2016,10,23(SUN)
IN MANY FIELDS
さて、超が付くほどに久しぶりのサウンド・クルーへSTAが舞い戻って来ましたよ。
先月から続く地元札幌におけるライブ・コンサート。
なんたって在住地だとフットワークも軽く行けるので便利(ア!?地方のメンバーもいた・・・ごめん!!)。
今回のハコは札幌の中でもすでに老舗の部類に入るほどのライブ・ハウス。一度移転もありましたがバンド連中に重宝されている心強いスポット。
札幌テレビ塔が目前に聳え立ち、地下鉄バスセンター駅そば、大通りへは石狩街道を渡れば徒歩の距離、近くには数多くの観光施設や名物の二条市場もありますよ。つまりここは札幌のほぼ中心に位置するわけです。
最高責任者のキクチくんやスタッフの皆さんともすでに顔なじみ。挨拶もそこそこに楽器や器材の運び込み。
バンドマンによっては近場の格安パーキング探しに四苦八苦。場所が場所だけに気軽に駐車できないもんね。目の前の広い道路も一方通行でひっきりなしに車がビュンビュンと通過。そんな中、午後3時に続々サンクル入り口へ集結した面々。
全6バンド中4バンドはSTAのお仲間(マサによるお誘い)。
他にもトップ出演バンドのベーシスト君もマサと23年ぶりに再会したのでした。気心の知れた顔、顔というわけでアットホームな空気流れる中でのライブ・イベントとあいなりました!
階段を上がると広々としたロビー。右手にはドリンクカウンターと受付。トイレも男女別に設置されていて窓ガラスもサイケデリックなデザインが施されています。
事務所横には細長い楽屋(モニター・テレビあり)。壁から天井にいたるまで過去に出演したバンド達の思い出の証なのでしょうか・・・・サインや落書きが所狭しとばかりにビッシリと書き込まれています。その奥の階段からステージ後方に辿り付けるというお洒落な構造。STA若きホープのエビちゃんはキクチくんの大学の後輩なのでマサが間に入って紹介(もともとはSTAイケ面サックス・プレイヤーのハッシーが橋渡し役だったんだよ)
事前に連絡があったタイム・テーブルどおりに進行。早速3:20よりスタッフからのバンド名呼びかけで順次リハーサル開始。
マサも事あるごとにお手伝い。ゆっくりと余裕のある時間枠で懇切丁寧なサウンド・チェックができるので皆大喜び。
マサはSTAセットリストの曲ごと説明書(編成や人数、ワイヤレス仕様も書き込み済み)をあらかじめミキサー主任に手渡しておいたのでスムーズ。
何故かSTAリハの時には本番さながらに数人が最前列に陣取っていました(笑)。
この日も恒例となった突発性事故いくつか起こりましたが、
その詳細については後ほど・・・・。
2曲半ほどを噛み締めるように演奏。なんたってドラムのセッキー初STAなので彼に比重を置いた選曲で負担軽減を心がけていきます。
モニターの返りや音質、ワイヤレスの設置位置、立ち位置、バランスとレベル調整、そして各パートの音出し・・・・。
申し分なしのシチュエーションが確立されてちょうどの時間。「それでは本番よろしくお願いします!!」
と言ってる間にロビーや楽屋は賑やかに盛り上がっているではないか!?
お馴染みの顔や懐かしい顔、顔・・・・。
握手したりハグしたり情報交換したり、開演時間までそれぞれにワイワイ、ガヤガヤでリラックス・ムード満開。
観客として札幌近郊のライブ・イベントに欠かせない名物ダンサーといえばアベさん。
この日も開演前から駆けつけてくれて準備万端。
ジャンルもバラエティに富んでいて決して飽きのこない贅沢この上ないライブ・イベントの幕開けだ!
18:30~18:55
トップ・バッターは「六華」
このバンド名は「リッカ」と読みます。とっても奥の深い意味を込めて命名したそうで(もちろん花から)紅一点のアサヒちゃんにとってもお似合いのバンド名。
4人編成でバックの若々しき男性陣が頼もしきサウンドでアサヒちゃんを盛り上げてくれます(本当はツイン・ギター編成なのですがシゲくん今回欠席なんだそうです)。
全曲オリジナルで入魂のプレイを披露。
実はこのバンドのベーシスト、ヤマケくんはマサと初めてあったのが23年ほど前。その頃は彼も高校生のベーシスト。久々の再会を共に喜び合いました。しかもお互いの愛器がスペクター!。
演奏直前にマサがステージ前に歩み寄って細部に至るまで見せてもらいました。彼のスペクターは黒でチェコスロバキア製(ローズ指板)。ブリッジやボディ・シェイプなどの違いなどを比較してみました(楽屋ではマサのスペクターを、そしてケースまでをも拝見。周囲はドン引きだったろうなあ・・・・)
メンバーから一声「それじゃあ、いこうかあ!」
1曲目のアップ・テンポ「敢闘歌」からノリノリ。ドラムの激しくズッシリと重いビート炸裂。ドラマーのヤマダくんは会場備え付けの真っ赤なパール・ドラムを猛烈連打。
ギターのミッちゃんはヤマハのパープル・カラーを使用(ローズ指板)
そんな中、満を持して登場したのが水色のミニ・ドレスがとってもチャーミングでセクシーなアサヒちゃん!
すこぶる良い音出しているバック陣に負けないくらいに光り輝いているボーカル。
リズムに乗って踊る姿も嫌味や無理も強引さもなく、しっくりと馴染んでいて好感が持てます。こんなに素敵なシンガーが札幌にいたんだあ。
この街の音楽界隈は奥が深いと改めて痛感した次第。
チラッとさりげなくヤマケくんがかましてみせたハーモニックスもポイント高し!(使用エフェクターは大絶賛のEBSコンプレッサー!)
