京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2020年12月京都童心の会 通信句会作品評

2021-01-11 12:14:21 | 俳句
2020年12月京都童心の会 通信句会作品評

謹賀新年
 旧年は、1月は名古屋蕉風発祥の地、2月は山頭火の故郷防府へ行きました。ところが、3月からコロナで足止め。コロナでは人生初の連続でした。
 新しい年、皆様の御息災をお祈り申し上げます。
  道草も楽しや次は丑の年 ひろあき

 選者 裸・・裸時    真・・野谷真治  白・・白松いちろう
    藤・・木下藤庵  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 智・・坪谷智恵子 清・・宮崎清枝
    加・・野原加代子

○木下藤庵
1 今日は煙雨だ汚い声の鴉よ啼くな
2 あれえッさざえのうんこは何処から出るの ひ
3 化野や千体仏と秋の風   辰
4 夕ぐれにうぐいす啼いて農夫は帰る
5 婆ちゃんの頭の手拭いさらう鳶
6 爆音を聞けば空襲の夜を思い出す 須
○野谷真治
7 薬指の傷口肌寒勝手口      藤 巡
8 婆さんのあんみつ屋いつも日向ぼこ ひ
9 顔を何度も洗う夜長の仮面   裸 白
10 半月立て掛ける画布の冬   智 硯
11 水の中群がる銀河の痛点
○金澤ひろあき
12 どんぐりを拾いたげな七五三 裸 白 辰 須 加 藤 硯 清 巡
13 かたまって咲く菊人はデイスタンス 真
14 木の葉降る今日の栞にせよと降る  裸 辰 須 智 加 藤 清 巡
15 me tooを押して綿虫ついてくる
16 綿虫の阿呆になれぬやつ一つ
17 綿虫にどうも肩こりなさそうだ  硯
18 厚着する期限の迫る仕事して (特 硯)(特 清)
19 三島の忌騙したように晴れている 裸 白 辰
20 冬支度こんなに早く年をとる   真 智 清 巡
21 厚着して三密加速させている
22 厚着する私の隣ミニの足     智 清
○中野硯池
23 コロナ禍の開店勤労感謝の日 藤 辰
24 御祝儀のつく初糶のずわい蟹 ひ
25 越前蟹ロシアの蟹をずわい蟹
26 足早な梅田の地下も冬に入る 白 辰 須 加 藤 清
27 ボブスタイルなれど梳きいる木の葉髪
28 雑炊や銃後の糧でありし頃  (特 巡) 智 清
29 鬼穴に籠りて大江山眠る   (特 辰) 須
30 減給の賞与五段抜きの記事  真 ひ
31 コロナ禍に餅代ほどのボーナス 辰 藤 巡
32 舟底を洗ふ舟屋の十二月   真 加 清
○裸時
33 晩緑は新しい靴買う日です  ひ 巡
34 日向にバントの音が馨ってる
35 鳥取砂丘色んな動物行進す
36 あの髪をそっと指差す雛祭り 硯
37 盆の月芝生震えて露を出す 白 須
○坪谷智恵子
38 どうなるの世の中変えたコロナさん ひ 巡
39 旅心夢の国へと秋深む  裸 加 清 巡
40 ひっそりと水引草が人待ち顔
41 秋晴れの明石公園菊薫る
42 ふる里を捨てた父京へ私5才  真 加
43 山陰線トンネルだらけ顔にスス 裸
44 咲き誇る垣根山茶花師走告げ  辰
45 ノッポさん皇帝ダリア師走入る 白
46 楽しかった京阪ホテル70代  巡
47 米寿から歳を返していきましょう 真 ひ 須
○蔭山辰子
48 手の平にはーと息かけ冬の朝 加 硯
49 冬枯の桜のどかに天に映え  巡
50 山茶花の白の清らに願かけて  白 清
51 身を清め口をすすいでさあマスク
52 2波3波どこまでつづく四波五波・波・波ハッハ ひ
53 紅葉の山里に抱かれる屋敷跡 (特 白) 真
54 屋敷趾発掘に良き時代を思う
55 登り坂息をはき吐きクシャミする  裸
56 下り坂逝った夫の名は登   真 藤 巡
57 いつか行く待っているかな居ないかナ ひ 須
58 信長光秀夢の又ゆめコロナ晋三
59 少しだけ平和を祈り新年を待つ
60 一つだけいい知らせかなハヤブサ2 藤
○白松いちろう
61  大樹一枚の葉を残して晩秋     加
62  池の雲を啄ばむ鴨の朝 (特 裸) 藤 硯
63  今日も筑波山を拝むどこまでも晴
64  一円玉の晴天 布団むくむく膨らむ (特 真) ひ
65  石壁の蔦の深紅 蜥蜴の隠れ家    辰
66  シニアの友一人逝き二人ご新規の縮図
67  年末の定期戦 ゆずり葉の選定    加
68  先ず公園が生まれニュータウンの始り
69  コロナ禍に耐えて孫採用通知に号泣  真
70 マスクから白い息サァラジオ体操だ 
○青島巡紅
71 赤信号バスの屋根から枯葉落つ  裸 白 加 清
72 夜明け前手を合わせ行く地蔵堂  智
73 池紅葉鯉は水蹴り人は笑む    須 智
74 葉残らず実ばかり残る柿の木や  智 加
75 鳥居前自撮り晴着がここかし   辰
76 乾燥肌の山が遠退く十二月    真
77 サイドミラーの朝日も鈍い十二月 裸 須 硯
78 最高神も一人は嫌天岩戸開き
79 冬の公園押し競饅頭する子ゼロ  白 清
80 白い息朝日に背伸びする太陽柱  白 真
81 大声で喜ぶ漁民=無言で弔う魚群  ひ
82 富国強兵具を入れ過ぎた炊き込みご飯  白 ひ
83 遠出の全身筋肉痛も御利益に入るよね  裸 ひ
84 天使も足を滑らせる結果オーライ 真

