【西山寮詩会作品】 2019年2月
定年や一回地面に降りる凧 金澤 ひろあき
穂垣径つづく社や初御空 宮崎 清枝
ひょこりと庭に顔出す初雀
初鏡九十路の背筋正しけり
左手(ゆんで)書きだんだん歪むそぞろ寒
花の寺道ひとすじや菊日和
誤嚥することなく通る粥柱 中野 賢一
※「粥柱」とは、粥に入れる餅のこと
玉砂利を噛む車椅子初詣
介護士に励まされつつ初詣
去るものは追はず山茶花耐えるなく
法話聞くあいだにさめし大根焚
手造りのケーキのおやつクリスマス
年末凡情 能勢 忠三
忙しい出番準備OK杵と臼
できたなりっぱなきれい鏡餅
人生航路
子供叱るな行く道や
老人笑うなきた道や
裸木や拳を冬空へ百日紅(さるすべり) 奥田 一枝
初雪ややみ夜に降りしか畑白し
来る年も友となりし日記帳
ねぐらへと急ぐ烏も歳の暮れ
金柑がどの枝にもなり金の鈴
元日を祝うが如き初日の出 西田 ナツエ
おばちゃんと呼んでくれた人はいま二階
淋しげに人の手を持つ枯ススキ
クワッドのフードを隠す白い息 樋口 聖記
さとふるでお礼を集めぼたん鍋
鰤大根孫らと食べし団欒や 野原 加代子
旅立ちて来世で会うて愛犬と
※前号訂正 仲江 実様と、綾部照正のお二方お名前に誤りがありました。お詫びの上、訂正します。
定年や一回地面に降りる凧 金澤 ひろあき
穂垣径つづく社や初御空 宮崎 清枝
ひょこりと庭に顔出す初雀
初鏡九十路の背筋正しけり
左手(ゆんで)書きだんだん歪むそぞろ寒
花の寺道ひとすじや菊日和
誤嚥することなく通る粥柱 中野 賢一
※「粥柱」とは、粥に入れる餅のこと
玉砂利を噛む車椅子初詣
介護士に励まされつつ初詣
去るものは追はず山茶花耐えるなく
法話聞くあいだにさめし大根焚
手造りのケーキのおやつクリスマス
年末凡情 能勢 忠三
忙しい出番準備OK杵と臼
できたなりっぱなきれい鏡餅
人生航路
子供叱るな行く道や
老人笑うなきた道や
裸木や拳を冬空へ百日紅(さるすべり) 奥田 一枝
初雪ややみ夜に降りしか畑白し
来る年も友となりし日記帳
ねぐらへと急ぐ烏も歳の暮れ
金柑がどの枝にもなり金の鈴
元日を祝うが如き初日の出 西田 ナツエ
おばちゃんと呼んでくれた人はいま二階
淋しげに人の手を持つ枯ススキ
クワッドのフードを隠す白い息 樋口 聖記
さとふるでお礼を集めぼたん鍋
鰤大根孫らと食べし団欒や 野原 加代子
旅立ちて来世で会うて愛犬と
※前号訂正 仲江 実様と、綾部照正のお二方お名前に誤りがありました。お詫びの上、訂正します。