MCではアサヒちゃんをいじりまくるメンバー達。これは愛情の裏返しなんでしょうね(笑)。
ヤマケくんは「髭ダンス」のあのあまりにも有名なリフを弾いてアサヒちゃんに振るんだけど「やりませんよ!うちのバンドはコミック・バンドではありません!」とちょっと照れ笑いを浮かべつつきっぱりと拒否。このやりとりも見ようによってはユニーク。
2曲目「LAYARED」
ヤマケくんの2フィンガーとチョッパーを交互に織り交ぜたベースが絶妙のタイミングでグルーブを先導。
ギター・ソロもワウペダルをふんだんに導入して巧みなアンサンブルを形成。
そこからギター&ベースによるユニゾンフレーズに突入。さらにはダメ押しとばかりのヤマケ流ビリー・シーン直伝タッピングでトドメをさす。
MC「今日は一番はじめの出演ではありますが、とても嬉しいです。ありがとうございます!皆さんの温かい拍手にこころより感謝します!」
3曲目はチャー風の軽快なるギター・カッティングが心地よい「エゴ」
アタック感抜群のリズム・セクションがうねりまくる。
アサヒちゃんのボーカルも伸びやかで安定感があって音域も広い。
意外にもMCがとても初々しく、それでいて不思議な魅力を醸しだす。今回のライブでまたファンが急増したことでしょうね。
「人間は生きている中で色々なことがあります・・・」といきなり神妙な話題を語りだしたら、すかさずメンバー達から「なんか難しい事を言ってるぞ!」と突っ込みが入る。
「私はメンバーの中でも若いので、どうしてもこのようにいじられるのです。でも・・・・2回目ですけど・・・コミック・バンドではありません!(笑)」
4曲目「WITH ME」はへヴィーなギターから突入する切れ味鋭いナンバー。
アンサンブルも構築美の極致。よく練られたアレンジが聞くものをグイグイと惹きつけます。
アサヒちゃんの美しいルックスと華麗なるダンスもこのバンドの大きな売りでしょう。
早くもラスト・ナンバーの「空へ」
その前にアサヒちゃんのMCね。
「今、激し目の新曲を作っているのですが・・・・それを、すごく名残惜しいけど、締めくくりに歌いたいと思います」「えええ~~!!」「すごく優しい方達ばかり・・・・涙が出そうです・・・・次の年内ライブはありません。実は私来年1月から留学にいくのですよ!」バックのメンバー達「解散だあ!!」、アサヒちゃん焦って「2月には戻ってきますよ!(汗)聞いてください、空へ!!」
彼女の旅立ちに相応しい名曲ですね。
後半では「皆さん、一緒に!」の呼びかけに乗って観客もアサヒちゃんと一緒に手を思い切り振り続けていました。
またすぐにでも見たいなあ、と思っちゃうバンドでしたね。ひとまわりもふたまわりも成長した姿で元気に戻ってきてください。
追記:ステージを終えたアサヒちゃんが、丁重なるお礼を言いにわざわざ来てくれました。笑顔が素敵でしたよ。
バンド入れ替え中にマサの横でライブを見ていた女性からボーカルに対する心構えや注意点などを質問されちゃいました(彼女も近日中にここでライブを敢行するそうです)。
ジュンも交えて的確なアドヴァイスを語り感謝されました。
19:05~19:30
セカンド・アクトはもはや説明不要の「アンクルキャッツ」が満を持しての登場。
もうどのくらいSTAとタイバンを組んだことか・・・思い出せないほど。今年もあちこちで同じ舞台でご一緒しましたね(
先月も来月も12月も一緒!!)。
最近のアンクルキャッツは編成も流動的です(STAの比ではないけどね・・・・笑)。
今回は5人組みで、な・な・なんとユキちゃんというキュートな女性シンガーが加入したのです!
フミオくんだけでも十分妖艶なるオーラを振り撒いていて強烈なのに、これで益々グレードアップ間違いなし。
バック陣はお馴染みササくんが迷彩柄のTシャツに愛器イバニーズのベース(茶色のボディ)、ドラマーのヤッちゃんは黒のブルース・ブラザースTシャツ着用で力が入っています。そしてフクさんは水色が鮮やかなストラトキャスター(メイプル指板)。
予備知識として書いておきますが、会場設置のベースアンプ・ヘッドはギャリエン・クリューガー、スピーカーはアンペグ(こいつが絶品の音を醸しだしてくれます)。ギターアンプはローランドJCとマーシャル2段積み。
1曲目はユキちゃんのキャラクターにあわせたのでしょうか、東京事変の「丸の内サディスティック」でスタートしたからビックリ。
この予期せぬ選曲は嬉しい裏切り行為だよ。当然初演奏の曲なんだそうです。
グッとバンド・カラーの幅が広がったね。この日の出演バンドには必ず素敵な女性メンバーが在籍しています(STAだけが唯一の野郎集団・・・笑)。
ユキちゃんも他の女性達に負けないくらいに男性客を魅了していました。
いきなりササ君のベース・ソロも散りばめて終了。
MCはフクさんの担当。「アンクルキャッツはサウンドクルー初めてのお出ましです!爺さんバンドにユキちゃんが加入ということで、華があっていいでしょう!」「可愛い!!(会場)」「それではユキちゃん、自己紹介を・・・」「19才!・・・19才のユキです!」「フクちゃんです!!(爆笑)」「これからも知っている人は知っている。知らない人は知らないというパワフルで珍しい曲をやっていきたいと思います。アン・ルイスで六本木心中!!」
はい、ここからは通常どおりのアンクル路線ですね。
でもユキちゃんが歌うことで、違った感触に仕上がり面白いね。柔軟な姿勢は好印象。
こういうバージョンも中々に新鮮。
フクさんとササくんの燻し銀コーラスも冴え渡っておりますよ。
ユキちゃんも不慣れなステージで相当に緊張しているのか、常に表情も固くぎこちなさも時折ちらついていましたが、ミネラル・ウォーターをグイッと一飲みして落ち着いてきたかな?
でももう、ここからは大船に乗ったつもりでエンジョイしましょうよ。なんたって煌びやかなるシンガー、フミオくんが後方から颯爽と姿を現したのですから!