○三村須美子
85 コロナ禍や人生模様年の暮れ  智 清
86 猫冷えて舞い戻る枕元     裸 加 硯
87 クリスマス家族分担娘の指図  辰
88 えー子してたらサンタ来るとさとす婆 白 ひ 硯
89 検温しサンタ出勤買い出し日  真 清 巡
90 冬ぬくし波の陽満ち来る漁港かな
91 戸をゆする座敷わらしか夜寒し 藤 硯 清
92 冬空や絶壁の中に仙人堂 裸
93 裸木や四頭身の仁王尊
94 寺めぐる接待みかんの盛りたくさん 真 硯
95 冬巡礼トイレのスタンプラーリとは ひ
96 新暦見据える先に不安と期待 白 辰
○野原加代子
97 秋の顔紅葉の色や頬染めて
98 境内の銀杏拾い懐かしき   加
99 染まりして銀杏並木や黄金色
100 秋日和猫の横顔気持ち良い  (特 藤) 裸 ひ 巡
101 遙かなる琵琶湖眺めて秋暮れし 須 智 藤 清
102 晩ご飯柚子味ソに母の味  硯
103 遠くには山の麓や薄かな
104 柿がりや孫に聞きして3個取り 裸 ひ
105 秋惜しむ故郷祭り目に浮かび 藤
106 立冬や迎えし友と来年も
○宮崎清枝
107 いま一度逢ひたき人と紅葉晴れ(特 加) 白 辰 須 智 藤
108 秋冷や社へ続く竹穂垣   須 智
109 芒野に風なびかせて送迎車 裸 藤
110 本願寺の屋根越え銀杏黄葉大樹 ひ 智 硯
111 母は娘を子は母想ひ星月夜  (特 須)(特 ひ) 辰 智
112 五日早デイの初出や友と逢ふ  智
113 丑年を重ね今在る初山河   (特 智) 辰 真 須 硯 巡