいただき、農民として生きる決意をするシーンがラストにあるのです。
 食べ物から見る人生というのは、その人の本質を映し出すような気がします。

2021年 2月 京都童心の会 通信句会作品

2021-02-24 08:00:52 | 俳句
2021年 2月 京都童心の会 通信句会作品
※京都童心の会では、月一回、こういう形で通信句会を行っております。

この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
特選句の選評をいただけるとありがたいです。

1 正月の正面突っ掛ける正夢
2 緊急事態宣言かたまる冬
3 風花追ってゆく下校時間の声と声
4 無人駅まっすぐの影が無い
5 光る水胸のふちの淑気
6 ショートステイ嫌がる妻を説き伏せる日
7 棚引き雲浮かべて秋晴れの日嬉し
8 日向ぼこボーツと生きてる幸せや
9 さわさわと冷気が浸みて冬間近か
10 橋立の雪折松の雪女郎
11 雪女味土野の雪のガラシャかも
12 コロナ禍に間隔空けて寒念仏
13 寒念仏素足の色のフラミンゴ
14 声明のマスクに籠り寒念仏
15 二月二日百弐拾四年目之節分
16 年の豆デーサービスのランチにも
17 春立つ日コロナ感染治まらず
18 立春や白磁の皿の白砂糖
19 盆梅の幹逞しく花小さく
20 御池桜晴れ着娘に臍曲げる 
21 水光る鴨の着水鷺離脱 
22 飛機の窓神輿のような茜雲
23 龍安寺石庭に笑む英女王
24 朝寒や欠伸を消してドア開ける
25 朝寒の寝起きの酒の不味さかな
26 朝寒や泡雲一つ生欠伸
27 雪雲も頬染め去るか花の咲く
28 足止める灯に浮かぶ小雪かな
29 葡萄の実踏む乙女達の素足かな
30 春寒し鳶の旋回まだ低し
31 街灯下紅白の梅小雪見る
32 モーと鳴いても牛にはなれず回れ右
33 コロナが流行る前の花が夢に出る
34 マスクのうしろから新たな飢えが広がる
35 貧しいおもちゃ世界を変える夢見てた
36 合併で名前なき村黄水仙
37 休み明けの寝床から出て余寒かな
38 マスクするせぬが事件となる受験
39 あやとりの語らい続く春の立つ
40 まっすぐに育ちの良さそうなつらら
41 あったかい顔つきをする和紙障子
42 黙食を言う食堂や鬼払う
43 節分すぎ日ざし明るく手をかざす
44 菜の花をコップにさして窓のそば
45 八重椿蕾ふくらみ紅さして
46 長生きもいいことばかりでないコロナ
47 ワクチン接種働き盛りの人からどうぞ
48 実はイヤ子供の時から注射キライ
49 いねむりしせんたく失敗急な雨
50 青ければ青いほどにビー玉だ
51 天に吹くストローつかみ三ヶ日
52 雪触けでやっと明治のチョコレート
53 どじょう鍋どじょう口のおまじない
54 ぽっそりと家のヤカンは地蔵さん
55 雀の子医療組織に恋をする
56 青林檎ごりらりら逆上がり
57 コロナ禍に日がな籠りし置炬燵
58 綿虫や影うすれつつ藪の道
59 ふと生きる一句大事に木守柚
60 片麻痺にテレビ体操寒の朝
61 京で食ぶ熊本産の寒いちご
62 凍つのる庭の飛石色変へて
63 冬ごもる老の障子に鳥の影
64 如月や梅ほころびて春を待つ
65 恵方巻願いをこめて投げキッス 太くてかぶれない
66 地球上たたかれているのさばりて
67 満月や冬枯れの中灯をともす
68 耳に入るたんぽぽ便り春近し
69 わかさぎのテントカラフル冬の味
70 春よ春心の春を呼びさまし
71 さわがしい氷河くずれる我を静め
72 野鳥鳴き春の訪れ待ち侘びて
73 舞い落ちる故郷の雪帰りたし
74 寒からん雪降りしても泳ぐ鴨
75 愛おしく道ばたに咲き雪間草
76 春隣足音聞こえ陽気かな
77 うぐいすや木々に止まりて見惚れたり
78 ふきのとう母の味にし包まれて
79 島なみや冬夕焼けの人魚像
80 紅梅も白梅も雪空は青
81 熊川宿背かごで運びし鯖重し
82 鯖寿司や小浜朽木で食べ比べ
83 雪だるま取り残されしそりすべり
84 雪止めの瓦と雪の紺がすり
85 猫寄せて肉ぎゅうぐいと愚痴こぼす
86 鬼来るで来ないよヒイラギここにあり
87 立春や重機働く河川敷
88 日脚のぶ本植えとする立葵
89 色つやを出して輝く柳の芽
90 しあわせの道と名付けし初の墓
91 何度仕切り直しても変わらぬ頑固頭
92 リセットしても元通りの立ち姿
93 小さくても嬉しい今日のチョコ
94 勿体ないと冷蔵庫に眠る去年のチョコ
95 孫の声に喜ぶ声にチョコが溶ける
96 コロナと同じ終息の見えない原発事故
97 三密を告げる防災無線の声哀し
98 粘土に指跡が生きている
99 相馬焼の相馬野馬が嘶く
100 轆轤傾いたまま窯元は消えた


風光る

2021-02-22 07:57:35 | 俳句
風光る
        金澤ひろあき
 私達は知識に頼って言葉を学んでいることが多いです。しかし、言葉と現実がぴたりと一致した時、その言葉が急に生き生きと息をしだす時があります。(宮沢賢治の言葉とリズムにそれを強く感じたりします。)
 雪が降った後、天気が回復して、急に暖かくなった2月の土曜日のことです。
 外に出ると梅が開いています。昨日までの死んだような日差しが生き返っています。まぶしいのです。
 京都の西山から、野や川をこえて風が吹いて来ます。風も春の香りを運んで来ます。
 その時、「風光る」という言葉が、急に生き生きと息をしだしました。そうなると、言葉がひとりでに踊り出します。
  風光る賢治が散歩してそうな
  風光る死ぬのは遅刻してもよい
  風光る合格通知今届く
  風光るひかりがスキップしてきたよ
  風光る相棒のおもちゃ持ち散歩

ねはん絵

2021-02-20 12:01:47 | 俳句
ねはん絵
          金澤ひろあき
 2月15日は、朝から雨でした。一日、在宅勤務です。
 昼過ぎには晴れ。変化が大きいですね。
 夕方、買い物ついでに桂の地蔵さんのお寺へ行くとねはん会でした。釈迦が亡くなった日です。お地蔵さんの左側に、一幅のねはん絵がかけられています。
  哀しみも鮮やかな色ねはんの絵 ひろあき