「ここでいつものメンバーです!はい、ミスター・フミオ!!」落ち着き払って「いつもの年齢不詳メンバーがきました(笑)」
フミオくんの衣装が毎回手作りなのは、有名な話。カラーもその時その時に応じてセレクト。
アクセサリーなども妥協なき探究心で飾り付け。さて今回は・・・・何とハットと服が豹柄。ドレスアップされた長いマフラーはキラキラとしたラメ入り。これが照明に反射されて艶かしいムードを演出しています。こうきたのかい!ってなあもんです。このファンションを観るのも一つの楽しみ。
(楽屋ではフミオ君の豹柄とマサのヘビ柄シャツのミニ比較談義に華が咲きました)
葛城ユキの「ボヘミアン」は定番中の定番。
あいかわらず度肝を抜かれるフミオ君の正確無比なる抜群ボーカル。声量も突き抜け具合も神ってる!
常連組みの観客もドッとステージ前に押し寄せてきて思い思いの踊りに興じる。
ネオン・スティックやウチワを振り回す者や、ジャンプする者とそれぞれが自由気ままに踊らにゃあ損、損!!
毎度毎度見慣れた光景ではありますが、それを横目にフミオくんはクールにさすがの貫禄と風格を見せつける。
「ボヘミアン~~!!」の強引なまでのハイトーンは彼の真骨頂。
あれだけ歌えたら気持ちいいいだろうなあ・・・といつも思います。
「フミオく~ん!」の声援も飛び交います。
「まあこんな感じのバンドです。え~、ここからは一休みでオリジナルのバラードを1曲。夢、再び・・・」
ミラーボールが回転し始めて、会場は即席のダンスホールと化します。
チークダンスをしているカップルも見受けられますよ。
ドラマティックな展開が施された楽曲なので起承転結が鳥肌もの。
聞けば聞くほどに味わい深い大作です。
次に出演するド派手なメイクと衣装の「乙!!帝國ゆるゆる団」のメンバー達もちらほらと会場入り。
「スレイブ・イン・スター」はセクシーでグラマラスなシンガー、サブリナの曲だからユキちゃん用でしょう。
男女交互のボーカルによるコントラストが見事の一言。
後半への持っていき方も圧巻。フクさんによるスペイシーなギター・ソロも聞き応え満点。
先月取り上げていたサンタナの「ホールド・オン」、山口百恵「ロックンロール・ウイドウ」もいかしていたけど、更なる守備範囲拡大で頼もしい限り。
会場からの「頑張って、ユキちゃん!!」に応えて「応援よろしくお願いします!!」
フミオくんのヒラヒラ揺らめくコスチュームに目を奪われていると「サジタリアス・アクエリアス(中嶋優貴)」のナンバーに突入。
元イースタン・オービット(へヴィー・メタル・アーミー)のキーボード・プレイヤーだったミュージシャンによる隠れた傑作。
テクニカルなギター・ソロへ絡みつくように女性コーラスが入ると、ベースもサム・ピッキングで乱入してきて格段にスケールアップ。音と音との対話で空間を駆け巡ります。
MC「ありがとうございます。女性がいるといないとでは全然違うね。
何?このトークは・・・・・意味わからない・・・・・あ!これでライブは終わりです!」
観客全員ドッとずっこける!!(爆笑)「お~~い!ちゃんと最後の曲ですって言えよ~~!」とラブリー・ブーイングで終了。
まあこういうパターンもユニークなんじゃないかい?狙ったわけでもないと思うけどね!!
数年ぶりにスーパー・ギタリスト雷神コマタ氏とマサが再会。がっちりと握手を交わし笑顔。
多忙の中、弟分のステージを観るために、はるばる小樽から駆けつけてきたそうですよ。
20:15~20:40
STAとは何かと縁が深いバンド「乙!!帝國ゆるゆる団」の出番です。
早くもライブ・イベントは折り返し点。
歌姫スバル嬢率いるアニソン・バンドはSTAと同じく8人編成。そして後半3バンド共にブラスセクションが在籍しています。
さあてと、今回の乙帝ビックリ箱からは何が飛び出すのかな!!??
絶対に期待以上のモノが体験できることを保証します。先月のライブ時にも予告していましたが、今月はハロウィーンにちなんで「百鬼夜行編」
そして楽曲も「少年ジャンプ祭り」と銘打ってのライブ。
全て週刊少年ジャンプに掲載されていた漫画アニメ・ソングで網羅。
どうです!もう期待と怖いもの見たさでワクワク、ドキドキしてきちゃうでしょう!
特にサンクル初、しかも今年最後の乙!!帝國・・・ライブということでいつもの数倍ゴージャス。
入念なる準備も目立っていました。だって全員が出演数時間前からメイクに&着替えを済ませてロビーやホール内を闊歩。
楽屋に集合した際には最終チェックとばかりにスバル嬢号令の元、全員で真剣な表情で振り付け合わせ。
とてもじゃあないけれども近寄りがたい空気充満でした・・・・(笑)。
錚々たるメンバー構成は・・・・・スバル団長(VO)タタンタ大佐(VO)傭兵カッツ(G)マサキヨ大尉(B)MARU機関長(DR)MIKIMIKI一等兵(KEY)リカ二等兵(SS)ジュン伍長(AS)
拘りぬかれた各メンバーのお名前だけでも個性的。もちろん毎回コンセプトに基づいた衣装も目を見張るものがありますが、その基本を忠実に貫きつつも全員がおどろおどろしいメイク、つまりゾンビ!!に扮しています。
青白い顔、滴り落ちる血、傷だらけの体、グルグルと体に巻きつけられた包帯、ボロボロの服・・・・いやはやなんともたいしたものだよ。
やるからには徹底的に貫き通す心意気はもはや脱帽もの。
ステージ上は墓場を模したかのようなセットでダンボールや綿等が装飾されています。
もうこうなったら徹底的に乙!!・・・のミステリー・ワールドへ一気に惹きこまれてみましょうよ。
不気味なSEが流れて薄暗がりの中、いよいよベールが剥がされた!メンバー達がヨタヨタ、ノロノロと姿を現しました。
物凄い入り込み方。もしやこれは?!・・・と思った瞬間、はじまったのはやっぱり世界一有名なダンス・ナンバー「スリラー」(もちろんキング・オブ・ポップの故マイケル・ジャクソン曲)だった。スポットライトを浴びて正体が判明!!
