京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2014年1月 京都童心の会 通信句会結果

2024-02-29 08:05:57 | 俳句
2024年1月 京都童心の会 通信句会結果

恵方の虹
        金澤ひろあき
 雨上がりの元旦。虹がぽっかり出ています。
 初詣はご縁が出来た神泉苑へ。空海が龍を呼んで雨を降らせるお祈りをして千二百年目だそうです。そのため、秘仏の毘沙門天がご開帳です。
 境内に恵方を拝むお社があり、今年は東北を向いています。
 大きな虹も出ています。古代は虹も龍の一種だと思われていたと何かの本で読んだ気がします。
  元旦の恵方の空に伸びる虹 ひろあき
 新しい年が皆様にとって、良い年となりますように。
※この文を書いた後、能登で地震と津波。被災された方のことを思うと、何とも言えない気持ちです。

皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 康・・暉峻康瑞
    修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
  大岳次郎様より選句頂きました。「次」で入れています。ありがとうございます。
○野谷真治
1 手袋置く花びらの右手 (特 ひ)加
2 人形となる時計の嘘付き
3 目玉焼きこわれる寒灯 須
4 首筋痛シャーペンの音 巡 修
5 ひるねひかげのひがさ
○野原加代子
6 冬いちご店頭並び輝きて 辰
7 湯豆腐や家族を囲む湯けむりや ひ 真理 辰
8 山茶花に今年も会いし喜びて 真理 修
9 水鳥や川の流れを見つめして (特 真理)(特 修)
10 冬の虹雨上がりに光しや 真 真理 巡
11 神社道実を拾いて落ち葉かな 真理
12 毛糸編む孫の顔思い冬帽子 ひ 須 修
13 赤く染め南天の実や亡き母に 真 修
14 木枯らしや寒風交わしマフラーを 
15 柚子風呂に孫と入りし冬の夜 真 辰 修
○遠藤修司
16 おっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ 巡
17 酒に飲まれ 記憶が飛んで 約束忘れ 信用失ふ 加
18 おもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」 
ひ 須 辰
19 アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー (特 真)(特 次)
20 一声をかけ忘れ見事にケンカ
21 バクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだ
 ひ 加 須
22 カギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる
○金澤ひろあき
23 日時計と腹時計 休日の日向ぼっこ 須 真理 辰 修
24 まだ死なないつもり元日の歯を磨く 真 巡 修 次
25 帰省のフェリー 日付変われば海は雪 真理
26 蓬来に見立てるおせち寿の朱文字 (特 辰)須 真理
27 居場所探しの枯葉ころがる  加 真 次
28 風邪流行る日本口をすすぐ鴨 須
29 木枯らしやしっぽを下げる小型犬 真理
30 冬の月忍びが出そう寺の塀 加 真 真理 次
31 冬の月そっと抜け出す三次会 巡
32 冬の木の紅さすことはひそやかに (特 須)
33 子守唄一緒に聞いた木守柿 真
34 俺もそうしたい二度咲きの冬桜 須
35 流行遅れのコロナその後インフルと笑う友
○青島巡紅
36 火の用心お巡りさんに舞妓さん ひ 真
37 斑鳩を旅する一人下弦の月 真理
38 藷を焼く皆んなの笑顔午後三時 真理 辰 次
39 木枯らしや手にした札が飛んで行く 加 須 修 次
40 車待つ半身沈むオリオン座 真 須
41 蜜蝋の火に誘われて日記買う (特 ひ)
42 帰るべき星を探して虎落笛
43 北風に投げキッスするありがとう 次 
44 筑紫出る時の流れは澱みなく
45 草枯れる中芽を出して靫草 
46 元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く ひ 加 修
47 休みたしでもでもでもと手足動く 須 真理 辰
○中野硯池
48 柿の名は富有なれども小百姓 ひ
49 天上に餅搗く音や老人寮  ひ
50 餅搗きの杵振り上げし老女かな 加
51 吸咽器そばに餅喰う爺と婆々 加 須 巡 修
52 西山の京女グランド冬日和
53 淑気満つデーサービスの介護かな 真
54 辰年に去る兎歳九十七
55 辰年の龍暴れ居る輪島かな 須 真理 辰 巡 修
○三村須美子
56 柿の木や取るに取られず群雀 巡
57 幼子のいちご苗植え春を待つ (特 ひ)加 真 巡 修
58 薔薇剪定棘が身を裂き溢れる血
59 初鶏や雀にカラス共に食う
60 福笹やリュックに揺れる宝巻 加 巡
61 福袋迷子になってアナウンス ひ 真 辰 修
62 正月気分突然吹っ飛ぶ大地震 辰
63 おめでとうの挨拶咎める能登地震 ひ 辰
64 七日がゆまだ残っているおせちかな (特 巡)加 真
65 初通販スマホの中に迷い込む  ひ 真 巡
66 半額の金魚が水槽買う羽目に 加 真理 辰
67 えびすさん福笹がケーキに早替わり
○蔭山辰子
68 新春の朝コロナもなく機嫌良し
69 辰年の空さわやかに胸一杯 加 須
70 おとし玉 あげる方から貰う側 ひ 巡
71 朝寝坊 おとそ一と口又ねむく 真 修
72 待ってるワだれか私にキックバック ひ 巡
73 大山鳴動 政策費とやらネズミ何匹 巡
74 ゴーゴリ検察官もAB派に負け
75 元日午後四時十分なんてことよ
76 地震 津波火災何もして上げられない悲しさよ ひ 加 修
77 自然には人間は何も出来ず 須 真理
78 天はなぜ人に過酷な試練をたれ

