京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2024年3月 京都童心の会 通信句会結果 【選評】後半

2024-04-25 16:10:32 | 俳句
2024年3月 京都童心の会 通信句会結果
【選評】後半
○青島巡紅改めて佐久間照三選
特選 34 冴え返る まだ「思想犯」ある地球 金澤ひろあき
 日本にはなくても世界には確かにまだある。自分の思想信条をいつどこでもはつらつと言える星にしたいものですね。この句の季語のように。
並選
2 客の雨傘 梅の花びら一つ二つ  塩見すず子
 ぼかしから一点へのフォーカスが効いています。鮮やかです。
13 次世代へのバトンタッチが見えてきた 墓参
 老境のポジティブな心境がいいですね。また一つ肩の荷が降りたという安心感も伺えます。
17 猫寝顔ポケットの春がある  野谷真治
 気持ちよさそうに眠る猫の顔には木漏れ日が当たっていてポケットに手を入れたような温もりが伝わってきた感じがよく出ています。
38 プーチンの顔から消えたしなやかさ 金澤ひろあき
 いつまで悪役を演じているのでしょうか。自国の国益に繋がるからと無益な政策を続けていれば余裕も無くなってきますよね。ソ連時代の亡霊から脱却することがそんなに難しいのでしょうか。
40 名残り雪嫁入り前の雛の家  金澤ひろあき
 嫁ぐことが決まった娘と親があれこれやと思い出話に花を咲かせている風景はまるで名残雪のように切なく美しい。明日からはもう雛ではいられない娘。
43 卒業と一緒に消えるなごり雪 金澤ひろあき
 事実多くの人は時間と友に記憶の彼方に消えていきます。一期一会です。忘れた頃に降る雪も溶けて流れます。
48 バレンタインねぎらい言葉貰いして 野原加代子
 職場で頑張っているねという状況かもしれないし、デイサービスで長生きしてしてねという状況かもしれない。自分の想像で読める句です。
51 春日和友の足追いウォーキング   野原加代子
 暖かく穏やかな晴天の日自分より足が早く出る友に負けないぞと自分も足を出す様が目に浮かびます。
56 梅の実や人のうわさも転びづめ 松村芳子
 梅の実が転がるように人の噂話も二転三転して収束する。面白い句です。
57 梅粥やバターの堅き二月果つ  松村芳子
 冷蔵庫から取り出したバターにはすぐには溶けないぞというような意地がある。まだ2月末、梅粥の湯気にもバターの匂いが混ざって食欲が湧いてくることだろう。
62 鶏を褒めていただく寒卵  三村須美子
 一年中で最も栄養価の高い卵を産んでくれる鶏に感謝するのは当然ですね。貴重な生命のお裾分けなのですから。 
69 葉牡丹や盛り上がりつつ青みけり 三村須美子
 葉牡丹が感じさせる生命力が伺えます。寒さが増すごとに伸びて色づくのですから。
74 弥生の朝夢のつづきの青い空 蔭山辰子
 三月、春へと続く月、いい夢を見た朝の清々しい気持ちが繋がる青空。子供頃に戻れる句ですね。
79 自然災害 国会 戦争もう「イヤ」という訳にもいかない 蔭山辰子 
 作者の言う通りなのである。自分に無関係な状況は世界にはないので、どこかで加担している。例えば、無関心の振りをしているとか、自分には無関係だと割り切ろうとして出来ないでいるとか、そう言う人たちが力を貸してくれたら世界は軌道修正出来ると思いたい。
80 日々生活老体痛みどう生きよう 蔭山辰子
 ホームヘルパーの講習会で高齢者の体感を経験したことがあるが、一筋縄では耐えきれないものだった。だけど、寝たきり老人でもパワーリハビリによって歩けるようになったという事例もある。僕も4月で65歳となる。老いに負けない身体づくりに興味を持って前向きに生きたいと思っている。作者も迷いながらも巧妙に辿り着くだろう。
○塩見すず子特選
18 風呂の水換える夕暮と口笛 野谷真治
 作者の姿が目に浮かびます。一日きっといいことがあったのでしょう。明るい気持ちがつたわります。
選んだ句 39 恋の猫雅な雛をひとまたぎ 金澤ひろあき
 猫のなにげない動作の瞬間をうまくきりとった句です。特選にしょうか迷いました。