ゾンビに扮したメンバー達がステージ狭し!とばかりに踊り狂う様は異様且つ壮観。
中にはミイラ男や狼男、地獄から蘇った聖飢魔ⅡのVOデーモン小暮がいるよ!(笑)。
そのデーモン閣下に扮したタタンタ氏の声色が絶品。
あのお馴染みの声で「ハハハハ!!皆の者!本日は乙!!帝國ライブへようこそ!いつもは何の変哲もない古い屋敷から毎晩、毎夜、少女の叫び声が聞こえてくる・・・・フフフフ・・・・お前も蠟人形にしてやろうか!?お前も蠟人形にしてやろうか!!」
はい!お約束「蠟人形の館(聖飢魔Ⅱ)」イントロが飛び出しました(オジー・オズボーンがリフの元ネタね)。
そこから雪崩れ込むかのごとく「世紀末救世主伝説(北斗の拳メドレー)」に突入。ここからが一応は本編であります。まずは「愛をとりもどせ!!」。なるほどねえ、芸が細かい。
クリスタル・キングの高低振り分けられたボーカル・パートを阿吽の呼吸でタタンタ&スバル御両人が歌い分け。
開巻一発目から衝撃的なる幕開けです。観客一同目が釘付け。
こよなく愛するナチュラルカラーのミュージックマン・スティングレー(メイプル指板)を爪弾くマサキヨくんよ。
狼男のマスクを被ったままでよくベース弾けるのお!!ビックリしちゃうよ。かなり念入りに視界が馴染むよう練習したのでしょう(笑)。
そのまま「ユリア・・・永遠に」(クリスタル・キング)へ。
ユリアって美しい女性だよね。
それはともかくステージ・モニター中央にはカボチャ型ランプが揺らめき、真顔でライブをこなしまくるバンドにすっかりと会場中も慣れてきたようです。
恐ろしい・・・・・・乙!!帝國の術中にはまってしまったわけだ。
「TOUGH BOY(TOM CAT)」が最初のメドレー締めくくりソング。
あれ!?さりげなく前方の床に置かれている遺影は・・・・トロンボーン担当タク隊長ではないか!立派なタキシード姿なのに、しっかりとゾンビ・メイクがここでも書き込まれています(彼の紹介はスルーだったけど・・・・聞くところによるとタクはゾンビと戦って名誉の戦死。英霊と化したそうな・・・笑)。
アリーナ最前列では、アベさんもひっきりなしにホイッスルを吹き鳴らして声援を送り続けています。
この寸劇を心底エンジョイしている様子。
第2幕は「パフパフメドレー」
3部構成の1曲目は「摩訶不思議アドベンチャー(高橋洋樹)」
ミキミキちゃんはローランドD-10にて華麗で煌びやかなる鍵盤の迷宮へ誘ってくれます。
正直いって原曲を知らない人達も多数いるであろう会場内。
でもそのような人々でも楽しめるライブを目指す!というのが当面のバンド目標なんだそうですよ。
涙ぐましい心がけだ。団員あわせて300歳オーバー・・・・でもこのコンセプトはクセになりそうだ、今後もやりたい!とのこと。頑張れ!
一瞬ではありますが「ドラゴンボール」の美味しいところをチラ見せしてから、ロマンティックなピアノの響きに導かれて、その名のとおり「ロマンティックあげるよ(橋本潮)」。ディーヴァ・スバルがドラゴンボールのヒロイン「ブルマ」の仮面を被ってヤンヤの喝采を浴びていました。
先月は「ルパン三世」のお面で「不二子ちゃ~ん!」をぶちかましていたけど、ブルマにいたってはオジさん達はキャラクター設定の理解に四苦八苦です・・・情けない。この時代の女の子達は皆、この漫画に憧れ夢見て青春時代を駆け抜けたのでしょう。
「CHA-LA HEAD-CHA-LA(影山ヒロノブ)」でいよいよ山場を迎えました。
日高支部からの遠距離加入カッツ氏がポール・ギルバート真っ青なタッピングのイントロ、おみそれしました。
彼使用のギターは一見イバニーズに見えるけど、アメリカ製の「サー」というメーカーなんだそうですよ。
HSH配列のP・Uがマウントされていて、そのボディ・シェイプやコア材、ダーク・ブラウンの木目調カラー(ローズ指板)など、どこをとっても往年のメタル魂を再燃させてくれますね。
スバルちゃんに「影山ヒロノブはすっかりアニソン・シンガーとして有名になったけど、デビューはレイジーという本格派アイドル・ロックバンドだったの知ってる?ミッシェルという愛称で赤頭巾ちゃんご用心!を歌ってたんだ。他のメンバー達はラウドネスを結成したんだよ」。
もちろん彼女は全く知りませんでした!当たり前ですね(笑)。
「皆様、楽しんでいただけてるでしょうか?今夜はノンストップメドレーをお送りしております。次の曲で最後です!」大観衆から「ええええ~・・・!!???」「最後といっても3曲をメドレーでやるので、最後までごゆっくりご堪能ください(笑)」
第三幕のメドレーは「乙!!の奇妙な冒険(ジョジョの奇妙な冒険)」
序盤の贈り物は「ジョジョ~その血の運命~/(富永TOMMY弘明)」
一瞬たりとも目が離せない豪華絢爛たるパフォーマンス。
こんなものを目の前で体験できる贅沢さにカンパイだ。
ここでもタタンタ&スバルによるツイン・ボーカルが刺激的で神秘的。
「BLOODY STREAM(CODA)」
スバルちゃんがおもむろにステージから降りてきた。そして会場中の観客一人一人にご丁寧に小箱からチョコレートのプレゼント。
美味しそう!いただきます!