フリー句(自由連句 短歌行)「ビルの間を」巻

2024-02-28 07:39:56 | 俳句
フリー句(自由連句 短歌行)「ビルの間を」巻
ビルの間を一直線に鳶の飛ぶ    青島巡紅
節分の鰯の頭つまみ食い      金澤ひろあき 
好きな子を追いかけタッチ鬼ごっこ 巡紅
偽の名で潜伏していた闇の生    ひろあき
マイク持ちお待ち下さい御池桜   巡紅
生きる意味小さな花を持っている  ひろあき
母の指握る赤子の笑み光る     巡紅
暖炉ある部屋コートを脱いで    ひろあき
森を行く仄かに照らす月夜茸    巡紅
梟が配る魔女集会の招待券     ひろあき
人魂の飛ぶ古城の俺グール     巡紅
天守閣鎮まっている月の影     ひろあき
霧となり屋根でヒソヒソ吸血鬼   巡紅
餃子の差し入れだけは困るよ    ひろあき
客席のシーツ交換我慢出来なかったのね 巡紅
大雪だが推しのアイドルコンサート ひろあき
まだまだイケるばんばひろふみ跳ねる 巡紅
OB戦阪神掛布のホームラン     ひろあき
ギネス認定女子クロカン佐伯克美さん87歳 巡紅
生涯現役白髪が黒く見えてきた    ひろあき
雪溶けてつくしの子たち目を覚ます   巡紅
月よりも花よりも白い狐殿       ひろあき
ポチポチと薬を出して白湯で飲む    巡紅
花吹雪帰郷希望の震災地        ひろあき
※今回は22行の「短歌行」という形式です。芭蕉の弟子の支考が考え出した形式だそうです。表4句、裏8句、名残の表8句、名残の裏4句です。二花二月がルールですが、そこはフリーにしました。

フリー句(自由連句)「雪の肌」の巻

2024-02-26 08:03:39 | 俳句
フリー句(自由連句)「雪の肌」の巻
雪の肌紅さす朝の静けさよ   金澤ひろあき
母さんの口紅真似た幼な子が  青島巡紅
こんどの春にはもう親に    ひろあき
初孫は子より可愛い祖父母の我 巡紅
カザノバも無害な好好爺になって ひろあき
若い子とラブホから出るどこぞの住職 巡紅
イケメンで声麗しいほうホケキョ ひろあき
豚の肝臓移植で二年生きた猿に感謝 巡紅
高度医療貧乏な俺縁がない   ひろあき
臓器提供にサインして気分スッキリ 巡紅
世のために何かを遺す星の屑  ひろあき
今尚小さな知的巨人ボイジャー 巡紅
望遠鏡初めて覗いた小学生   ひろあき
潮騒と胸の高鳴り重なる夜   巡紅
いつの時代も恋は盲目     ひろあき
黒板に七色チョーク俺一人   巡紅
補助線を一本冬を終わらせる  ひろあき
六の字に見える紐巻く首に雪  巡紅
サッカー審判過熱を冷ますホイッスル ひろあき
残された者に判らぬ第三の目  巡紅
シバ神の宇宙のリズムに乗り踊る ひろあき
※インドのシバ神は第三の目を持つと言う。
葉と枝の燃える音呼ぶ腹の虫  巡紅