【お知らせ】
4月句会
日時 4月28日(日)午後2時
場所 阪急長岡天神駅東口 喫茶 アーバンにて
投句 毎月第2週まで 10句前後ですが、少なくても可です。
 84円切手3枚同封下さい。
選評  来月第1週までに頂けるとありがたいです。
京都童心の会  年会費 3000円
月句会参加の方は句会で頂いておりますので、不要です。



2024年3月 京都童心の会 通信句会結果 【選評】前半

2024-04-25 08:04:28 | 俳句
2024年3月 京都童心の会 通信句会結果
【選評】前半
○金澤ひろあき選
特選 天 79 自然災害 国会 戦争もう「イヤ」という訳にもいかない 蔭山辰子
「肉声」が強く伝わります。社会に向けられた作者の肉声。不幸な、そして起こってしまい、もう避けては通れない現実、いつ終わるか分からない苦しみを見つめています。
地 62 鶏を褒めていただく寒卵 三村須美子
 食べる時の「頂きます」。尊い命を頂いているのです。その思いが伝ってきますね。
人 54 奈良町に墓だけ残し梅供う 松村芳子
 古都奈良の一番古い町。今は他に移り住んでいるのですが、親の思い出、親族への思いを残す様が伝わってきます。お寺があるのですね。春のお彼岸に先立って梅をお供えする心情も伝わります。
他、印象に残る句です。
5 歩いた 休んだ 梅のひらく音聴いた 塩見すず子
 体験をじかに伝える書き方で、強い印象を受けます。それだから、「梅のひらく音」が実際に聞こえて来そうです。
13 次世代へバトンタッチが見えてきた 墓参 白松いちろう
 お墓参りを、「次世代へバトンタッチ」ととらえて、前向きな感じがします。次はお前逹が主役だ、頼むよと。
17 猫寝顔ポケットの春がある 野谷真治
 幸せそうな春の一日。「日永」という言葉が書かれていないのですが、思い起こされます。こういう平和な日々が続くことを願っています。
27 枯尾花比翼の鳥を陽と月に 青島巡紅
 枯れたすすきの形の見立てが「比翼の鳥」ともイメージできますし、大きな景色でとらえて、すすき原を照らす陽と月を「比翼の鳥」と見立てているというイメージも湧きます。実景から心象に入る描き方にひかれます。
48 バレンタインねぎらい言葉貰いして 野原加代子
 同じ職場の方へのバレンタインでしょうか。ねぎらいの言葉が本当に嬉しいですね。

○野原加代子特選
70 小鳥たち囀り渡る四温かな 三村須美子
 朝鳥の鳴き声で目が覚める心地よい日が最近あります。もう春が近づいてるのだなと思います。でも寒い日もまだ少しありますが、鳥の鳴き声を聞いて一日が始まるのも自然で良いですね。
○野谷真治特選
21 ポチポチと薬を出して白湯で飲む 青島巡紅
 私も、薬を毎日飲む生活になり、久しい。「ポチポチと薬」のフレーズに、日々を思う。
○遠藤修司特選
42 卒業歌背中合わせの別離来る 金澤ひろあき
 卒業は新たな旅立ち。別れがつきものです。背中合わせが、リアルで良いです。
○三村須美子特選
43 卒業と一緒に消えるなごり雪   金澤ひろあき
 何時でも会えると思っていましたが卒業とともに別々の道を歩み、二度と会うことがなく、今日に至っている同窓生もたくさんいます。春の儚い雪のように思い出だけを残して。
卒業から60年もの長い歳月を経ているのに何もできていない。せめて同窓会には出席しょうと思いました。じんわりとした良い句だと思います。
○松村芳子特選
36 句読点第二の定年弥生尽 金澤ひろあき
○蔭山辰子特選
28 玉葱を剥いて涙の味を知る 青島巡紅
 年をとり、今は料理も家事も出来ない生活ですが、長年主婦の時は、ライスカレーに玉葱を入れて、子供たちの食べるのを楽しみに見守った時を思い出します。塩っぽい涙の味を思い出しました。
○岡畠真理子特選
49 春うらら空見渡して気は張れし 野原加代子
 やっと春らしくなったうれしさを感じることのできる句です。

