京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

席題「人形」

2016-05-31 09:02:03 | 日記
 席題「人形」

浄瑠璃やみえないなみだ人形に     金澤 ひろあき
人形も泣く人も泣く心中す      
政権のあやつり人形めいている
人形が悲しい恋をうつくしく     
虹消えるように越前竹人形

東京の地名に阿波の鳴戸の人形町     内薗 日出杜
三人で人形操る人形浄るり  
アウデイーな人形のバランス取れていし 
一せいを風びしたか阿波の鳴戸の人形しばい

人形のようなきれいな人もいる     川村 薫
菊人形どうなっている此頃は     
人形はしゃべらないからつまらない
ひな人形はるばる行ったが今はどう  
今はむかし人形も居たままごとで

白々とアメリカの操り人形今日も又    二神 大輔
目の欠けた人形の顔延々と      
本来は可愛はずの人形さん
時は今 政治音痴の人形さん     
民怒る 人形づらの嘘八百

席題「ゆでる」

2016-05-31 08:58:28 | 日記
 席題「ゆでる」

体温はゆでるますます熱帯魚      裸時
影法師ゆであがってうれしいな    
このノートゆでたった本当か

適当にゆでる卵が文句言う       金澤 ひろあき
潮だけでゆでる蟹出す港町      
家ごとのゆでる加減のゆでたまご
新ソバの緑のままにゆであがる    
ゆですぎる麺のような言い訳だ
長風呂のゆでられタコになる気分

初句会焼きすぎゆですぎ生半可     二神 大輔
金時はゆでるが如く焼く枯葉     
ゆだり過ぎこの商談は走りすぎ
予算案ゆでたり焼いたり先見えず

茹でられて礼儀正してタコの足     三村 須美子
長居して柚子の香の肌茹で上がり   
茹ですぎて腰がなくなりほうれん草
マラソンの体ごと茹だるアップダウン 
せいろ湯気もちの上におく茹であずき
五右衛門風呂板一枚で茹でらるる

茹であがり雪の絨毯簀子巻き      青島 巡紅
月光に茹でられ松の湯気光る     
茹で卵平手でゴロゴロ中身ボロボロ
茹で過ぎも腹に入れば同じと思えども 
入浴後の茹汁は洗濯機には使えず

句会作品 2016年5月29日

2016-05-30 19:49:44 | 日記
京都句会作品 2016年5月29日 長岡京市
 ひさしぶりに二神さんがお見えになられ、たのしい懐かしい
会となりました。

録りおきのドラマを偕に我傘寿     二神 大輔
クラス会 なまりとともに出る地酒   金澤 ひろあき
とり取りの靴あふれけり子供の日    中野 硯池
腰に巻く上着で蒸れる五月晴れ     青島 巡紅
片言の英語に苦笑聖五月        三村 須美子
もう歳と口にしないよ日々前を     岡畠 さな子
新緑のミストを浴びて生きかえる    坪谷 智恵子
月光が残りし花を浮き出しぬ      内薗 日出杜
くさかんむりたのしい薬        野谷 真治 

席題「盆」

2016-05-30 08:17:42 | 日記
席題「盆」

下の名で呼びあっている盆おどり    金澤ひろあき
異邦人ビルの谷間に盆踊り      
風の盆バスで仮眠し金沢へ
盆に来る和尚の所作(しょさ)の分刻(ふんきざ)み     
盆提灯故人の数と風の数
盆に来る和尚「いやあ、やせました」 
旧盆の沖縄の女(ひと)髪飾る

盆おどり赤いおびに甘えてる      裸時
あっちからドアを開くと盆の菓子   
赤人形世界記録の盆の刻
お盆ですふわふわ人形道迷う

地蔵盆にぎわい絶えて20年       二神 大輔
にぎわいは裏の公園地蔵盆      
寒暑炎え盆地に生きて半世紀
京盆地寒暑にあえぎ傘寿前      
ジジ・ババと送り火を見て孫帰宅

子供より大人の方がうかれる地蔵ぼん  内薗 日出杜 
田舎に一きにもどるぼん休み     
もんどりうってぼん休みの行き先考える
じじばばの手を取られるぼん休み

お盆持ておかわり促す女将かな     三村 須美子
師走より一日千金盆参り       
黒ぞめの呂の絹ずれの月参り
夜歩きや盆の月も澄んでくる     
角盆にすいか並ぶや祖母の里
地蔵盆お札巡りにオートバイ     
ちょううちんに引かれて立ち寄る盆おどり
蓮花の盆を終えずに朽ちにけり    
野菜くだもの菓子のてんこ盛りの地蔵盆
露店のまね事母親の地蔵盆 

フリー句 「天得院にて」

2016-05-29 09:19:46 | 日記
フリー句 自由連句   天得院にて 

   天得院は東福寺の塔頭。訪れた日は桔梗が咲いていて、しばらくの間、暑さを忘れました。
桔梗咲く庭へ美人の素足伸び     金澤ひろあき
真空の空と落ちる桔梗達       裸時
苔の育つ永遠に近い時がある     ひろあき
石の影僕のヒゲが伸びすぎる     裸時
ちょっとモテる男のヒゲをさわらせる ひろあき
煙の中電車が迷う中の人       裸時
星印つけたところにすわりなさい   ひろあき
吐息が昇る人工天井輝いて      裸時