こんなところにまでもサービス精神旺盛なんだから油断も隙もあったもんじゃあないね(笑)。
「STAND PROUD(橋本仁)」で正真正銘の佳境に差し掛かってきました。
「謎のアニソン・バンドよ、どこへ行く~!?、乙!!帝國ゆるゆる団でした!呪われた人々よ、また会おう~!(デーモンの声で・・・・)」
事細かな全体のバンド演出家でもスバルちゃんが楽曲はもちろんのことセリフ、衣装、メイク、ダンス、小道具、その他数々のサプライズまでをも一手に担っているのだから感心しちゃいます。
次のライブは残念ながら来年になるそうだけど、早くもどのような舞台効果で暴れまわってくれるのかファン達は首を長~くして待っているよ~!。
トリ前は小樽のロックンロール・シンガーこと世界のマッツが率いる「Y-PROJECT」
16:25~16:50
この日一番の大所帯10人編成でサウンド・クルー初見参!
それでも臆することなくステージ・セッティング中にメンバー同士その場で写真撮影会を開催する余裕ぶり。
もはやSTA位のバンド人数では驚かなくなってきたね!
ステージ前方には小樽から応援に駆けつけてきた仲間達でビッシリ。恐るべき小樽パワー!
開演前からすでに皆エネルギッシュに出来上がっていますよ!
ベーシスト盟友のヨッシーも熱き友情を漲らせて動画撮影。
ステージ上には隅々までビッシリとメンバー達が自分のポジションについています。
Yプロの「Y」とは偉大なるジャパニーズ・ロッカー矢沢永吉の「Y」であります。つまり全曲永ちゃんで占めているわけ。
矢沢といえば毎夏、小樽ライブイベントで人気のバンド「E.SANADA」が思い出されますが、マッツはサナダ氏と同い年。
小樽にもマッツのようなダイナマイト野郎が存在するんだということをこの日はいやというほどに見せつけられましたよ。
思い起こせば、彼との出会いは小樽音楽界の重鎮サイトウ氏との会話がきっかけ。
マサと同郷のいかした男がいるよ!とサイトウ氏その場でマッツを電話にて呼んでくれたのです。それが縁で以降は小樽ライブ会場はもちろんのこと、夕張コンサートに参加してくれたり、お互い初詣の際夕張神社で鉢合わせになったり・・・という仲です。
ご先祖様のお墓も同じ場所なのですよ!
それではバンド編成を紹介しますね・・・・・マッツ(VO),ハルケン&マサキ(Gx2)、ソーメイ(B),ヒロシ(DR),ナカジ(CHO),ロッソ(TP),ミキティ(AS),ヒロポン(TS),ユミちゃん(BS)!
準備万端整いまして、このバンドもSEを使用。
「乙!!帝國・・・」のようなお化け屋敷を彷彿とさせるようなものではなく、こちらは硬派路線を物語るかのごとく硬質でギラついたシンセサイザーによる効果音。
そのまま1曲目の「さまよい」に連結。
矢沢ロックのなかでもコアなフリーク受けしそうな大人のナンバーで幕開け。
タイミングを見計らったかのように噂のマッツが堂々君臨!!
今までにもマッツはディープ・パープル、B’Z、ブルー・ハーツなどのバンドで歌ってきましたが、このバンドが一番しっくりとなじんでいるように感じました。というか蓄積されてきた経験が花開いたかのよう。
ニット帽にサングラス姿で、白いストレート・スタンドにセットされたワイヤレスマイクを荒々しく鷲掴みして、振り回しながら歌う姿も堂に入っています。
1・2・3・4!のカウントと共にはじまった「レイニー・ウェイ」もこれまたファン泣かせな1曲。永ちゃんワーナー移籍第一弾アルバム「カヴァチ(このタイトルはヒロシマ弁だそうです)」に収録されている、いかにもライブ栄えしそうないかしたナンバー。
バックのメンバーも強力。
ベースのソウメイ氏は小樽の大御所バンド「スターレス・ネオ」のメンバー(雷神コマタ氏もギターで在籍)。
フェンダーUSAの5弦ジャズ・ベース(メイプル指板)でのプレイ。
リーダーのハルケンはポール・リード・スミスのダークブルーを使用(ローズ指板)。
ピンクのミュージックマンを弾くギターのマサキはヴァンヘイレン奏法で一瞬の自己主張(笑)。トランペッターのロッソ氏が耳をつんざくハイノートを思い切り炸裂!(彼はベテランバンドのサッポロ・ファンク・オーガニゼーション主要メンバー。ファニーとも顔見知り)
口に含んだ水を勢いよく空中に霧吹きしたマッツの「HEY!HEY!HEY!」美学に酔いしれたまえ、諸君!