2024年3月 京都童心の会 通信句会結果

2024-04-24 13:10:47 | 俳句
2024年3月 京都童心の会 通信句会結果

春桃会
     金澤輝
 三月三日雛祭。京都東山七条の三十三間堂は春桃会(もものほうえ)で拝観無料。嬉しいですね。
 晴れてはいますが、寒いです。でも人はいっぱいです。
 まずはお堂の周りを一周。桃の節句ですが、実際は梅が咲いています。
 三十三間堂一周日の永く  輝
 お堂の長さを実感します。
 お堂の中に入るのは、何年ぶりでしょう。千体の千手観音立像が雛壇のように立ち並んでいます。
 まん中に大きな千手観音座像。縁を結ぶための紐をお持ちです。
 観音立像の前には、風神、雷神、四天王、修羅、仁王、自在天など、個性的な神が守っています。全て国宝。大迫力です。
 千の手に千の春乗せ千一体 輝
※輝(かがやき)は、ひろあきのペンネームです。社寺を訪れた時の文は、輝を使おうと思っています。
皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 康・・暉峻康瑞
    修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  照・・佐久間照三  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子  す・・塩見すず子

○塩見すず子
1 雨傘に梅の花びら客迎え  ひ 加 須 真理
2 客の雨傘 梅の花びら一つ二つ 照
3 しなやかな指揮者の梅の花ざかり 修 須
4 書き終えて雛の細い目に膝まづく
5 歩いた 休んだ 梅のひらく音聴いた ひ 真 修
○白松いちろう
6 孫娘見違えるほどの艶姿 成人式は晴れ 修
7 涙嗄れて爆音に怯える今朝のキイウイ 須
8 大寒 一点灯す愛椿   加 真 修 須 芳
9 梅の小枝に春の訪れ   加
10 ポンポン山から富嶽の白銀光る
11 次から次と梅林飾る紅と白 真 す
12 事件発生 バックミラーのカバーが消えた焼き肉パーテイ ひ
13 次世代へのバトンタッチが見えてきた 墓参 ひ 加 修 須 す
14 「つどい」の文字を丁寧に拭く孫二人 修
15 大杉を仰ぐ初詣は快晴
○野谷真治
16 寒月だあれもいない画廊の油絵 ひ 真理
17 猫寝顔ポケットの春がある   ひ 修 須 芳 照
18 風呂の水換える夕暮と口笛   (特 す)芳
19 信号機ぎくしゃく出窓の春一番
20 辛い一本の棒の幸せ  ひ
○青島巡紅
21 ポチポチと薬を出して白湯で飲む (特 真)修 芳 す
22 ビルの間を一直線に鳶の飛ぶ 芳
23 森を行く仄かに照らす月夜茸 修 真理
24 葉と枝の燃える音呼ぶ腹の虫 す
25 北風とワルツを踊る火の粉かな 須 芳
26 線香の煙に乗せて般若心経 真理
27 枯尾花比翼の鳥を陽と月に ひ
28 玉葱を剥いて涙の味を知る (特 辰)加 真 芳 す
29 線香の煙に乗せて般若心経
30 焼けた炭裸足で渡る星祭り
31 雨垂れを数え丸まるアルミシート ひ 須
32 続く雨止み快晴の結婚式 ひ 修
○金澤ひろあき
33 雨の梅 夢の扉の半開き  真 真理 す
34 冴え返る まだ「思想犯」ある地球 (特 照)須
35 春一番 ショーヘイロスが吹き荒れる
36 句読点 第二の定年弥生尽 (特 芳)真 す
37 雲を踏むその一歩先梅ま白 須
38 プーチンの顔から消えたしなやかさ 照
39 恋の猫雅な雛をひとまたぎ  加 真 修 須 す
40 名残り雪嫁入り前の雛の家  辰 照
41 卒業の母校は花の城の中   加 修 す
42 卒業歌背中合わせの別離来る (特 修)芳
43 卒業と一緒に消えるなごり雪 (特 須)加 真 芳 照 す
44 卒業の前後自動車教習所
○野原加代子
45 雨の後菜の花畑露落ちて 辰 真理
46 立春に心新たや芽ふぶき 修 真理
47 待春や花買いして供えたり
48 バレンタインねぎらい言葉貰いして ひ 真 芳 照
49 春うらら空見渡して気は晴れし (特 真理)
50 風吹きし春一番のそよ風や
51 春日和友の足追いウォーキング 真 須 照 す
52 春帽子被りて歩く颯爽と  辰 真理
53 レタス噛み季節味わい夕食に
○松村芳子
54 奈良町に墓だけ残し梅供う (特 ひ)加 す
55 紅白梅枝しなやかに争わず  ひ 真理
56 梅の実や人のうわさも転びづめ 須 照
57 梅粥やバターの堅き二月果つ 照
58 老いてこそ遊び心を雛かざる 加 真理 す
59 雛かざり背なにねんねこ幼な児と 真 修 辰
60 しなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し
○三村須美子
61 友のコロナ肺炎に至る余寒あり 芳
62 鶏を褒めていただく寒卵 (特 ひ)真 芳 照
63 嘴でつつかれ色増す椿かな ひ
64 菜の花ちらし我が家の定番ひな祭り 加 修 辰
65 春の雪丸い山並み鷹ヶ峰
66 腰に手を芽出し具合をみて一周 芳 真理
67 牡丹の赤い手青い手ほつれつつ 真 辰
68 枝揺り芽立ち促す雨に風  芳 真理
69 葉牡丹や盛り上がりつつ青みけり 芳 照
70 小鳥達囀り渡る四温かな (特 加)真理
71 寄せ植えの春苗選び土作り 加 真 辰
72 もうすぐ一年生持ち上げられて励まされ ひ
○蔭山辰子
73 ピンク白緑かわいい菱餅たべ 真理
74 弥生の朝夢のつづきの青い空 加 真理 照 す
75 しょうへいくん今年初めていいニュース
76 大谷君お体だいじに幸せに
77 海の民国中の海をさわやかに
78 登り龍いいこと有ると信じてる 加 真 須
79 自然災害 国会 戦争もう「イヤ」という訳にもいかない(特 ひ)須 照
80 日々生活老体痛みどう生きよう 照


