京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2021年 1月 京都童心の会 通信句会作品

2021-01-16 14:08:34 | 俳句
2021年 1月 京都童心の会 通信句会作品

この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
特選句の選評をいただけるとありがたいです。

1 冬の正面「夕やけだんだん」突っ掛ける
2 日めくりカレンダー湯豆腐家族
3 夜風の小走りたい焼包む
4 焚火の泪ひとつふ鳴っている
5 終電車緊急停止冬景色
6 秋日和農協のサイレン犬の遠吠え
7 一時の平和や老いのくしゃみする
8 おーいどしたあシンデレラ赤とんぼ
9 汚い声で啼く鴉ども訃報の日
10 秋風にぼーっと煙草を吸っている
11 ヤンキーが烏の口から出てくるよ
12 荒れ模様親のパンの耳をみて
13 かぼちゃ食べ知育パズルの難しさ
14 紙パックくわえるむささび見えそうだ
15 愚問聞く銀シャリ乾くそのときに
16 向日葵の裏の方の柔らかさ
17 ガサガサと若葉落とす声楽家
18 年寄りのわが身守るのみ年の暮
19 万両や昨日と同じ今日暮れて
20 焼芋の温みも添えて息子の持ち来
21 ルーペ辞書手許におきて窓小春
22 コロナ禍に年玉袋宙に浮き
23 坪庭に遊びに来たり寒雀
24 化野の千の仏と分かつ冷え
25 寒月や出会った猫がしゃべりそう
26 三門に眠り猫いて日向ぼこ
27 一二三百まで数える柚子湯の子
28 ばらされた案山子煙に帰って行く
29 こわばりをほぐしてくれる焚火の匂い
30 寂しければつき合う屋台の夜鳴き蕎麦
31 山茶花のわいわいわいと自己主張
32 どう見ても負ける姿の枯尾花
33 賀状買う数残りの髪の数
34 雪静か コロナ災禍の街癒す
35 げらげらと憚りもせず初笑
36 巣ごもりて寝疲れも出る三ケ日
37 巣ごもりてゐて皸を拵へけり
38 コロナ禍に春着遠慮の事務始
39 七草のパックはみ出る草のあり
40 王座目ざし取り札飛ばす初稽古
41 振りあげて稽古始の面を打つ
42 古井戸といへど伏水寒の水
43 低きより一声鳴きし寒鴉
44 ゴミ置場よちよち歩く寒鴉
45 お月様年末年始おめでとう
46 一人前おせちとおとそお餅なし キケン
47 お正月一人静かにお迎えす
48 はねかえす寄る年波に立ち向かう
49 うしうしと気力ふんばり日々すごす
50 雪が舞うさすがえびすさんこの寒さ
51 戸じこもりコロナと寒さ着ぶくれて
52 春の声ワルツの曲が流れきて
53 ステップを椅子につかまり楽しみて
54 恵方巻早や予約とるコンビニで
55 初日出どうぞよろしくと手を合わせ
56 初夢は悪風邪コロナ消えており
57 そば雑煮徹夜で家でおとなしく
58 コロナ禍が失せればゆったり牛になる
59 ゴミ袋膝にかかえて銀杏剥き
60 ゴミ袋まだまだ次は栗をむく
61 一〇八の煩悩よりも多い嘘
62 閻魔さまわたしのことも許してね
63 あーたいくつ欠伸をするのはいつの日か
64 めずらしく小雪の散った大阪市
65 人が振るサイコロだから面白い
66 朝寒や飛行機音の響くこと
67 冬の木々真っ直ぐ空に向かってる
68 白い肌灯を消して水になる
69 寺の鐘間延びしている夏の午後 
70 同じ時同じ場所のない人生の一本道 
71 自分と語ることが若い頃よりも増える
72 どちらが飼い主か解らなくなる散歩
73 チョコを一口サイボーグ「お頭の栄養」 
74 奴隷から信長の家来となった黒人侍
75 上善若水猫の液体化をお手本にしろ?
76 大友跡(吉井勇の歌碑)記念撮影後絶えず
77 地球を見守る星の糸電話 
78 神功皇后鮎釣りて勝利確信す
79 脇目も振らず犬の飛び込む落葉の山 
80 孫達と七草粥に願い込め
81 冬の虹輝き滲み寒からん
82 初詣今年も福とおみくじや
83 降り積もる故郷の雪望郷や
84 柚子風呂に孫入りして喜びし
85 初夢や縁起の良い日祈りして
86 初詣階段登り手を合わせ
87 雪国やふるさと想い帰りたし
88 夕飯におでん囲みて団欒や
89 年賀状懐かし友の活字見る
90 葉のグラデーションに息を呑む
91 寂しそうに渋柿の朱
92 犯人はどこ?コロナ終息見えず
93 接触者「0」に不安が募る
94 風邪薬が売れないコロナ効用
95 カラスの鳴き声まで変調
96 釣り堀に並ぶマスクマスク
97 寒さ一入蝋梅一段と香る
98 動かなでの声が届かない
99 新しい年を耕す「蜜」の刃
100 コロナ禍に耐えるを語る枇杷の花
101 大掃除勢いこんで肩パンパン
102 冬至十日充電増して日の伸べり
103 冬晴や臘梅ほのかに葉を落とし
104 凍てついた葉脈とりもどす昼間かな
105 お尻まで炬燵にめり込み寝正月
106 初詣堂を一巡お賽銭
107 初詣のぞむ三川合流点
108 網食わえゴミの猟する初ガラス
109 厚氷上にマンモス子のはからい
110 水鳥や等間隔で日向ぼこ


※コロナ禍でついに二回目の緊急事態宣言が出てしまいました。
2月句会は21日(日)に予定しておりますが、この状況が続く場合(京都の感染者数が1日100人をこえる)は、全面的に通信句会にします。

フリー句「三が日」の巻

2021-01-16 08:28:20 | 俳句
フリー句「三が日」の巻
三が日すでに世間は回り出す      ひろあき
時間はより速く手足頭はより遅く    巡紅
短かさにはらはらとする花盛り     ひろあき
1人だとクラシック客と一緒だとヘビメタに変わる赤信号 巡紅
上方は判官贔屓の歌舞伎者       ひろあき
理性or感情だけで生きても波阿弥陀   巡紅
渦巻きがのたうつゴッホ「星月夜」   ひろあき
気付くと道路横断停車車両にゴッツンコ 巡紅
おみくじに注意せよと出ていたよ    ひろあき
決められる未来と決められない未来がある 巡紅
彗星が地球に当たる確率は       ひろあき
備えあれば憂いなしとNASA        巡紅
地震津波洪水コロナよくもまあ生きのびた ひろあき
目処があるから凌げる災害無ければポンペイまっしぐら 巡紅
現代都市バベルの塔をセットする    ひろあき
静止軌道まで伸びるタワーでも届かない神の国 巡紅
野辺に咲く一輪の百合隣人       ひろあき
心許しても呼気はプロテクトの御時世  巡紅
試合できる喜びを言う箱根駅伝     ひろあき
無観客紅白松田聖子一人だけが頭を下げた 巡紅
永遠の青春がある歌がある       ひろあき
観客を総立ちにさせる70代の若者    巡紅