ガラッと場面転換して、永ちゃんソロ第一弾の記念すべきバラード「アイ・ラブ・ユーOK」がしんみり響いてきて泣けてきます。
淡い彩りで誰もがグッときちゃう照明に導かれるように、チークダンスを踊っているカップルもいます。
イントロは矢沢ライブ・ヴァージョンさながらに泣きのアルト・サックス・ソロを挿入。
マッツ、今度はモニター・スピーカーに左足を乗せて感情込め丁寧に熱唱。
貫禄溢れる男気全開のポーズも自然体でほどよくフィットしています。
マイクがスタンド連結部分の緩みでクルッと回ってしまったシーンはご愛嬌。機転をきかせて事なきを得ました、さすが。
高ぶる感情をより後押しするかのようにサックス・ソロ、そしてコーラス・ガールが申し分なきいい仕事をしていますよ。
「サウンド・クルーは初めてです、よろしくね!ステージはじまる前に飲みすぎました!(笑)。俺達はあちこちの街から集合して幅広く活動しています。普段は小樽中心のライブなんだけど、札幌は手稲(コンテストで賞をもらいました!)に次いで2回目。先日は雪が降ったけど札幌ライブは熱いね!うちも熱いメンバーを紹介します!!」
コーラスのナカジ嬢は加入ホヤホヤだそうで、普段はメイン・ボーカリストをはる本格派。コーラス担当だけなんてもったいないくらいに贅沢な人材なんだそうです。
リーダーのギタリスト・ハルケンは余市在住。
アーミング奏法も豪快に決めまくるピンク・ギターのマサキ君は色がピンクだからといってエロいわけじゃあない!との事(エロいのはマッツだと自分で言ってたんだから多分間違いないんだろうね!・・・・笑。)
ヒロシくんはあいかわらずのへヴィー・メタリック・ドラムを轟かせる。アルトサックスのミキティ嬢にはあちこちから「可愛い~!」の声が飛び交っていましたよ。
テナーサックスのヒロト(ヒロポン)くん、本当は普段ピッコロやフルートを吹いているとのことですよ、ビックリ!(STAのカツもトロンボーン担当なんだけど、この日は観客として駆けつけてくれました)。
「最高のメンバーの中で歌わせてもらいます。時間もないのでここからはポンポンといきますので。一番過激な曲、黒く塗りつぶせ!」
このタイトルはザ・ローリング・ストーンズの「黒く塗れ」からきているのは明らか。
最前列では写真撮影者が、ごった返して芋洗い状態。
ドスの効いたマッツのド迫力矢沢節が炸裂。細かな節回しも完璧。
「魂の咆哮」という言葉が彼のボーカルを表現するのにはピッタリ。
マッツの先導で全員が力強くコブシを思い切り振り上げて、ハルケンのギター・ソロに応戦。
「最後にもう1曲いきます!止まらないHA~HA!!」
重厚なるコーラス・ワークと共にマッツはレッド・ゾーン振り切れる寸前まで剥き出しのエナジー出し惜しみ一切なし。
たっぷりと永ちゃんの研究をしたのでしょう。成果あり!で報われたね。
「HA~HA!」でお約束のタオル投げがあちこちからはじまった!これをやらなければライブは終わらない。
「ワンモア・タイム!ワンモア!!」を連発しながら、会場に背を向け仰け反り、両手を広げてエンディング合図を送る完全燃焼のマッツ。
「いいぞ~~!!」と満足気な声援が後方から飛び、温かな拍手はいつまでも鳴り止みませんでした・・・・。
打ち上げのお酒も格別な味だった事でしょう!
お待たせしました!いよいよ、ここからはトリをつとめるTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)のライブ・レポートです。
21:25~21:50
8人組の野郎集団もそろそろ根付いてきた頃。今回は全ブラスロック6曲をぶち込みつつ結成時の状態に何から何まで戻りつつあります。
新加入のドラマー、セッキーは前任者のヤスがダニー・セラフィンにコージー・パウエル風味まぶした作風に対して、臨機応変に対応できる万能型とでも申しましょうか・・・・まだまだ「STA版・虎の穴」イバラの道は果てしなく続きますが見事にその大役を果たしたようです。
観客もタイバンも彼に対して賛辞の声を送っていました。もちろん本人はまったく出来には納得していないでしょうが・・・・・。
そうなんですよ・・・・この大きな試練の4日前、不運にも右手中指を2箇所も骨折してしまったのです!!
STAライブはじまって以来、最大の危機!なんたってリズムセクションの要でもあり急な変更もききません。
もはやライブ出演断念か・・・・・とおもわれたのですがさすがセッキー、涼しい顔して「大丈夫!心配いらないよ!」といつもどおりの笑顔でライブへ望むことに。不屈のタフガイだ。
ガッチリ湿布とテーピングを施して臨戦態勢。
周囲が心配する中、黙々とチューニングに勤しんでおりました。なんという立派な・・・というか逆境をかえって糧にして立ち上がる男だ!!
実は前日が一番病んで手首まで腫れあがったのだそうです(大袈裟ではなくグローブのような写真を見せてもらったけど、とてもじゃあないけどスティックなんて握れる状態ではなかったです・・・・)。
御見逸れしました。ちょうど同じ時期に本家シカゴもベース&ボーカルのジェイソン・シェフが正式に脱退。後任にジェフ・コッフィーが加入したとの報道が全世界中を駆け巡っていたのです。頑張れ!セッキー!!
さて、8人プラス、アヴァンギャルドなゲストを加えて乙!!帝國・・・やY-PROに負けてられるかあ!!とばかりに一念発起したメンバー。
楽屋では各自出番が近づくにつれて思い思いにストレッチやウォーミングアップ開始。
この日のイベントはマサがサンクルのキクチくんに声かけして実現した「イン・メニー・フィールズ」。
だから出演バンドのほとんどが顔見知りだということは前述どおり。
恥ずかしい演奏はできませんから、責任重大。
この日のBGMは延々とドナルド・フェイゲンの歌声が流れていて、不安も払拭してくれ、とっても爽快な気分。
暗転の中でメンバー全員が持ち場につきます。マサはクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」のリフで指慣らし。ホーン・セクションは4人が横に並んで最終チューニング。
今回からシンはキーボードの位置をノブサイドに移動。
ダウン・アップ・ビートでも最近そうしているらしいから、リフレッシュにはもってこいでしょう。
マサがステージ上のスタッフと話し合って全員のセット完了を確認後はミキサー主任に合図を送ります。
BGMのボリュームをしぼり一時の静寂が漂う中で、緊張感マックスにまで到達した瞬間を見計らったかのようにノブによる歯切れ良いギター・カッティングが刻み込まれました!!(ここ最近ずっと使用していたフェンダー・ストラトキャスターUSAエリック・クラプトンのカスタム・ショップ・モデル、ブラッキーではなくブロンド・カラーのストラトを抱いています)
***SET LIST***
1、INTRODUCTION・・・CHICAGO
2、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
3、~HANDBAGS AND GLADRAGS(ハンドバッグと正装)・・・CHASE
4、VEHICLE・・・IDES OF MARCH
5、GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE
6、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO
NOBU・・・G
JUN・・・AS VO CHO
FUNNY・・・TP
SEKKIE・・・DR
SHIN・・・KB VO CHO
KUNI・・・TP VO CHO PER
EBI-CHAN・・・TB
===SUBARU・・・GUEST VO(GET IT ON)===
マサが盛大なるファンファーレとも受けとれるナレーションを高らかに告げます!