春桃会
     金澤輝
 三月三日雛祭。京都東山七条の三十三間堂は春桃会(もものほうえ)で拝観無料。嬉しいですね。
 晴れてはいますが、寒いです。でも人はいっぱいです。
 まずはお堂の周りを一周。桃の節句ですが、実際は梅が咲いています。
 三十三間堂一周日の永く  輝
 お堂の長さを実感します。
 お堂の中に入るのは、何年ぶりでしょう。千体の千手観音立像が雛壇のように立ち並んでいます。
 まん中に大きな千手観音座像。縁を結ぶための紐をお持ちです。
 観音立像の前には、風神、雷神、四天王、修羅、仁王、自在天など、個性的な神が守っています。全て国宝。大迫力です。
 千の手に千の春乗せ千一体 輝
※輝(かがやき)は、ひろあきのペンネームです。社寺を訪れた時の文は、輝を使おうと思っています。
皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 康・・暉峻康瑞
    修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  照・・佐久間照三  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子  す・・塩見すず子

○塩見すず子
1 雨傘に梅の花びら客迎え  ひ 加 須 真理
2 客の雨傘 梅の花びら一つ二つ 照
3 しなやかな指揮者の梅の花ざかり 修 須
4 書き終えて雛の細い目に膝まづく
5 歩いた 休んだ 梅のひらく音聴いた ひ 真 修
○白松いちろう
6 孫娘見違えるほどの艶姿 成人式は晴れ 修
7 涙嗄れて爆音に怯える今朝のキイウイ 須
8 大寒 一点灯す愛椿   加 真 修 須 芳
9 梅の小枝に春の訪れ   加
10 ポンポン山から富嶽の白銀光る
11 次から次と梅林飾る紅と白 真 す
12 事件発生 バックミラーのカバーが消えた焼き肉パーテイ ひ
13 次世代へのバトンタッチが見えてきた 墓参 ひ 加 修 須 す
14 「つどい」の文字を丁寧に拭く孫二人 修
15 大杉を仰ぐ初詣は快晴
○野谷真治
16 寒月だあれもいない画廊の油絵 ひ 真理
17 猫寝顔ポケットの春がある   ひ 修 須 芳 照
18 風呂の水換える夕暮と口笛   (特 す)芳
19 信号機ぎくしゃく出窓の春一番
20 辛い一本の棒の幸せ  ひ
○青島巡紅
21 ポチポチと薬を出して白湯で飲む (特 真)修 芳 す
22 ビルの間を一直線に鳶の飛ぶ 芳
23 森を行く仄かに照らす月夜茸 修 真理
24 葉と枝の燃える音呼ぶ腹の虫 す
25 北風とワルツを踊る火の粉かな 須 芳
26 線香の煙に乗せて般若心経 真理
27 枯尾花比翼の鳥を陽と月に ひ
28 玉葱を剥いて涙の味を知る (特 辰)加 真 芳 す
29 線香の煙に乗せて般若心経
30 焼けた炭裸足で渡る星祭り
31 雨垂れを数え丸まるアルミシート ひ 須
32 続く雨止み快晴の結婚式 ひ 修
○金澤ひろあき
33 雨の梅 夢の扉の半開き  真 真理 す
34 冴え返る まだ「思想犯」ある地球 (特 照)須
35 春一番 ショーヘイロスが吹き荒れる
36 句読点 第二の定年弥生尽 (特 芳)真 す
37 雲を踏むその一歩先梅ま白 須
38 プーチンの顔から消えたしなやかさ 照
39 恋の猫雅な雛をひとまたぎ  加 真 修 須 す
40 名残り雪嫁入り前の雛の家  辰 照