「はい!たいへん長らくお待たせしました。豪快無比なるサウンドを全身で堪能してください!we are blass rock band,the sapporo transit authority!!」
間髪入れずに1・2・3!!カウントが空間を切り裂く。
ナーヴァスになっていたセッキーも途端に表情が引き締まる。
一丸となって発する第一音が脳天直撃。新生STAが産声をあげたのだ!
第一印象が勝負の分かれ目とばかりに定番の「イントロダクション」をここにもってきました。ほとんどの観衆はこれ一発で骨抜きになっちゃうんですよ(笑)。
若きホープのエビちゃんも食らい付いてくる。大学サークルのキクチ先輩が会場後方から熱い視線を送っていますよ。
これぞ初期シカゴ、そしてブラスロックの真骨頂だ!と言わんばかりにホーン・セクションがけたたましい唸りをあげます。
クニはトランペット、パーカッションにと曲中目まぐるしく楽器の持ち替えに徹していて大活躍。ツボを心得た采配には感心しきり。
マサはモニター・スピーカーを乗り越えてステージ前方に身を乗り出してのシャウト。
カツがマサを撮影で追ってもぶれちゃう・・・とこぼしていいました(笑)。
セッキーも徐々にグルーブを把握したのか、歴代ドラマーとは一味も二味も違うフィルインで彩を添えます。
第一関門の変拍子パートに入った際にはワイルドでラフなトラブルが発生しましたが、そこは百戦錬磨の猛者達。涼しい顔をして強引なまでに乗り越えてしまいました。セッキーの方にはマサやジュンが幾度も幾度もアイコンタクトを送り難所をクリア。
ブレイクでは掟破りのまさによる4カウントでタイミングをあわせて最年少エビちゃんがソロ切り込み隊長を流麗に担います。
今年からSTAライブを幾度もこなしてきた彼は、この頃では不敵さまでをも兼ね備えた御様子で頼もしい限り。
バトンを受け取ったファニーはブラス隊の要だけに、貫禄の嘶きトランペット・ソロを誇らしげに天井へ向けて放ちます。
3人目のソロはギターのノブが一変してサイケデリックなるニューロックの世界に導いてくれます。
3番の歌に入る直前にセッキーのスネア中心ドラム・ソロではヤンヤの喝采が湧き上がる!憎いほどに目立ってますなあ!!
エンディングもバッチリ決まった。
歓声と拍手に迎えられてマサのMC。
「改めましてthe sapporo transit authorityです。皆さん、こんばんは!楽しんでいますか!?」「イエー!!」「実はね・・・今回がSTA初ライブのドラマー、セッキーが4日前に中指を2箇所骨折してしまいましたああ!!!」「エエエエ・・・!!???」「ちょっとセッキー、指を見せて・・」
ドラム・セットからニュッと突き出した中指・・・・その形が上向きだったためにちょっとヤバイ形に・・・・
「いやらしい・・・・!」「あ!そうだよね(笑)こんな状態ではありますが最後の最後まで全力疾走で突っ切りたいとおもいますのでよろしく!!」「オオ~!!!」
「今日は日曜日だけど土曜日の曲をお送りします!サタディ・イン・ザ・パーク!!」
この曲をリクエストしてくれる人がとても多いのです(アベさんを筆頭にね)。
メンバーも全員大好き。「イントロダクション」とはまた違った魅力的な曲。エビちゃんもとうとう念願叶って本番で吹くことができて良かったね。
シンの鍵盤シンコペーション・フレイバーをたっぷりと堪能させてくれるシカゴ初のミリオン。
何度演奏してもシアワセな気持ちに浸らせてくれる珠玉の1曲。
シンとクニによる緻密かつ計算されたハーモニーが表現力をより飛躍させてくれました。
実はこの曲も聞くと演奏するとでは大違いで、落とし穴があちこちにある油断も隙もありゃあしない難曲なのです。
ちょっと聞いただけだとわかりませんがね。
さすがシカゴと痛感。
変態的プログレッシブなリズムやコード進行、スケールを乱発しようが、耳にはスタイリッシュでポップセンスに満ち溢れたブラス・ロックが届けられるという仕組みには感服。
そこからメドレーで「ハンドバッグと正装」
シンが前曲のアップテンポなピアノ・タッチから、グッと抑え気味なハモンド・オルガンのロング・トーンを奏でる。
タメにタメた間合いでマサのベースが地鳴りのごとく発せられます。
さりげなく覆い被さってくるホーン・セクション。
厳かなる静寂を打ち破るのはセッキーのフィル。
もういつ以来になるのだろうか、この曲をライブで演奏するのは。思い出せないくらいにご無沙汰。
地味なミディアム・ナンバーではありますが、聞き応えもプレイのしがいもあるスルメのような曲で、隠れファンも多いのですよ。
リード・ボーカルを担当するシンがぐっと落ち着きのある喉を披露。
それに絡む各人のフレーズも冴え渡っています。誰か一人でも欠けたりぐらついたりしただけでも台無しになるアレンジではありますが、ごく控えめに徹するので報われない部分・・・・。でもこういう形で報われないのも大切だよね。それによって光る箇所がよりクローズアップされるわけですからね。中間部では再びシンのオルガンのみに戻って、今度はマサが切々と情感込めてメロディーをソウルフルに歌い上げ・・・・・8人同時の激しき爆音ビート雪崩れ込み。
エンディングではアドリブによるクニの泥臭いシャウト、そしてダメ押しとばかりにファニー伝家の宝刀ハイテンション・マックスの切り裂きトランペット4連発!!!!。
誰がこの凄まじい終わり方を想像できたであろうか・・・・・。
それにしてもSTAって相当に燃費の悪いバンドだね。
1曲で数曲分のエネルギーを浪費しちゃうんだから、ペース配分を考えながらやっていかないと途中で必ずぶっ倒れてしまいます。
敬愛する我等がシカゴは、ほぼ60代にも関わらず今も連日2時間にわたってライブを繰り広げているんだからやっぱり怪物だ!!
マサによるミニ曲解説コーナーのあとには「STA3人目のリード・ボーカリストを紹介します。ジュン!!」
自他ともに認めるエロティック部門担当の彼が、エモーショナルに歌う「ヴィークル」はセッキーのスティック・カウントから。
ここ最近のジュンによるこの曲は、練り込み度が半端ではないので、フェイクやらも取り入れだしてもいます。そこにセッキー独特の後乗りドラムが加わり面白いくらいに豹変してきました。特筆すべきは光速「ヴィークル」にジュンらが苦笑いしちゃったことかな。
エディット・バージョンなので贅肉そぎ落としの仕上がり。
ジュンはアルト・サックスとボーカルの2刀流なので独壇場。
エンディングにおけるボーカル・ソロではどこからともなく「ギャ~~!!」という悲鳴にも近い雄叫び声援がぶちかまされました。
人気者のジュンに送られるたくさんの拍手。
その熱気が冷めやらない中、追い討ちをかけるかのごとく、マサによってエスコートされて来たのはスペシャルゲスト「乙!!帝國ゆるゆる団」の歌姫スバルちゃん!
ジュンに負けず劣らずの歓声に迎え入れられました。
でも、まだゾンビメイクのままなので不気味によたよた姿での登場。
ご挨拶は普通にこなしていたけどね(笑)。
「ありがとうございます!先月に引き続き彼女が歌うのはチェイスの代表作でもありブラスロック・ベスト3に必ず君臨するであろう曲を日本のトップスというバンドがカバーした日本語バージョンでお送りしたいとおもいます。ゲット・イット・オン!!」(この曲の時だけグッと平均年齢が下がる・・・笑)。
普通に歌わないところが策士スバルの侮れないところ。歌詞は爆風スランプのサンプラザ中野くんのペンによるもの。
セクシーな腰振りアクションも堂々たるもの。2回目のSTAライブで、早くもクセモノのこの曲を手中に収めちゃいました。
たいしたものだ。
曲のユニゾンや決め決め有名パートでも、スバルはジッとせずに、観客の視線を自分に向けさせるような動きを繰り出してきます。ウカウカしてられんなあ、我々も。
マサも応戦するかのように何度も何度もベースのネックを振り上げたり、振り落としたりで太刀打ち対策。
ブラスロック史に燦然と輝くエンディングでスバルは大役を全うしました。
「もういちどスバルちゃんに盛大な拍手を!!」
もちろん割れんばかりの歓声・・・・を浴びスリラー・ダンスを踊りながら楽屋に消えていったゾンビ・スバルなのであった・・・・・(笑)。
「ラストです!極上のミッドナイト・ソングで締めくくってみたいとおもいます!25OR6TO4!!!」
これをやらなきゃあ締まりが悪いと誰かが言ったとか、言わないとか・・・まあそれはおいといて一気に頭のヒューズがスパークしちゃう事うけあい。
強引なまでに襲いかかってくるノブによるギター・リフ。
マサは余力を残すことなく全身全霊で挑みかかってきます。
メンバー達の合の手「hey!hey!」がいつの間にか、お約束事に定着するまでになっちゃいました。
マサはモニターやバスドラムに勢いよく足を載せ、颯爽と体くねらせポーズにジャンピングにピョンピョンとスキップ、ステップ踏んだりと大暴れ。ブラスのメンバー達も楽器を吹かない場面では腕を振って何度もコール&レスポンス。
エディット・バージョンの「長い夜」だけに、ノブのギターは長めに弾きまくり。後半のテクニカルなクライ・ベイビー奏法も定着しつつあるね。これならば天国のテリー・キャスも合格点をくれるかな?!
その後のマサ絶叫ボーカルに対極を成すべく、シン&クニ&ジュンが絶妙なコーラスで一体化。
もうここまできたら、出し惜しみなく出血大サーヴィスとばかりに観衆を煽ります。
クニはトランペット&コーラスだけではご不満なのか、タンバリン奏者に変身。
マサがベースを垂直に掲げて最後の音は全員で奏でます。
ベース・ギターをゆっくりと肩から外して最前列の観客にネックを突き出し、終わりの狼煙とばかりに会場全体へマシンガンベース姿勢。
「イエイ!!」と振り下ろしてフィニッシュを迎えることとなりました。お疲れ!!(全出演者中、ジュンのみがこの日2バンド掛け持ちだったから尚更)
あちこちからライブ直後に「かっこよかったあ!」「凄~い!」と感嘆の声が頻繁に聞こえてきました。
それは、充実感に満たされた楽屋でもロビーでも・・・・・。タイバン同士汗だくのままガッチリと握手!
音響も照明(点滅も色彩もハデハデで)も要望どおりで何かとやりやすかったイベントでしたよ。
色々な忘れ物が多数あったけど、和やかに無事終えられて、これもひとえに皆の協力のおかげです、感謝。
最後の最後にはマサがロビーでキクチくんはじめスタッフの皆さんと屈託なく談笑。
サンクルのぶれない音楽方針や信頼度の高い経営手腕は、ボードにビッシリと書き込まれた連日のスケジュールで一目瞭然。
また近いうちに必ず戻ってくるからと、サンクル・スタッフに固く約束して帰路に。
札幌の夜が一段と冷え込んできて寒さが身に凍みます。厳しい冬はもうすぐそこ。
セッキー!骨折にも関わらずの大奮闘、よくぞのりきったね!
「乙!!帝國・・・」はあの姿のままで打ち上げに向かいました(恐・・・・・!!)
次回のライブでは、より成長したSTAを見せつけてやろうではないかいな!!
VERY SPECIAL THANKS TO・・・HITOMI&MISATO&YOSSY&MR,RAIJIN-KOMATA&KATSU&ABE-SAN&YAMAKE-KUN&SPECTOR&MATTSU&FUKU-SAN&SUBARU&MARU-SAN&FUMIO-KUN&SASA-KUN&MR,KIKUTI&STUFF!!