41 卒業の母校は花の城の中   加 修 す
42 卒業歌背中合わせの別離来る (特 修)芳
43 卒業と一緒に消えるなごり雪 (特 須)加 真 芳 照 す
44 卒業の前後自動車教習所
○野原加代子
45 雨の後菜の花畑露落ちて 辰 真理
46 立春に心新たや芽ふぶき 修 真理
47 待春や花買いして供えたり
48 バレンタインねぎらい言葉貰いして ひ 真 芳 照
49 春うらら空見渡して気は晴れし (特 真理)
50 風吹きし春一番のそよ風や
51 春日和友の足追いウォーキング 真 須 照 す
52 春帽子被りて歩く颯爽と  辰 真理
53 レタス噛み季節味わい夕食に
○松村芳子
54 奈良町に墓だけ残し梅供う (特 ひ)加 す
55 紅白梅枝しなやかに争わず  ひ 真理
56 梅の実や人のうわさも転びづめ 須 照
57 梅粥やバターの堅き二月果つ 照
58 老いてこそ遊び心を雛かざる 加 真理 す
59 雛かざり背なにねんねこ幼な児と 真 修 辰
60 しなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し
○三村須美子
61 友のコロナ肺炎に至る余寒あり 芳
62 鶏を褒めていただく寒卵 (特 ひ)真 芳 照
63 嘴でつつかれ色増す椿かな ひ
64 菜の花ちらし我が家の定番ひな祭り 加 修 辰
65 春の雪丸い山並み鷹ヶ峰
66 腰に手を芽出し具合をみて一周 芳 真理
67 牡丹の赤い手青い手ほつれつつ 真 辰
68 枝揺り芽立ち促す雨に風  芳 真理
69 葉牡丹や盛り上がりつつ青みけり 芳 照
70 小鳥達囀り渡る四温かな (特 加)真理
71 寄せ植えの春苗選び土作り 加 真 辰
72 もうすぐ一年生持ち上げられて励まされ ひ
○蔭山辰子
73 ピンク白緑かわいい菱餅たべ 真理
74 弥生の朝夢のつづきの青い空 加 真理 照 す
75 しょうへいくん今年初めていいニュース
76 大谷君お体だいじに幸せに
77 海の民国中の海をさわやかに
78 登り龍いいこと有ると信じてる 加 真 須
79 自然災害 国会 戦争もう「イヤ」という訳にもいかない(特 ひ)須 照
80 日々生活老体痛みどう生きよう 照


フリー句(自由連句)「上着のボタン」の巻

2024-04-22 13:08:20 | 俳句
フリー句(自由連句)「上着のボタン」の巻
上着のボタンみんな外して春が来る 金澤輝
四月一日朝風呂の後暖房つけず   佐久間照三
花の数観光客とどちらが多い    輝
市民生活ずたずたのツケはどこ行く 照三
新年度人手不足で回らない     輝
なるようになる世の不思議     照三
地上スレスレふたたび凧が舞い上がる 輝
手にも汗まだまだ続く喧嘩凧    照三
祭の後乾杯をするノーサイド    輝
酒好きな日本の神様花の宴     照三
唄い踊り笑って開く天岩戸     輝
おはようと肩凝り解す朝日浴ぶ   照三
手術跡時々チクリまだ厚着     輝
それぞれの朝来て夕の鐘が鳴る   照三
アニメ聖地の次は心霊スポットへ  輝
微風に柳と桜のデュエット     照三
マフラーもコートも急に色あせる  輝
冷房や膝のカイロは色あせず    照三
スーツにネクタイ真夏の営業こたえるよ 輝
オアシスはもうどこにもない電子戦 照三
月からの映像かぐや姫は居ず    輝
心の片隅あって欲しい異星人の痕跡 照三